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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



外国語を習っていると、日本語と同じ発音でまったく異なった意味の言葉があることに驚くことが少なくない。

例えば、タイ語で「関係ない」といえば「下着のパンツ」のことだし、ミャンマー語で「猿飼うんで~」というと「美味しい」という意味になる。
こういう言葉の「音」の楽しさが、語学の楽しみのひとつであることに変わりはなく、歴史年表を覚える「鳴くよウグイス平安京」みたいなもんで、結構重要だ。

ところで、この外国語との同音異義語に気を配らずか、故意にかどうかは知らないが、度々困った名称に突き当たることがある。

これは創作だけど、例えば、
「明日香村にできた記念ホールだから、縮めて「明日ホール」というのはどうだろう」
という話があったら、アナタならどう思うだろう。
「明日ホール」
英語を母国語にする人がここに来たらきっと驚くに違いない。

私は関西圏に住んでいる関西人というジャンルに含まれる大阪人だ。
関西は京都を中心とする文化的首都圏だが、外国へ行った時に私は絶対に使わない関西を意味する別の言葉がある。
「私の出身は近畿です」
近畿地方出身者というのは、そのまま「きんき」地方という言葉を英語文化圏では使いにくく、私はどんな場合でも「関西地方出身です」ということに決めている。

普通、大企業に勤めている人はこう言う言葉の問題は心得ていると思うのだが、実は先日、ある会社の社名変更を聞いて絶句した。

そのある会社とは印刷用インク最大手の大日本インク。
その大日本インクが来年4月に社名変更する。
新しい社名は「株式会社DIC」。

「うちの会社、こんどディックって名前になるんです」

仕事で知りあった大日本インクの某女性社員は自慢気に嬉々として宣った。

「え、○○さんの会社。⑭ディックって名前になるの?」
「ハイ!」
「オタク、アメリカにも事務所があったよね」
「ハイ!」
「んで、アメリカもディックって言うの?」
「ハイ!」

私は大日本インクの美しくかつ可愛らしい女性社員が、アメリカでのビジネスシーンで『My name is ○○○○ of Dick company. Nice to meet you.』なんて言うのを想像して虫ずが走った。

もっとまともな社名は思い浮かばなかったのか、この会社。


(注:DICはディックと読め、その「ディック」には隠語として「ポコチン」の意味があります)


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