25日(木)。昨日の日経朝刊によると、指揮者の山田和樹氏がベルリン・フィルを指揮することが決まったとのことです 記事を超略すると次の通りです
「ベルリン・フィルは23日、2025年6月の定期公演に指揮者の山田和樹氏(45)を起用すると発表した 日本人指揮者の定期公演出演は、楽団と関係が深かった小澤征爾氏の2016年以来。新たな起用は2011年5月の佐渡裕氏に次ぐ 山田氏の出演は来年6月12~14日の3日間で、演目は サン=サーンス『交響曲第3番”オルガン付き”』や、武満徹『ウォーター・ドリーミング』など 3月の公演では、日本人ヴァイオリニスト HIMARI さん(12)がソリストを務めることも公表した HIMARIさんは3月20~22日に、ズービン・メータ氏の指揮で、ヴィエニャフスキ『ヴァイオリン協奏曲第1番』を弾く」
記事を補足すると、沖澤のどかが2022年3月に、急病で降板した芸術監督のキリル・ペトレンコの代役でベルリン・フィルを指揮しています
山田和樹は現在、英バーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼アーティスティックアドバイザー、モナコのモンテカルロ・フィルの芸術監督兼音楽監督を務めています 一方、HIMARI は数々の国際コンクールで第1位を獲得、2022年から米カーティス音楽院で大学生に交じって学びながら、国内外の楽団と共演を重ねています
山田氏の客演はある程度予想がつきましたが、HIMARIのベルリン・フィルへのソリスト・デビューは意外でした 彼女の演奏は2度聴きましたが、五嶋みどり以来の天才だと思います 五嶋みどりが MIDORI と名乗ったのを意識して、吉村妃鞠が HIMARI と名乗るようになったことは容易に想像がつきます
ということで、わが家に来てから今日で3390日目を迎え、ドナルド・トランプ前米大統領が不倫相手への「口止め料」の支払いを巡って業務記録に虚偽記載をした罪に問われている裁判で、米誌ナショナル・エンクワイアラーの元発行人デイヴィッド・ベッカー氏が23日証人として出廷し、2016年大統領選挙の時期にトランプ前大統領や当時の顧問弁護士マイケル・コーエン氏と協力し、トランプ前大統領の評判を落とす記事を抑え込んだと証言、そうした行為を「友人間の取り決め」だったと説明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプは 正直者のお友達と「友人間の取り決め」したことを 後悔してんじゃね
昨日、夕食に「鶏肉のガリチー煮&スパゲティ」を作りました 何回食べても飽きない味で、とても美味しかったです
昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「芸劇ブランチコンサート 第47回:100% ヴィオラの日」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「3つのヴィオラのためのトリオ 作品87」、②ショスタコーヴィチ「2つのヴィオラとピアノのための5つの小品」より「前奏曲・ガヴォット・ワルツ 作品97d」、③エネスコ「演奏会用小品」、④ヴュータン「無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ」、⑤同「エレジー 作品30」、⑥クライスラー「愛の喜び」です 演奏はヴィオラ=佐々木亮(N響首席)、鈴木康浩(読響ソロ・ヴィオラ)、中恵菜(新日本フィル首席)、ピアノ=清水和音です
日本を代表するオーケストラの首席クラスのヴィオラ奏者3人が一堂に会することは滅多にないことです 清水氏が声をかけたのでしょうが、良く集めましたね
1曲目はベートーヴェン「3つのヴィオラのためのトリオ 作品87」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が作曲した「2つのオーボエとイングリッシュホルンのためのトリオ 作品87」が原曲です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト ~ スケルツォ」、第4楽章「フィナーレ:プレスト」の4楽章から成ります
左から佐々木(第1)、中、鈴木という並びですが、中は白を基調とした銀のラメ入りのエレガントな衣装を身にまとっています この人は華がありますね 第1楽章はソフトなタッチで優美な演奏が展開し、第2楽章は美しい旋律が奏でられます 第3楽章では躍動感あふれる演奏が繰り広げられ、第4楽章では愉悦感に満ちた音楽が軽快に演奏されます ヴィオラだけ3本でどんな演奏になるのか、と思っていましたが、ヴィオラ特有の温かみのある音色が魅力的で、ノーブルなアンサンブルが展開しました
