11日(木)。今日から4日連続コンサートなので、昨日は買い物に出たほかは家で予習CDを聴きながら読書をして過ごしました
ということで、わが家に来てから今日で3376日目を迎え、トランプ前米大統領が起訴された不倫口止め疑惑に絡む事件で、ニューヨーク州高裁は9日、トランプ氏側による15日の初公判の延期要請を再度棄却した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
延期要請をもう1回やったら努力賞にスタンプ3個押してあげる 副賞は有罪判決
昨日、夕食に「鶏のガリチー煮&スパゲティ」を作りました 「ガリチー」はガーリック+チーズのことです。ほうれん草がよく合います
手元の本をすべて読み終わったので、いつも通りジュンク堂書店池袋本店で8冊購入しました
1冊目は小澤征爾・武満徹 共著「音楽」(新潮文庫)です 若き日の小澤征爾と武満徹の対談集です
2冊目は阿川佐和子著「話す力」(文春新書)です 「聞く力」が大ベストセラーになった著者のアガワ流「話す極意」です
3冊目は佐藤正午著「彼女について知ることのすべて」(光文社文庫)です 一度読んだような気がしますが、内容をまったく思い出せないので読んでいないものとして購入しました
4冊目は同じく佐藤正午著「Y」(ハルキ文庫)です この本も同様に、一度読んだような気がしますが、内容が思い出せないので購入しました
5冊目は福田和代著「ディープフェイク」(PHP文芸文庫)です 本作はディープフェイク(AIによる画像合成技術)で作られた身に覚えのない画像がSNSで拡散したことから、追い詰められていく教師の姿を描いたサスペンスのようです
6冊目は筒井康隆著「笑うな」(新潮文庫)です 帯の「どっから読んでも、狂ってる!」に惹かれて購入しました 文学界の大御所によるショート・ショート34篇を集録しています
7冊目は津村記久子著「この世にたやすい仕事はない」(新潮文庫)です 本書は5つの”ちょっと変な”仕事に関する話が書かれています
最後の8冊目はパトリシア・ハイスミス著「11の物語」(ハヤカワ・ミステリ文庫)です この本は、先日観たヴィム・ヴェンダース監督・役所広司主演「PERFECT DAYS」の中に登場した本で、いつか読もうと思っていた作品です
いずれも、読み終わり次第toraブログでご紹介していきます
福田ますみ著「暗殺国家ロシア 消されたジャーナリストを追う」(新潮文庫)を読み終わりました 福田ますみは1956年横浜市生まれ。立教大学社会学部卒。専門誌、編集プロダクション勤務を経てフリーとなり、犯罪、ロシアなどをテーマに執筆活動を行っている。「でっちあげ」で第6回新潮ドキュメンタリー賞を受賞
本書は平成22年(2010年)に新潮社から刊行され、平成25年に文庫化されました
本書は次の各章から構成されています
プロローグ
第1章「悲劇の新聞」
第2章「奇妙なチェチェン人」
第3章「告発の代償」
第4章「殉教者たち」
第5章「夢想家たちの新聞経営」
第6章「犯罪専門記者の憂鬱」
第7章「断末魔のテレビジャーナリズム」
第8章「ベスラン学校占拠事件の地獄絵図」
第9章「だれが子供たちを殺したか」
エピローグ
著者は「プロローグ」の中で、次のように書いています
「ロシアで今、ジャーナリストたちが次々に襲われている ジャーナリストの権利擁護を訴えている『緊急事態ジャーナリズムセンター』のオレグ・パンフィーロフの調査によれば、ロシアでは、ジャーナリズムを脅かす襲撃事件が年間80~90件起こっている 『ノーバヤガゼータ』(「新しい新聞」という意味)のジャーナリストたちや、イングーン共和国のエプローエフのように、最悪、殺害されるケースも後を絶たない 『グラスノスチ(情報公開)擁護財団』のアレクセイ・シモノフ所長によると、プーチンが大統領に就任した2000年から09年までに、120人のジャーナリストが不慮の死を遂げている このうち約70%、つまり84人が殺害されたとみられるが、自身のジャーナリスト活動が原因で殺されたと推測できるのは、さらにそのうちの48人だ。48人の殺害のほとんどは嘱託殺人と思われるが、首謀者、実行犯ともに逮捕された例は数えるほどしかない』。ロシアでは、ジャーナリストたちの命は危険に晒されているのだ。銃撃され、ハンマーで殴られ、ナイフで刺され、金属の鎖で首を絞められ、あるいは得体の知れない毒物を盛られて それは決して、サスペンス映画の中の話ではない。日常茶飯事のように起こっている紛れもない現実だ」
一方、著者は『ノーバヤガゼータ』(1993年4月創刊)副編集長のセルゲイ・ソコローフの次のような発言を紹介しています
「ロシアの大部分のジャーナリストたちにとって、暗殺なんて別世界の話だ なぜなら、政権にサービスするジャーナリストがほとんどだから。彼らには、高い報酬と安楽で快適な寝床が約束されている。それ以外の、権力批判を恐れない我々のようなほんの一握りの少数派だけが命を狙われているのだ」
著者は続けて次のように書いています
「ソ連時代、いわゆる反体制派は厳しい弾圧に晒された。投獄され、精神病院に放り込まれ、国内流刑や国外追放の憂き目にあった とはいえ、スターリン独裁下は別として、その後のフルシチョフ、ブレジネフ時代以降は、処刑された者はいない ところが、現代の体制批判者は、裁判によらず、白昼の街頭でいきなり射殺されるのである この困難な状況に、文字通り命を賭して立ち向かっているのが、『ノーバヤガゼータ』とそこに働くジャーナリストたちである しかし、その闘いは予断を許さない」
本書は、不偏不党を掲げ、真実の報道のため命を懸けて国家権力と闘う『ノーバヤガゼータ』のジャーナリストたちの活動を通して、プーチン政権の徹底的な言論弾圧と暗殺国家ロシアの実態を浮き彫りにしたルポルタージュです 本書を読むと、いかにプーチン・ロシアが”民主主義国家”とかけ離れた”強権主義国家”であるか、また、2024年の現在においてもプーチン政権の反体制派に対する”暗殺体質”はまったく変わっていないことが分かります 今読むべき本としてお薦めします