鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

雲文図鐔 蟠龍斎道俊 Michitoshi Tsuba

2011-12-07 | 鍔の歴史
雲文図鐔 (鍔の歴史)


雲文図鐔 蟠龍斎道俊作

 盛岡の刀工岩埜道俊の鐔。道壽とも銘を切る。江戸でも活動しており、有名な虎徹が住んでいた上野不忍池の辺りに居住した。
 道俊銘の鐔は、龍の潜む乱れ雲を想わせる図柄、見ようによっては火炎であり、信家にはみられない個性的な図柄。道壽銘の作は亀甲文や七宝文、井桁文で、見るからに信家を手本としたことが判る。いずれも鉄地を打ち鍛えて活力のある地相を表わし、耳は打ち返して変化を付け、文様を鋤彫と鏨の打ち込みによって成している。雲文図鐔85.5ミリ。井桁文図鐔77.8ミリ。


井桁文図鐔 蟠龍斎道壽作