2曲目はショスタコーヴィチ「2つのヴィオラとピアノのための5つの小品」より「前奏曲・ガヴォット・ワルツ 作品97d」です この作品の原曲は「2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品」です 第1曲「前奏曲」、第2曲「ガヴォット」、第3曲「ワルツ」の3曲から成ります ドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)は交響曲やオペラの他に、映画音楽や劇音楽も書いていますが、「前奏曲」は1955年製作の映画「馬あぶ」、「ガヴォット」は1934年製作の劇「人間喜劇」、「ワルツ」は1933~34年製作の映画「司祭と下男バルドの物語」に含まれた楽曲です
演奏は中が第1、佐々木が第2で、清水のピアノが支えます 「前奏曲」は憂いを帯びた旋律が印象的です 「ガヴォット」は楽し気な作品です 「ワルツ」はどこか哀しみを帯びた曲想で、アンビバレントな魅力を感じます いずれもノーブルな演奏が印象的でした
3曲目はエネスコ「演奏会用小品」です この曲はジョルジュ・エネスコ(1881-1955)が1906年に作曲したヴィオラとピアノのための作品です 鈴木と清水の演奏ですが、前半はノスタルジーを感じさせる曲想が奏でられますが、後半に入るとテンポを上げ、技巧を駆使した情熱的な演奏が繰り広げられました
4曲目はヴュータン「無伴奏ヴィオラのためのカプリッチョ」です この曲はアンリ・ヴュ―タン(1820-1881)が晩年に書いた作品です 中は、脳卒中による半身麻痺の状態にあった作曲家の悲しみを表すかのように抒情的な演奏を展開しました
5曲目はヴュ―タン「エレジー作品30」です この曲は1854頃に書かれたヴィオラとピアノのための作品です 佐々木と清水の演奏ですが、タイトル通り哀愁に満ちた音楽が奏でられました
6曲目はクライスラー「愛の喜び」(2つのヴィオラとピアノ版)です この曲はフリッツ・クライスラー(1875-1962)が作曲したヴァイオリンとピアノのための作品ですが、今回はヴィオラ2本とピアノにより演奏されます 佐々木と鈴木により、お馴染みの弾むようなメロディーが演奏されますが、いつもヴァイオリンで聴いているのとは一味違った演奏が楽しめました
ところで、いつものように演奏の合間に清水とゲストによるトークがありましたが、今回は3人に「ヴィオラを弾くようになったきっかけ」を尋ねていました
最初に清水が、「ヴィオラ奏者の多くは、最初ヴァイオリンを弾いていて、途中で諦めてヴィオラに転向するケースが多い ヴァイオリンのための作品は多いが、ビオラのための作品は少ない ヴァイオリンは演奏が難しいが、ヴィオラは簡単だ」と持論を展開し、3人に尋ねました
鈴木は「小学生の頃からヴァイオリンとヴィオラの両方を弾いていたが、チェロの音色に魅力を感じ、ヴァイオリンよりも音程の低いヴィオラに魅力を感じるようになった」旨を、中は「高校1年からヴィオラを弾くようになったが、最初のうちは嫌だった しかし室内楽を演奏していくうちにヴィオラが好きになった」旨を語りました 面白かったのは佐々木の話です。「ヴァイオリンを学ぶためにジュリアード音楽院に留学した時、師事する先生から『明日、演奏会でヴィオラを弾いてくれ。楽器は楽器屋に行けば売ってるから』と言われ、楽器屋に行ってヴィオラを求めて、初めてヴィオラを演奏したが、その時すっかりヴィオラの音色に魅了され、自分はこれだと思った」と語っていました さらにヴィオラ奏者の性格について尋ねられた佐々木は、「今回のプログラムで2曲ファースト・ヴィオラを弾くが、他の2人に『どうぞファーストを弾いてください』と声をかけたら、2人は『いえいえ、佐々木さんが弾いてください』と遠慮されました」と語りました これを受けて清水は「そうなんです。ヴィオリストは控えめな人が多いんです これがヴァイオリンだとそうはいきません 『是非ファーストを弾かせてください』となります ヴァイオリンはファーストが花形ですから 弦楽四重奏団は とかく第1ヴァイオリンとチェロの仲が悪いんです 2人の言い争いになると、たいてい第2ヴァイオリンとヴィオラは黙っています ヴィオリストはそういう控えめな人が多いんです。私はヴィオリストが大好きです」と語っていました
私もヴァイオリンよりヴィオラが好きだし、ソプラノよりメゾ・ソプラノの方が好きです