3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

昭和37年の尾崎行雄(2)

2012-12-21 15:24:44 | Weblog
昭和37年、尾崎行雄の豪速球への評判は凄いものでした。当時の東映フライヤーズの先輩エース、土橋正幸の球の速さも素晴らしく、パリーグでも屈指の速さを誇っていました。しかし何月頃だったかはっきりとした時期の記憶はないのですが、土橋正幸はあっさりと尾崎行雄の方が速いと認めた発言をしています。土橋正幸が球速自慢の投手かどうか知りませんが、あの400勝投手を筆頭に自身の球速を殊更強調する投手が多いだけに、速球投手には珍しい彼の発言は妙に記憶に残っていました。しかしその400勝投手の尾崎行雄への評価は決して芳しいものではありませんでした。多分シーズンが始まりオールスター戦前の頃と思いますが、尾崎行雄が2ストライク後打者に粘られなかなか三振を奪えないシーンをたまたま見たのでしょうか、球は速くとも三振が奪えない投手、金銀銅と分けられたクラスで言えば尾崎行雄の球は銅クラスと表現し、将来性もあまり高く評価していませんでした。因みにその年の奪三振率は尾崎行雄8.48に対し、イニング数こそかなり違いますが400勝投手6.87であります。但し将来性に関しては流石大投手の見立て、当たっていた面もあろうかと思います。

昭和45年のOH砲(3)

2012-12-20 16:09:15 | Weblog
昭和45年の張本勲は見事に復活します。復活と書くと、前年まで4年連続の0.330以上の打者に対しておかしいと思われるかも知れませんが、張本勲に対して私が持っているイメージは3部門共素晴らしい成績を挙げる事の可能な稀有な選手という事でありましたからです。この年、彼の扇打法は従前にも増して冴えを見せ、広角にしかも極簡単に安打を放っていた印象がもの凄く強くあります。しかしこの年も含め、彼の打撃に一つだけ注文があります。打率、長打力の割に打点が少ない事です。チーム事情や相手投手が勝負を避ける等色々な条件が絡んでくるので一概には言えませんが、張本勲程のスラッガーなら、キャリアハイがこの年の100打点、90打点以上の年度が何回かあるとは言え少し物足りない感じもするものです。兎に角この年の二人の平均打率0.361、合計本塁打数78本、合計打点229、本当に恐ろしいコンビだったと思います。この年の二人の数字を本塁打数や打点数で凌いでいるコンビは、前々年の王貞治と長島茂雄や2001年の中村紀洋とタフィーローズのコンビ等ありますが、打率に於いてはかなり差があります。もっと言えば大杉勝男と張本勲の二人は広角に長打力も発揮出来る点もあり、史上最強のコンビとしてこの年の二人を推す事に迷いはありません。

昭和37年の尾崎行雄(1)

2012-12-19 12:36:11 | Weblog
昭和37年、尾崎行雄のデビューの年です。今から丁度50年前になりますが、その時の尾崎行雄、新人投手としての球の速さがもの凄く話題になりました。その後山口高志、江川卓、郭泰源等の球の速さがかなり話題になりましたが、尾崎行雄のキャンプ、オープン戦、開幕にかけての騒がれ方は、後の彼らの比ではなかった様に記憶しています。入団時から武器となる変化球を持っている投手と異なり、尾崎行雄の場合、それは全くなく、人並み外れて速い球しかないという事もあり、その球の速さへの関心がより強くなったという事はあったかと思います。尾崎行雄は12年の現役生活を送っていますが、実質活躍したのは昭和41年までの5年間、もっと言えば本当に速かったのは入団4年目の昭和40年までだったかと思います。つまり彼の異常なまでに速い球を見る事が出来て記憶に残っているのは、一番若い世代としても50代半ばに達しているかと思います。デビュー時から彼の豪速球を見れた私はある意味幸せだったと思っています。史上最速の投手は誰かと話題になる時、未だに彼の名前が必ず出ますが、入団時の彼の球がどんなものだったか、当時の記事や私の記憶を辿って書いていこうと思っています。

3割1分の壁(3)

