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日米を問わず名選手を紹介。

その後の尾崎行雄(1)

2012-12-26 15:03:15 | Weblog
尾崎行雄の高目に浮き上がる豪速球は本当に速く威力のあるものでした。変化球もあるにはありましたが、投げなくても打者を抑えることが出来たというのがこの年昭和37年の尾崎行雄だったと思います。同じく威力ある変化球なしに十分通用した投手に、江夏豊の名が挙げられると思います。しかし江夏豊の場合は、球速こそ尾崎行雄に若干遅れをとるとは言え、抜群の投球術ともの凄く精密な制球力がありました。残念ながら尾崎行雄にはこの両方共、将来的にも備わないまま現役生活を終える事になったかと思います。自慢の豪速球も本当に速かったのは入団後4年間のみで、5年目の昭和41年には24勝こそ挙げたものの、球速の減退はもの凄く明らかになって来ていました。この年同じチームに恐ろしく球の速い森安敏明が入団し、尾崎行雄に次ぐ速さの投手とマスコミはキャンプの時点で多く書いていた様に記憶していますが、その時点で最早尾崎行雄には森安敏明と太刀打ちする程の球の速さはありませんでした。翌42年急激に6勝14敗と成績を落としてしまい、彼の投手生命は実質的にこの年で終わったと言ってもいいのかと思ってしまいます。