鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

龍頭鞭図小柄 後藤程乗 Teijo-Goto Kozuka

2011-12-21 | 鍔の歴史
龍頭鞭図小柄 (鍔の歴史)


龍頭鞭図小柄 後藤程乗

 程乗は後藤宗家九代。顕乗の嫡子で、父が宗家七代目を預かった際に理兵衛家を継ぎ、加賀前田家の御用を勤めている。宗家八代即乗が没した際、やはり嫡子が幼かったために合議によって家督を預かり九代目となっている。加賀金工の発展に寄与したのみならず、自らもまた後藤の伝統に独創を加えた華のある作風を展開している。それまでは、専ら赤銅地に金色絵象嵌の手法が多く用いられていたが、この頃から銀や朧銀などが盛んに用いられるようになる。この小柄も、采配に銀を用いている。頭に龍を意匠した鞭を画題としているが、その杖に当たる部分は龍の骨を暗示する構成。頗る面白い図柄である。