羅城門図鐔 義随
羅城門図鐔 銘 水府住義随
武家による鬼退治や百足退治などのように、悪鬼として扱われ語られる存在とは、明らかに中央権力に敵対する部族に他ならない。歴史を記録する側の伝承である、では同じ出来事を、戦いの末に支配された側の部族が残した伝説などは拾い出せないだろうか、と考えている。大変難しいとは思うが。
さて、この場面は、装剣小道具での武家の伝説に関わるものとして、最も多く作品とされている羅城門図である。源頼光の武将の一人である渡辺綱が、とある夜に鬼が出るという羅城門に金札を掲げに出かける。この場合は、まあ肝試しのようなもの。そこで鬼に襲われるのだが・・・、この元になる話は一条戻り橋で、場面を羅城門に変えたもの。
綱に襲いかかった鬼は、綱を掴んで羅城門の屋根に上がろうとする。だが綱は、頼光から預かった太刀髭切で難を逃れる。
義随(よしゆき)は檜山源七と称し、水戸の玉川美久の門人。後に江戸に出て浜野矩随に学ぶ。水戸金工も、浜野派も同様に和漢の歴史人物を写実的に高彫表現するを得意としている。
羅城門図鐔 銘 水府住義随
武家による鬼退治や百足退治などのように、悪鬼として扱われ語られる存在とは、明らかに中央権力に敵対する部族に他ならない。歴史を記録する側の伝承である、では同じ出来事を、戦いの末に支配された側の部族が残した伝説などは拾い出せないだろうか、と考えている。大変難しいとは思うが。
さて、この場面は、装剣小道具での武家の伝説に関わるものとして、最も多く作品とされている羅城門図である。源頼光の武将の一人である渡辺綱が、とある夜に鬼が出るという羅城門に金札を掲げに出かける。この場合は、まあ肝試しのようなもの。そこで鬼に襲われるのだが・・・、この元になる話は一条戻り橋で、場面を羅城門に変えたもの。
綱に襲いかかった鬼は、綱を掴んで羅城門の屋根に上がろうとする。だが綱は、頼光から預かった太刀髭切で難を逃れる。
義随(よしゆき)は檜山源七と称し、水戸の玉川美久の門人。後に江戸に出て浜野矩随に学ぶ。水戸金工も、浜野派も同様に和漢の歴史人物を写実的に高彫表現するを得意としている。