「人生に捧げる沁み沁みごはん塾」の岩佐優です。
味覚は母の愛情と母の味です。
暖かみがあり愛情が詰まっていた母の味。
さて、愛情をどう料理で表現するかが、私の人生のテーマです。
知恵をこらして料理を作る、そうしてやっとの思いで料理が出来上がる。
味覚の記憶こそが本当の豊かさふるさとの風土と素材を大切にする意気。
大地からの『生命を頂く』という行為は無心にやらないといけないと思います。
味覚は母の愛情と母の味です。
暖かみがあり愛情が詰まっていた母の味。
さて、愛情をどう料理で表現するかが、私の人生のテーマです。
知恵をこらして料理を作る、そうしてやっとの思いで料理が出来上がる。
味覚の記憶こそが本当の豊かさふるさとの風土と素材を大切にする意気。
大地からの『生命を頂く』という行為は無心にやらないといけないと思います。
食から社会を変える、私たちのミッションです。 医食同源というように毎日の食事が健康を育み、幸せな社会を築きます。社会を支える最も大切なもの、それが食です。 ユッケ事件、産地偽装など私たちの安全は脅かされています。それは正しい知識がシェアされていないからです。生肉をなぜ食べたらいけないのでしょうか? 食中毒から家族を守るにはなにに気を付けたらいいのでしょうか? 化学調味料、添加物に頼らない安心安全な食はどこで手に入るのでしょうか? ジャパンローカルフード協会は秘伝とされてきたプロの調理技術、知識を公開することで、家庭でもできる安心安全な食卓を育みます。食材の選び方、調理器具の正しい使い方、プロ納得の安心安全な食材を公開します。 農家さんを始めとした安心安全な食を提供する生産者のみなさん、日本各地の飲食店との提携により、日本の食の現場でなにが起きているのかをビビッドにお伝えします。安心安全な食の知識をシェアすることで健全な生産者、飲食店を育成するアクションを展開します。 また、我々は「サイエンスキュイジーヌ(科学調理)」を提唱しています。経験と勘の調理から抜け出して、世界に通用する科学的なエビデンスに基づいた調理技術の開発を行い、プロの料理人だけでなく、一般の方々にもシェアいたします。堺の伝統工芸士を始めとする包丁界のトップの方々の経験と知識、これらを電子顕微鏡を駆使して謎のベールで隠されていた包丁にまつわる技術をエビデンスに基づいて明らかにしていきます。同様に、経験と勘で行われてきた「加熱調理」も科学的な視点から明らかにしていきます。 食に関心のある方、サイエンスキュイジーヌにご興味をもたれたなら、ぜひ、ご入会下さい。
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料理をする際に調味料を入れる順番の「さしすせそ」。有名ですが、もしかしたら間違いかもしれません
料理の「さしすせそ」って何?って聞かれたら、得意になって「それは料理するときに調味料を入れる順番だよ」と答えているあなた、それ本当ですか?
砂糖の「さ」、塩の「し」、酢「す」、醤油(せうゆ)の「せ」、味噌の「そ」。調味料はこの「さしすせそ」の順番で入れるのが美味しい料理を作る秘訣だというのは半ば常識になっていますが、それに異を唱える人がいます。
「『さしすせそ』は嘘です」
そう話すのはジャパンローカルフード協会会長の松田正明さん。
「砂糖を入れると浸透圧の影響で素材にお出汁の味が染み込まなくなりますので、最初に入れた方がいいというのは嘘です。入れるとしたら最後です」
浸透圧とか科学的なことを言われると説得されてしまいそう。でも昔から言われている「さしすせそ」にもそれなりの合理性があるのでは?