2012-12-18 14:22:19 | Weblog
第1回と続を含めて、実質3回目の3割を複数回突破しながらも3割1分を1回も越したことのない選手の紹介です。今回の二人は共に最高打率が0.301、もう1回の3割到達が丁度0.300と2回の3割達成ながらもどちらもギリギリでの達成と言っていいのかと思います。一人は攻守走三拍子に加え長打力も備わっている身体能力抜群の選手秋山幸二選手です。主軸を任されながらも50盗塁を達成した稀有な選手です。3割に次ぐ成績としては0.290台を3回マークしていますが、張本勲の全盛期の如く楽に0.300をマーク出来るタイプの打者ではないと言う事なのでしょう。若い頃に40本塁打以上を3年連続で記録していますが、いずれも打率は0.250から0.260台であり、後に打率が上がってくると本塁打が減少の傾向にあり、残念ながら打率と本塁打双方を高い水準でマーク出来る打者ではないと言えるかと思います。もう一人は現役の二岡智宏選手です。現在の代打中心の使われ方だと、今後規定打席に達し、しかも3割をマークする事は有り得ないかと思います。彼も3割に次ぐ成績としては0.290前後を何回か記録している様に、やはり3割到達辺りが限界と言っていい選手かと思います。

昭和45年のOH砲(2)

2012-12-17 13:06:33 | Weblog
昭和45年の大杉勝男の成績、メジャーリーグで今シーズン45年ぶりに三冠王を獲得したミゲールカブレラの0.330、44本塁打、139打点に非常に類似しているかと思います。打率で上回り、同じ本塁打数、打点で10遅れをとっていますが、当時の130試合制とメジャーリーグの162試合を考えれば寧ろ全ての点で上回っていると言っていいのかも知れません。張本勲の存在がなければ、三冠王獲得でも決しておかしい成績ではありませんでした。一方張本勲は前年まで3年連続で首位打者を獲得していましたが、前年は打率争いをしていた永淵洋三に終盤に追いつき、最終的には同率で分け合う等、その前のシーズンを含めても他を圧倒的に引き離しての受賞ではありませんでした。それでも流石に張本勲、4年連続で打率0.330以上をマークしていました。しかし年々減少していく本塁打数と、それに伴ってか打点数は非常に物足りないものになって来ていました。特に前年の67打点や、前前年の65打点は彼らしい数字とは全く言えず、このままあまり本塁打が打てず且つ打点も稼げない打者になってしまうのではないのかという危惧を持たざるを得ない感じでありました。特に前年、首位打者を分け合った永淵洋三と本塁打数も同じ20本、打点では7も差を付けられる等、二人の打者としてのレベルを考えるとファンとしては非常に寂しい結果と感じたものです。

昭和45年のOH砲(1)

2012-12-16 14:07:00 | Weblog
ON砲が王貞治と長嶋茂雄の二人のコンビを指す事を知っていても、OH砲を知らない人は多いのかも知れません。OH砲は大杉勝男が徐々に成績を上げ張本勲と3、4番のコンビを組む様になってから呼ばれ始め、大杉勝男がヤクルトスワローズにトレードされる昭和49年のシーズン終了まで続いたコンビ名です。私が今までに見た中でこの年、昭和45年のOH砲こそ最強のコンビと信じて止みません。毎年成績を着実に上げて来た大杉勝男はこの年キャリアハイの成績、0.339、44本塁打、129打点と素晴らしい成績を挙げます。特に素晴らしいのはチャンスでの強さです。130試合で129打点と、ほぼ1試合に1打点と言うのも凄いのですが、その年の大杉勝男のここぞという時の勝負強さは歴代でも屈指だった様に記憶しています。サンデーモーニングで張本勲が大杉勝男の事を、[新聞記者泣かせ]とかって語っていましたが、この年の大杉勝男こそが新聞記者の試合決定前に書く予想原稿を、試合終盤の一擊で最も狂わした様に思えてなりません。一方張本勲は0.383、34本塁打、100打点と3部門ともキャリアハイの成績を挙げています。打率は当時の日本新記録での首位打者獲得、大杉勝男の二冠と合わせ、3部門ともタイトルをこのOH砲が獲得した年でもあります。

昭和46年、パリーグベストナイン一塁手(2)

2012-12-15 21:20:18 | Weblog
前年の昭和45年、その時点では三部門とも自己最高の0.339、44本塁打、129打点の成績を挙げ本塁打王と打点王、二部門のタイトルを獲得した大杉勝男ですが、前年が素晴らしすぎた事もあり、各部門とも数字自体は下がっていました。一方の江藤慎一は前年からの榎本喜八との併用争いに完全に勝利し、前年の規定打席不足の0.288、11本塁打、31打点から飛躍的に数字を伸ばし自身3回目、初の両リーグ首位打者に輝いています。打撃以外の守備、走塁に関しては二人共そんなに差はないという事と、一塁手という打撃重視で選考されやすいポジションという事もあり、ほぼ完全に二人の打撃をどう評価するかで勝敗は決するものと思っていました。パリーグ移籍2年目、34歳の江藤慎一が、26歳でベストナインを連続受賞している大杉勝男より何故か多く含まれて来る情実面で有利かと思っていましたが、結果はそれ程僅差ではなかったと思いますが大杉勝男が受賞しています。大杉勝男受賞の理由としては本塁打、打点が多い事と当時続けていた連続出場も継続しての全試合出場が、16試合欠場の114試合出場の江藤慎一より高く評価されたのではないかと思っています。もし私に投票権があったとしたらやはり大杉勝男を選んでいたと思います。それにしても二人共後の名球会資格者、非常に興味深くレベルの高い争いだったと思います。

