私はこう考えています。
ちょっと固いようですが、今はこうでなけりゃあ。
『食材を活かす・美意識を高める』
ポイント1:塩と水の活用
日本の文化の特徴は「塩で清める・水で流す」です。
この方法は日常生活の中でいろいろと活用できます。
料理の分野で言うと、食材を良く水洗いし、塩水に漬けて農薬を除去します。
この方法は野菜だけではなく、肉、魚にも応用できます。
これがなによりも食材を活かす最大のポイントになります。
それから、玄関や入り口を清掃した後、水を撒き、塩を置きます。
良い気は入り口から入りますので、その良い気をお店や家の中に取り入れること
はとても大切です。
気は目には見えませんが、気には運を上げたり下げたりする働きがあります。
邪気より正気が良いに決まっています。邪気を追い払う良い方法が、水であり
塩だ、と先人たちは言っています。
ポイント2:挨拶の重要性
ある成功者の言葉を借りると、接客に必要なのは『出迎え3割送り7割』
の言葉と行動のボリューム感なそうです。
ある旅館でのことです。御客さまを出迎える時はスタッフ1名で対応しますが、
御客さまが帰るときになると、その旅館の従業員で手の空いているスタッフが
全員出て来て、「ありがとうございました!」と大きな声で見送ります。
僅か9室しかない小さな旅館ですが、名旅館になっている理由がここにあると思
います。帰りを華やかに見送られた御客さまは必ずリピートします。
これはスーパーや小売業のお店にも当てはまると思います。
ポイント3:清潔な店内
この言葉も成功者から教えられました。「その会社や店が繁盛するかどうかは、そ
このトイレを見ると分かる。」と凄いことを言っています。
きれいに拭き清められているかどうかが肝心です。
玄関と同じ考えです。トイレは邪気が溜まりやすい場所ですから、清めるのです。
女性は初めてのレストランに行くと、「ちょっとトイレへ。」と言って席を立ちます。
お化粧直しももちろんありますが、トイレは小さなドラマが隠されていて、見学
すると楽しい場所だ、と知っているからです。
私の大好きなレストランは、トイレの壁一面にお手拭タオルが壁画のように並べら
れていて、度肝を抜かれます。またあるレストランではトイレがギャラリーになっ
ていて、そこのオーナーの趣味を知ることになり、一層楽しく食事が出来ます。
ポイント4:エコを取り入れる
地球環境を考えることは誰にとっても必要です。
お菓子をお土産に頂き、その包装の頑丈さに嫌気がさす時があります。
包装紙、箱、真空パック、鋏も一緒に入れて欲しい・・・・みたいなお菓子が
たくさんあります。これを頂いた人はなんと思うでしょうか?きっと誰も同じです。
「ああ、もう食べるのが面倒くさい。」ゴミ箱はお菓子の紙くずでいっぱいになって
いますから。
エコを取り入れるとはどんなことでしょう?包装紙を開けたときに、何が入って
いるのかしら?とワクワクさせるドラマがあったり、包装紙を本の表紙にしていた
母を思い出し、丁寧に折りたたんでみたり。箱はそのままリサイクルし易いことや、
その土地の香りが漂って、いよいよ口に運んで幸せになったらそのお菓子はきっと
エコロジーであり、豊かであり、美味しい。
ポイント5:シンプルな表現
私が料理をする時に一番気をつけることは、『その食材の気持ちを考える』です。
もし私がトマトだったら、そんなふうに調理されたくない。と思わせる方法を出来る
だけ使わないことです。この表現は抽象的ですが、食材を痛めつけないためには、
シンプルに作るに限ります。
食材の魂を肉体に取り入れることが出来ると、料理家としてはとても満足します。
人間はたくさんの生命の犠牲を伴って生きていますから、大切に扱う事は当たり前な
ことです。だから私は良く考えて無駄をなくし、美味しい料理を作りたいのです。
ポイント6:春の薬膳養生
中国の思想の話しですが「陰陽五行説」をご存知ですか?この考えかたは宇宙と自然
と人間を切り離さずに大きく捉えることが肝要だ、と言う教えです。
今は春、肝臓を養う時です。季節を無視することは陰陽五行に反しますので、必ず
充分に考慮しながら食事で養生します。
春は肝臓を守り強めておくと夏の季節を穏やかに過ごすことが出来るそうです。
春は酸味の物を多く取ります。取りすぎると脾臓を傷つけますから、養生に甘い物を
食べておきます。肝臓は血と気の巡りに大いに関係がありますので、上手に食べ物を
取ります。肝臓が疲れるとイライラしたり、精神的に憂鬱になったり、目が霞んだり
します。皆さん、お気を付けください。
〇 肝臓を養う食材
レバー、椎茸、胡麻、菊花、菜の花、人参、レタス、くらげ、蛤、蜆、鮑、牡蠣
〇 肝臓を穏やかにする食材
菊花、春菊、セロリ、せり、鮑、蛤、蜆、クコの実
最後に: 今日の巡り合いに感謝します
私は京都で小さな料理屋を開いています。
そして時々講演に出向いたり、出張料理教室を開催したり、雑誌の取材を受けた
り、レストランのメニューを構成したり、そんな活動をしています。
これからの世の中はますます不景気、なんて言っていますが、そんなことは誰にも分
かりません。こんなときだからこそ、良い物や正しい発信が生き残るのだ、という人
の方がたくさんいます。私はその考え方が大好きです。
今日のお話が少しでも皆さまのお役に立てたら嬉しいです。
たくさんの感謝を込めて!