鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

剣巻龍図目貫 京後藤 KyoGoto Menuki

2011-12-29 | 鍔の歴史
剣巻龍図目貫 (鍔の歴史)



剣巻龍図目貫 京後藤

 京後藤の作と極められた迫力ある目貫。金無垢地を打ち出し、くっきりとした塑像に仕立てており、胴体に丸みがあり、中央にすっきりと通っている剣の存在、これに巻きつく様子など引き締まった感がある。
 京後藤、あるいは脇(傍)後藤とは、宗家以外の後藤分家のこと。無銘の作品としては、後藤宗家に極められず、と言って分家の誰に極めることも難しいことから、このように呼ばれる。即ち、後藤の分家は、元乗に始まる喜兵衛家、顕乗に始まる理兵衛家、休乗に始まる源兵衛家など十数家(早くに江戸に出て町彫化した清乗家は含めない場合がある)があり、およそ七十人の工があることから、各時代の作風を分析しても特定が出来ない例が多いのである。しかも祖先の作風を写したとあれば、さらに判り難くなる。