アンドリュージョーンズ(3)

2012-12-14 13:27:04 | Weblog
アンドリュージョーンズ選手の今シーズンの成績を予想してみます。打順は4番を先ず任されると思います。今シーズン、チーム最高の本塁打数が9本という事と、ラッキーゾーン新設もあり唯一長打力の期待出来る打者を4番から外す手はないと思います。又守備に関しても、昔のゴールドグラブ受賞時の活躍は期待できないと思いますが、金本知憲やラミレスの様なレべルの守備力とは異なり、日本では平均点クラスはあろうかと思い、チームがどの様な形で彼を起用するのか結構興味はあります。近年、体重の増加により故障も多くなっていますが、一応殆ど故障なしとして予想しますと、打率0.280から0.290、本塁打数は25本から多くて35本以内、打点は85打点から100打点以内は可能かと思います。予想の根拠の多くは日米投手の力量の差です。アンドリュージョーンズはバットの振りが鈍くなり、元々多かった三振がより増える傾向になっていますが、この鈍くなった振りが巧く球速不足の日本の投手に合ってしまう様に思えてならないからです。あのペーニャ選手も相変わらず三振が多いながらも、予想以上の成績を挙げた事もあり、日本の野球を舐めずに真面目にやれば上記の予想数字達成は決して困難ではないかと思います。それにしても近年にない大物選手の入団、例え全盛期は過ぎていようと非常に楽しみであります。

昭和46年、パリーグベストナイン一塁手(1)

2012-12-13 20:39:25 | Weblog
ベストナイン、5年以上のプロ野球担当の経験のある記者によって選考される賞なのですが、かなり昔から意外と思わざるを得ないと思われる選手が選ばれたり、無効票が多い事もあり、その賞の価値に関してはかなり疑問を持ち続けていました。しかし選考された選手にとっては、その年、そのポジションのNO.1と認められた事になり、非常に誇らしい賞である事は間違いないのでしょう。今から40年以上前の昭和46年、パリーグベストナイン一塁手に誰が選ばれるかは、もの凄く興味を持っていました。当時のベストナインは日本シリーズ終了後の翌々日に発表されていましたが、最も応援したくない球団が連覇を続けている時期でもあり、半ばヤケクソ気味に早くベストナイン発表になってしまえと思った年も多くありました。その年のパリーグの一塁手の争いは二人の選手に絞られていました。0.315、41本塁打、104打点で本塁打王の大杉勝男と0.337、25本塁打、91打点で首位打者獲得の江藤慎一です。首位打者と本塁打王、どちらを記者がより評価するのか、記者の資質に疑問を持ちながらも結構興味を持っていました。

アンドリュージョーンズ(2)

2012-12-12 15:10:28 | Weblog
アンドリュージョーンズの実績は、下記通算成績を見ていただければお分かりになるかと思いますが素晴らしいものがあります。年度別でも2005年、51本塁打、128打点で本塁打王、打点王に輝く等、2007年までは多少の前後はあるものの30本塁打、90打点は十分に期待出来ました。しかし打率に関しては1回のみの3割到達、衰えを見せる前でも多くの年が0.260から0.270位の率でした。単純に言えば長打はあるものの粗さも目立つ打撃の選手と言えるかと思います。2008年以降打率の落ち込みは激しいですが、減少傾向にある打数の割には本塁打率は悪くはないのが現状の彼かと思います。楽天入団に際してどの位彼の力が通用するのか、少し予想してみます。今シーズン開幕前に、ソフトバンクの誤算という題目で、新入団ペーニャ選手の予想をしましたが、数字での予想はしていないものの正直かなり外してしまいました。言い訳になるとも思いますが、敢えて言わせて貰えるなら日本プロ野球の投手のレベルを高く判断し過ぎていたかと、今は反省しております。次回続けます。



通算成績      2196試合     1933安打     0.254     434本塁打     1289打点