タケノコはなにと組み合わせるか〜タケノコのソテー、ブルーチーズソース〜
旬の食材タケノコ。日本料理での定番はタケノコご飯や若竹煮といったところ。
共通する香り成分を持つ食材同士は相性が良い──いわゆるfoodpairling仮説──から食材を検索できるサイト〈Foodpairling.com〉で、タケノコと相性のいい食材を調べたところ、香り成分がもっとも共通するのはソブラサーダソーセージ(スペインの生チョリソ)とゴルゴンゾーラチーズという結果。
正直、とうもろこしやホワイトアスパラガス(硫黄化合物が共通しているので)の方が共通する香り成分が多いか、と思っていたのでちょっと意外でした。他にざっくりと見てみるとベーコンやごま油、米(タケノコごはん)などが続き、コアントロー、イチゴなどの香り成分も含まれているよう。つまり、タケノコをコアントローで煮て、イチゴとあわせてデザートにする──例えばコアントローでタケノコを煮たものを細かく刻み、白玉団子とあわせて油で揚げ、イチゴのソルベとハイビスカスのジュレをあわせる──みたいなパターンもありうるのかもしれません。
タケノコとブルーチーズの相性の良さは科学で証明済。というわけであわせて見ることにしましょう。
水煮のタケノコは小さく切って、オリーブオイルで炒めました。水煮はどうしても水っぽさが出るので、加熱して水分を飛ばすと味が凝縮します。
ブルーチーズ30gと生クリーム100ccをあわせて加熱します。沸いてきたらゴムベラで潰しながらチーズを溶かし込みます。
あとは2つを合わせればOK。
味にコクを与えるためにパルメジャーノチーズタイプの粉チーズ(今回はグラノパダーノ)をスプーンで1杯ほど加えました。
黒胡椒をいっぱいふったら出来上がり。チーズソースの濃厚さとタケノコのさっぱり感という味。今回はタケノコとブルーチーズの相性の良さを調べるためにシンプルな仕立てにしましたが、ちゃんとつくるならじゃがいものニョッキやパスタを入れた方がいいでしょうね。これにあわせるならカベルネ・ソーヴィニヨンを使ったロゼワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンはときに「ピーマンのような香り」が特徴になりますが、あれってピーマンではなくて、タケノコの青臭さにも似ているのかも。
おまけ
ちなみにワカメを検索したところ、タケノコのタの字も出てきませんでした。昆布は同じ海藻で似ているのでわかりますが、マッシュルームが面白いですね。よくマッシュルームを海藻バターで炒めますが、香りの相性的には悪くなかったというわけ。基本的に昔ながらの組み合わせは理に叶っているのですが、この結果からはいわゆる若竹煮はワカメ、タケノコ、それぞれの味を楽しむ料理と言えますね。ここ数日、かなり暖かくなってきていて春も終わりという感じですが、まだ間に合うので今のうちにタケノコを味わっておきましょう。