百菜健美☆こんぶ家族ラボ

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二月八日・うさぎや便り

2016-02-08 | Weblog

飲食店の真


こんにちは。


うさぎや  店主の岩佐です。

 

あいかわらず寒くて体のこわばりが取れない毎日ですが、

 

紅梅ガラシャが咲き始めました。

 

春はまだ隠れているようですが

 

昼間には、暖かいお日様の出る時間帯があり

 

わずかな合間の日向ぼっこができました。

 

心の内はそろそろ春模様。

 

 

さて、今日のお話は昔の板前さんの厨房模様です


「関西と違い、東京の板前は“座り板”だったのです。」

 

戦前までは東京の板前は、「座り板」といって、

 

座って仕事をしていました。

 

厨房全体が見渡せるように、

 

他の仕事場よりも少し高くなった所に板前の仕事場があり、

 

板前はまな板の前に座り、傍(かたわ)らに水桶を置いて仕事をしていたのです。


これを座り板といい、上位の板前の座る場所として敬意を表されていました。

 

 

 

この時代の板前の権威を知る人は今では、ほとんどいなくなってしまいましたが、

 

戦後、焼け残った有名な料亭の調理場には、座り板の板場が残っていたようです。

 

また、昔の関東の料理人は、仕事をする時は白衣に着替えましたが、

 

武家の料理人の末裔「まつえい」として、その誇りを誇示していたので、

 

普段は素晴らしい和服に羽織、袴のいでたちで雪駄を履いていました。


これは江戸時代からの伝統で、料理人たちは、

 

この粋な姿に憧れて板前修業に励んだようです。

 

 

 

これに対して、関西では水を流せるような

 

「たたき」(注)①と称するコンクリートの床に立って、

 

板前全員が仕事をしていました。

 

(注)①  日本では明治期において、三和土(たたき)を改良した

      人造石工法(考案者の名を取り「長七たたき」とも呼ばれる)が、

      湾港建築や用水路開削などの大規模工事にも用いられた。

 

そのため料理人は二枚歯の朴「ほお」の高下駄を履いていたのです。

 

 

 

現在もまだこの習慣が残っていて、

 

関西割烹の調理師は白衣に下駄

 

と、いうのがユニフォーム姿となっています。

 

戦後、伝統的な江戸の板前の姿は見られなくなり、

 

今では関西の調理師のユニフォームが関東でも主流になっています。

 

 

明治の時代、東京には東京の料理屋がありました。

 

東京では主人よりも職人の板前が

 

手厚くもてなされていたくらいの時代だったそうです。

 

東京の板前は強力な実権を持っており

 

板前が威張っていたわけなんですが

 

威張っていたと言うよりも、

 

むしろ好遇されていたようです。

 

御飯の時には、旦那様が茶漬けを食べていても、

 

職人さんには、ちゃんと中さんがついてお給仕して、

 

お膳つけて、食事を取らせたという話です。

 

店への行きかえりも人力車が用意されました。

 

職人は献立だけ書いて、奥へ座って指揮をしていたわけで

 

店のオーナーの方が遠慮していた時代

 

そうですね。

 

オーナーは名誉会長ぐらいで、社長は職人だったのでしょうか。

 


 

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だったとすると職人さんは、

 

相当な給料をもらっていたのでしょうか

 

 

 

実は相当もらっていたのです。

 

大正時代に百円くらい貰っていたようです。

 

月に百円。

 

大正時代に月に百円と言ったら、今はどのくらいになるでしょう。

 

確か大正末の大学卒の高等官の初任給は七十五円だったそうですね。

 

それで、料理職人の給料は誰が決めたのでしょうか。

 

それは入れ方というか周施屋さんなんですね。

 

周施屋さんが、これこれで使ってくれと料理屋さんに言うわけです。

 

それでも今みたいにコミッション取るよりしゃれていますね。

 

つまり、明治の時代の東京の職人の入れ方である周施屋

 

という組織はしっかりしていたということになります。

 

 

 

現在、時代は容赦なく変化をし、私たちに突きつけてきます。

 

働く仕組みや料理屋・レストランの形態を日本は

 

変えていく必要性に問われています。

 

私たちは「希望」と「幸福」を未来に繋ぐために、

 

日々仕事に取り組んでいます。

 

本当に素晴らしい尊い仕事だと思います。

 

真の食材と真摯に向き合い、

 

そこに新しい時代をつくる創造性を加味して、

 

そして

 

お客様のことを思い、ひとつひとつの手で創りあげます

 

さらに「もてなし」という、お客様との調和をとります。

 

この時代に対応ができないものは、

 

進化の過程と同じように、淘汰されていくのかもしれません。

 

 

明日、二月九日(火曜日) は通常の 営業日 です。

 

今日も、皆さんの happy な一日を願っています(^-^)

 

ゆったり、ほっこり♪


巻寿司大使・昆布料理研究家・岩佐 優

コメント
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