とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ミャンマーが大変だ!

2007年09月24日 17時30分55秒 | 政治
もし私がミャンマーのことを書くとしたら、読者の皆さんはいつも「お気楽旅行記」し書かないのではないか、と思われるかもわからない。
ある意味それは正解だ。
しかし、またある意味それは不正解でもある。

私の旅行記「ミャンマー大冒険・シリーズ」を目にしたことがある読者の方ならご理解いただけることと思うのだが、私は常に「お気軽な」中に「シリアスな」要素を潜ませるように心配りをしている。
したがって私の中途半端な知識を駆使しつつ、精いっぱいこの地域の歴史と文化について論じているつもりなのだ。

なぜなら、ミャンマーは私がこよなく愛する外国であり、そこで年に二回ほど「ノホホ~ン」とすることが、日常仕事に追いかけ回されている私にとっては、なによりものリフレッシュになるからなのだ。
その「ノホホ~ン」のもとになるのは、何といっても現地の人々の暖かさと断言することができる。

この国を扱った唯一の日本語ガイドブック、地球の歩き方「ミャンマー編」には次のような内容が紹介されている。
「もし女性が一人で外出し、夜遅くなっても帰ってこないと宿の人たちが心配して寝ずに待っている。そういうメンタリティの国であることを忘れずに」
この地球の歩き方のアドバイスは大げさではなく、実際このミャンマーはたった一人の外国から来た旅人をあたかも家族や親類のように暖かく迎え入れてくれる民族性を備えている。
それは私たちが失ってしまっている古き良き日本人の性格を写し取ったような素朴な人々なのだ。

この人として当然で本当の意味での平和な個性がイライラした環境からやって来る私のような日本人の心を癒してくれているのに違いない。

そのミャンマーが大変だ!

新聞やテレビの報道によると、燃料代が5倍に値上げされたのをきっかけに各地でデモが発生。
しかも今回は僧侶による大規模なデモがミャンマー各地で繰り広げられ軍事政権と一触即発の状態にあるという。
インド洋に面した西部の街「シットウェー」では抗議のデモ行進をした僧侶の数人を政府側が拘束。
「お坊様を拘束するとはけしからん!謝れ!」
となっているらしく、緊張が高まっているらしい。
シットウェーは旅行記でも書いているとおり、昔はアキャブと呼ばれていたところで、我が陸軍航空隊の加藤隼戦闘機隊の加藤隊長が戦死したところでもある。

また、私がこの春訪れてきたミッチーナでも一昨日僧侶のデモが発生。
政府との睨み合いが発生したという。
ミッチーナはキリスト教徒の方が仏教徒よりも遥かに多い場所だが、そこでもデモが発生したということはただ事ではないのかもしれない。

昨日はヤンゴンで数千人規模のデモが発生。
シェダゴンパゴダという有名なお寺から市内中心のスーレーパゴダまでデモ行進したそうなので、きっとデモの行列は私の定宿であるパークロイヤルホテルの前を通ったに違いない。

「アーロン収容所」という著名な小説の冒頭に、ミャンマー人が戦死した日本兵の歯から金歯を抜き取るという、少しばかり異様な光景が描写されている。
普段は大人しく穏やかなミャンマー人も一度頭に血が上れば、どのような行動に出るかわからないのは二十年近く前の民主化運動を思い出せば理解できる。

「お~い、大丈夫か?」
とミャンマーのガイドTさんにメールを打ったら、
「大丈夫ですよ~」
とすぐに返電があった。
インターネット網を制限するほど政府もバカじゃないということだ。

ミャンマーの情勢はただ事ではないかも知れないが、案外、今回のデモの後ろには米国や英国の姿があるのかもわからない。


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