「いえ、そもそも本来日本料理に砂糖はほとんど使われないんです。料亭で砂糖を使うところはほとんどないのではないでしょうか」
料理で社会を変える!“平成の魯山人”の挑戦
「いいね!」を押させる記事の説得力、その数は常に1000以上、コメント数もハンパじゃない。Facebookをここまで巧みに使うところがすごい。しかもその内容が「ホンネ」なのである。
ジャンクフードも大量生産食品にも危険なものがいっぱい入っている。知る人は知っていることだが、大手企業に遠慮なくここまでズバリと言い切る人はマレだ。誰がやってるのか? そこに“平成の魯山人”がいた(北大路魯山人:大正から昭和にかけての料理家、美食家)。
「料理には社会を変える力があります!」とうたうジャパンローカルフード協会。協会は2011年6月1日にFacebook上で発足した。最近の記事を挙げてみよう。
「夏は味噌漬け、もろみ漬け」では食欲が落ちる夏にはもろみ漬けがテーマ。肉でも魚でもトマトでも卵でも味噌床にひと晩漬けると塩味が食欲増進になる。「え!?減塩って意味ないの?」では減塩=健康は偏った知識と警鐘を鳴らす。誰でも減塩はかえって健康を害する。
「子どもの知能を低下させるジャンクフード」では、3歳までの幼児にジャンクフードを与えるとIQが下がる英国の実証研究を取りあげる。「遺伝子組み換えワースト1は明治のカールなど」では、遺伝子組み換え原料を使う企業と、日本の行政の規制がゆるいという話題。読むと恐くなる。
食に関する直球記事が次々に放たれる。それは「1人」の書き手から。その人は生まれつき重度の心臓疾患があった。彼の祖母は「料理には命を繋ぐ力があるんやで」と諦めず、冷製茶碗蒸しを作ってくれた。そうして彼は生き延びた。そのテーマの「命を繋いでくれた冷製茶碗蒸し」には2500もの「いいね!」が寄せられた。
松田正明さん。協会の代表だけでなく大学講師、システム開発者、アーティスト、料理家、事業家……いくつもの顔を持ってきた。あの「食べるラー油」でも桃屋の同種品の発売に先駆けて売り出した。石垣島のラー油とも違う味覚でマーケティングを展開した。
Facebookで「シェア」を引き出すのは何か。それは誰もがもつ感情の機微を突くこと。食への感謝の気持ちだけでなく、現代の食があぶないという恐怖、だから正しいもの、良いものを食べたいという欲求。記事にはそんな感情ボタンをが埋め込まれている。
「食べたい」を「作りたい」へ、さらに「正しく生きたい」支援に転換するのが、平成の魯山人のすごみである。
「日本の食が完全に乱れているので第三者機関を創りたかったんです」と松田さんは切り出す。
「例えば一部の養鶏業者はストレスフリーで安心・安全という。でも実態は給食の残飯を混ぜたり、死骸を放置したりしたまま。協会の事務所から山を越えたところにも養鶏場がありますが、風向きによっては悪臭で近くを歩けません。そんな環境で育った卵や肉が安心、安全といえるでしょうか?
美味しい、手づくりといいますが、みんな主観による情報ですよ。例えば香川県では1本50センチのアスパラガスを推奨する。大きすぎてレストランは使いにくい。消費者無視の農業はもうたくさんです」
大手企業の食だけでなく、農業者や畜産業者から乱れている。そこを協会という活動を通じて食を正したいのだ。
「協会では作物を認証しています。認証数は現在31品目、水質検査で問題がないこと、標準ミネラル量が文科省の日本食品標準成分表以上であること、TPPに対応するため品質保持期間は通常の2倍以上が条件です。海外に出荷するには、トマトなら常温で2週間。味の感応検査も協会で行います」
協会活動に「いいね!」をするのは個人だけでなく法人もいる。食分野の専門家もいれば投資家もいる。レストランオーナーも飲食業をする不動産業もいる。一流レストランのシェフも数多いので販売チャネルもある。食のサプライチェーン一式ができる、社会的なネットワークを協会は構築しつつある。
協会設立の背景を聞くと、うなってしまった。松田さんは大学講師の後、新商品開発やアーティスト活動やギャラリーをしてきた。そして祖母の手製料理の原点に立ち戻り、自然食材で独創の料理を創作するオーナーシェフを務め、東京や海外の食通の注目を集めた。
その食材の仕入れで農家をまわる中、生産技術が途切れ、安く買いたたかれ余れば捨てる、そんな農家の窮状を知り、技術の伝承と雇用を生み出すための食品開発に取り組んだ。それがラー油だった。
「大ヒットした後、自前の工場計画を作ったのが2010年11月。ところが商取引と物流の分析から『何かがおかしい』という不安感を抱き、計画を白紙に戻しました。そして3.11が起きました。テレビから流れる映像を見た瞬間、物販事業の撤退を決断して、生産・販売を終了したのが5月末。そして協会を6月に立ち上げました」
これから人びとは流行を追うのをやめ、根本的な生き方を模索する――という読みと、食で社会を変える使命感が結びついてジャパンローカルフード協会の活動となった。
「カン」だけではない。事業化する企業者としての「ソロバン勘定」もある。さらにソーシャルネットワークを使う「戦略」もある。だが、それらを接着するのは「使命感」だ。
私は、そこに私も含めた中年以上の社会人の人生の縮図を見る。「われわれのしてきた経済活動は誠実だったのか?」
バブル消費、消えては現れる流行品開発。売れた者勝ちのマーケティング。誰か(中小企業や開発途上国)に皺寄せのコストダウン。がんばった結果は長い不況トンネルであり、リストラ、若年の無職層、内向きの社会。食の分野でも大量生産・大量廃棄、添加物や遺伝子組み換え食品の使用、伝承や技術の断絶……。
私自身、自分の仕事に誠実さを取り入れたいともがいている。一方で食っていかなきゃならない現実もある。ジャパンローカルフード協会という活動にも、ソロバン勘定と懺悔が入り混じる。そこには“ホンネの誠実”がある。