よっちゃん農場のドタバタ日記

「よっちゃん農場」の日常。
 ~いち農家から小さなブランド作りの奮闘記~~

充実、が2つ重なった日。

2012年04月11日 | Weblog


昨日の暖かさからまた一転。さぶ~いっ!


早朝から古川駅へ。
高知・四万十より再び畦地社長がやってきてくれたので、二人で南三陸へ。
事業協力しようと思っている事案を抱え、南三陸のNPOみらい南三陸を訪ねました。

高さ30メートルの高台にある戸倉中学校。訪ねた仮設はその敷地に建っていました。
校舎、体育館の二階窓までの津波の跡。改めてその恐ろしさを目の当たりに。



このNPOも高知に縁があり、う~みさんと深いつながりを持ちながら活動してきました。
責任者のS山さんを中心とした女性のグループですが、影のボスとして網元であったS藤さんが支え、
震災以降物資の調達や配給を中心に、地域を支える活動をしてきています。
志を同じくするものが半ボランティア的に手弁当で支えながらの活動でしたが、
それではダメだと法人化。
う~みさんとのご縁もあり、この度「南三陸からの手紙」という冊子も作り現地の言葉を出版しました。
現地で手を上げ、外と繋がりながら内部を助ける。。繋がるみんなの想いに支えられ、既に2000部近い冊子が売れたそうです。

畦地さんは新聞バックを軸にした彼が出来る手助けの形・連携を提案に、
私は現地の海山としての考え方を精一杯お伝えしました。

S藤さんの言葉。
「新聞バックだけじゃない。ミサンガを筆頭にたっくさんのお仕事支援プロジェクトが来てる。
 けれどどれも最初はいい。モノも売れるし仕事を受けた人も喜ぶ。
 けど続かない。
 所詮どれも”支援”で一回は買って頂けるけれど、すぐに売れなくなる。
 だから果たしてどうだろう。」

まったくもって同感。
大変なことが起こって周りも必死に出来ることを探し、手を差し伸べる。
それは純粋に支えたい、というものと、時間が経てばプロジェクトでの助成金目当てだったりする邪心も混じってくる。
現にそんなヨコシマなものが増えているとのこと。


私なりに伝えた事。
それは、やはり沿岸の現地からすると、ここ内陸は大したことはない。
けれど、自分の中の何かが大きく変わりました。
それは世の中は"人により成り立っている"という事。
既存のものが揃った中に生まれ、その範疇の中を思い悩み楽しんでいくのが人生。
それがいっぺんに覆された思い。
やっぱり「今の世」は「今生きる人が造るんだ」という現実を突きつけられた思いです。
それが復興需要が一段落した今、被災地内外全ての人に問われている時期なんだということ。
私も地元や東北村こせがれ、そして海の手山の手ネットワークを通じ、
志を同じくする人と、共感できうる感性を形にしようと思っている。
それは「継続しないと意味がない」から。

支援で生まれた商品が、支援を超えたものに昇華してこそ本物。
流通する量の問題ではない。
世の中がどうなろうと、今生きる人の「必死さ、想い」が「当たり前の商品」になってこその復興であり、ここ田舎の風景にしたい。
それが、被災地が外に答えとして発信するべき姿勢ではないか、東北村でも至った自分の答え。
それが出来るのか出来ないのかは別として、そう思うから今必死。
それが今、よっちゃん農場を始めとする全ての共通項だと思っています。

先日の海山会議もまさにそこが軸でした。
「今後」を考えれば考えるほど、これまでの「支援」を目的には成立しない。
今日のS藤さんも言ってました。みんなの為に「雇用を生み出したい」と。
だからこそ雇用と継続をつなぐことの出来る「商品(目的)」が必要になるのは必然。
それがないとどんな事業だろうが続かない。

現地の海山として、連携できるところは一緒に考え、
それを形にしている四万十とも繋がりながら先に進みたいと思います。


車中も充実でした。
個人的な事から始まり、今後の海山や地域での相談などゆっくりとお話することが出来たのは貴重です。
四万十には絶対的なデザイナー梅原さんが居ます。
彼は「見栄え」を整えるデザイナーではありません。
地域の資源の組み立て、の段階から現地の人、畦地さん達志を同じくする人と一緒に考えてきています。
私達や訪ねた三陸の方たちの現在の命題でもある「継続」まで含めて地域を活性化し、
丸ごとひっくるめて「デザイン」という手法で魅せている。
その奥深さには驚かされます。

