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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



まずはじめにお断りしておきたいが、何度もこのブログに書いているように私がちょくちょく旅で訪れるミャンマーの国名はビルマではない。
ヤンゴンもラングーンではないし、軍政が無理やり作って変えた名前でもない。
国名や都市名について詳しい人に聞いてみると、ミャンマー人は昔から自分たちの国のことをミャンマーと呼び、ラングーンと呼ばれていた頃もヤンゴンと呼んでいたそうだ。
ちょうど日本人が外国人からはジャパンと呼ばれて、自分たちではニッポンと呼ぶのに良く似ている。

そしてここは資源の乏しい国でもない。
いくつかの鉱物資源を除き、その他は豊富な天然資源に恵まれている国なのだ。

当然、石油資源も有望視されており、日本がビルマ独立義勇軍を伴ってこの地域に侵攻するまで、石油精製施設なども稼働していた。
「日本が来るならぶっ潰せ」
ということで、エヤワディ川沿いにあった精製施設を破壊したのはイギリスだった。

戦後独立してから、国内の内乱や目茶苦茶な鎖国政策。それに加えて1980年代末からの人権問題にからんだ経済制裁のために石油精製施設の建設ができないでいる。
もちろん油田開発も止まったままだ。
もし仮に、経済制裁などなく、お隣のタイのような緩やかな「アジア的軍事政権」であったなら、きっと今回のように燃料費がいきなり5倍に値上がりしたり、争い事を起こしてはならないはずの僧侶たちがデモ行進をする必要もなかったに違いない。

以上、誤解が多いので書いてみた。

今日の産経新聞web版によると、ついに現地のヤンゴンとマンダレーという二大都市に夜間外出禁止令が発令されたのだという。

前首都のヤンゴンはミャンマー最大の都市であり、その人口はお隣タイの首都バンコクのそれと近く700万人とも800万人とも言われている。
そのヤンゴンはインフラの老朽化で夜はほとんど街灯もなく薄暗い。
街の中心、スーレーパゴダやオンサンマーケット付近でも頻繁に停電がある。

朝、日本を出発するとヤンゴンには現地時間の午後7時に到着するのだが、その後市内へ向かう車窓からの眺めがあまりに暗いので、初めて訪れた日本人は思いっきりびっくりすることになる。

しかしミャンマーは昔の日本に非常に似ており軍政に関係なく治安は良く、夜独り歩きしても他の東南アジアの国ほどの怖さはない。

その怖さのないヤンゴンで夜間外出禁止令。
タン・シェ率いる軍事政権もかなりびびっているのだろう。

ヤンゴン在住の邦人がインターネットに書き込みをしていたり、私の友人Tさんからもメールが届くことを思えば、報道されているほど緊張している様子は見当たらない。
前回の民主化運動の混乱の時と違うのは、ミャンマーもASEANに加盟し、先日新しい憲法ができ上がったばかりだという建前もあり、現在のパトロン「中国」の来年のイベントを抱えての牽制もあるからだろう。

国民の多くは極めて親日的な国柄で、温厚、誠実な国柄だけに、こんなネガティブなことで注目されずに、もっとポジティブかことで注目される国に変わって欲しいものだとつくづく考えてしまうミャンマー好きの日本人は私だけではないだろう。


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