ベストナイン、5年以上のプロ野球担当の経験のある記者によって選考される賞なのですが、かなり昔から意外と思わざるを得ないと思われる選手が選ばれたり、無効票が多い事もあり、その賞の価値に関してはかなり疑問を持ち続けていました。しかし選考された選手にとっては、その年、そのポジションのNO.1と認められた事になり、非常に誇らしい賞である事は間違いないのでしょう。今から40年以上前の昭和46年、パリーグベストナイン一塁手に誰が選ばれるかは、もの凄く興味を持っていました。当時のベストナインは日本シリーズ終了後の翌々日に発表されていましたが、最も応援したくない球団が連覇を続けている時期でもあり、半ばヤケクソ気味に早くベストナイン発表になってしまえと思った年も多くありました。その年のパリーグの一塁手の争いは二人の選手に絞られていました。0.315、41本塁打、104打点で本塁打王の大杉勝男と0.337、25本塁打、91打点で首位打者獲得の江藤慎一です。首位打者と本塁打王、どちらを記者がより評価するのか、記者の資質に疑問を持ちながらも結構興味を持っていました。
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46年のセパ混合のベストナインを発表していた冊子があり
立ち読みしていると、1塁手は、大杉さんではなく
なぜか、王が選出されていました。
これにはあっけにとられた私。
46年の打撃成績
王・・・0.276 39本 101打点
大杉・・・0.315 41本 104打点
あくまでも、打撃成績では王よりも大杉さんでしょう。
これには「ちょっと待てよ」と思って、ベースボールマガジン社に「なぜ王なのか」と理由を電話で聞いてみました。 答えは以下の通り。
「こちらの独断ですので」
大杉・・・0.315
江藤と大杉さんの打率差は2分です。
打率2分差っていうのは、100打数2安打しかありません。
1試合4打数あるとすれば、12~13試合に1安打違うかどうかの差でしかない ということです。
そんなちっぽけな打率差よりも、1本で最低1打点が保証されるホームランが打てる、点が取れる(打点が高い)方が優れているのは、当然のことだと思います。
よく打率ばかりに着目している人がいますが
打率に着眼点をおく人って、申し訳ないですが
そんなに野球に詳しくないと思いますね・・。
そういう人に限って、例えば先ほどの江藤と大杉さんの打率0.337と0.315なら
337と315 と普通の整数として捉えていますね。
整数で捉えるなら、そりゃ22違うんですから、大きいですけど、打率と言うのは整数じゃないですからね(笑)