少なくとも、今の自分がぼんやりと描く「これから先」を既に経験し乗り越えている体験談は
猛烈に勉強になりましたし、今の自分の不安・期待・ワクワク感も共感出来る繋がりは震えるほどのうれしさ。
何よりも昨年からずっとこっちに来ている目的、四万十として考えていることが、
彼らの「自分たちの出来る事の提案」であり、
それは高知の四万十をここに創るというのではなく、
ここ宮城の
「俺達が考える、そして俺達現地の人が創る、俺らの地元」
を形にする為のバックアップであるという事。
地域の多様性、その価値を知っている人の真意を聞けて感謝の気持ちでいっぱいです。





夜は地元でエボラボ会議。
ワークショップも正式には二度目。準備段階から含めると4回目。
まず「決める・目的ありき」という前例を覆す試みから始まり、
まずは互いの人となりを知る方法は良い方に転がり始めている。
部長の嘉則くんの存在は大きいね!
今日は持ち寄りで食べながらの会議。
それぞれの手造りが何よりのご馳走でした。


「やっぱりあったかくなって来て身体動かしはじめの時期。
 身体が肉を欲してると思って。」
という心優しい直子ちゃんお手製の「かっくぅ~~~~に!(角煮)」


ママさんチームはちょっとオサレに「キッシュ」。
地元では中々食べれません!


初参加の蕎麦屋さん「愉多工房」。なんと今度はスウィーツ!に挑戦。
「そばプリン」です。もうパッケージ以外ほぼ「完成形」に近い出来です。


これ、いい写真でしょ!うまく撮れた!
部長よしのり君の「フルーツトマトとアイスプラントのピキピキサラダ!」

コレ以外にも数々登場しました。どれもうまかった!






場も楽しくなごみ、前回から発展してのグループに別れてのワークショップ。

テーマは「これから自分がやりたい事」

具体的に形にしての提案。その前段階での改善点からの提案。一歩進んで妄想まで走っちゃった提案まで。
ワークショップのイイところは、出たアイデアをしっかりと皆が共有できるところ。
全体を見て思ったのは、既存の枠を超えてチャレンジしたい!という冒険心。これはオモロイ。

生産者、といえば”野菜作る人””加工やってる人”などなど、何となく自他ともに決めちゃっていて、
そっから出にくくなってしまっている現実があります。

その視点を
"自分がもしやるんだったら…"
”もし私がお客さんだったら…”
とちょっと変えて見たり、周りのメンバーからを聞いたりすることでで発想の可能性はグンと広がってきます。
その共有がまた新たな発想になったりという事もあるので、意義はとても大きい。

畦地さんとの車中での会話で面白かったのが、
「オモロイ、というのは変態、異端児が創りだす」
という話。
狭い10人の中のはぐれモノの一人であったとしても、
ちょっと視野を広げて行動すれば、それは100人の中の10人であり、
1000人居れば1000人の数の中の100人。
仲間100人はすごい数!という発想。

エボラボはそういう意味では異端なのかもしれない。
けれどもまだ、変わり者というほどではなく、出荷組合員がみーんな持っている"気持ちのスイッチ"を入れる,
キッカケを作る動きであることは間違いない。

これも足元から動いてきた活動。
「継続」に向けての壁は、具体的、現実的になればなるほど出てくるだろう。
そこには"オモロイ"とは別の意味で、参加社個人個人のスタンスに関わる壁もきっと出てくる。
なんとか乗り越えられるように、ブチョーを盛り立てよう!



そんな本日。
ウチではよっちゃん農場も動いていました。




今年も昨年に引き続き「菊プロジェクト」が動き始めました。
カミさん、タカちゃん、女性陣二人で小菊の「挿し芽」をしてくれました。

ありがとう。


盛りだくさんの一日でした。