人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

青柳いづみこ著「我が偏愛のピアニスト」を読む~ピアニストが見たピアニスト

2014年05月21日 07時01分06秒 | 日記

21日(水)。ポール・マッカートニーの来日公演は、結局すべて中止になってしまいましたね 日本中の話題を独占したポールもウィルスには勝てませんでした。ところでチケットを買った人はどうするのでしょう?S席が8万円ですから、記念に取っておくという人はさすがに少数派だと思いますが・・・・

昨日、会社帰りに新宿ピカデリーに寄ってMETライブビューイング、モーツアルト「コジ・ファン・トゥッテ」の座席指定を取りました 今週土曜日、24日(土)午前10時からの上映で、いつも通り左ブロック後方通路側席を押さえました いつも最前列に座って観ている人がいますが、観づらいし首を痛めないのでしょうか。とても考えられません 同日の夕方6時から東京交響楽団の定期公演がサントリーホールであるので、できれば別の日にしたかったのですが、翌25日(日)もコンサートの予定が入っているので、ウィークデーに休暇をとるしかありません。しかしスケジュール表を見るととても休暇がとれる状態ではありません そんな訳で、24日は映画(3時間46分)とコンサート(約2時間)の連チャンです

 

          

 

  閑話休題  

 

19日のブログに18日の仲道郁代のピアノ演奏会について書いたところ、ブログ読者みなみさんから投稿がありました モーツアルトの「ピアノ・ソナタ イ短調K.310」の第3楽章終盤で音程を外して弾いていたことを指摘したのですが、別の人のブログがそのことに触れているとのことでした。早速検索してみると、「指がもつれて・・・・」と書かれていました。私の耳がおかしかったわけではなかったので安心しました。大人気の仲道郁代にしても「弘法も木から落ちる」のですね 誤解のないように言っておきますが、わたしは演奏のあらさがしをしている訳ではありません。コンサートは楽しむのが信条です 普段他人のブログは読まないため「井の中の蛙」状態です。そんな訳でコメントをいただくと助かります。みなみさん、情報ありがとうございました

 

          

 

  閑話休題  

 

青柳いづみこ著「我が偏愛のピアニスト」(中公文庫)を読み終わりました 著者の青柳いづみこさんはピアニストであり文筆家です。安川加壽子、ピエール・バルビゼに師事し、フランス国立マルセイユ音楽院を首席で卒業しました ピアノ演奏の専門家が同僚のピアニストを選んで、それぞれの人と演奏に切り込んでいます 10人のピアニストが選ばれていますが、クラシック・ファンなら誰でも知っている小川典子、小山実稚恵、花房晴美、海老彰子、練木繁夫、さらに岡田博美、廻由美子といったピアニストに加え、私など初めて名前を聞く坂上博子、柳川守、藤井快哉を取り上げています

 

          

 

馴染みのあるところで小山実稚恵さんを取り上げた章では、概略次のように書いています

「小山さんが中学時代に習っていたピアノの先生は『ピアノは競争じゃない、自分より上手な人に喜んで祝福の拍手を送れるような心の広い人間になってほしい』という願いを込めて指導したという。これは素晴らしいことだ 普通は教師も保護者も競争心を煽るため、ピアノを弾きたいのか、人に負けたくないからピアノを弾いているのかわからない子供がたくさんいる

小山さんは語る

「客観的評価といっても、結局は好き嫌いでしかないでしょう?たとえば自分の大好きなピアニストがいるとして、それを誰かと比べようと思って聴くなんてことはありえないわけだから、否応なしに順位がついてしまうのがコンクールだけれど、そこのところを分かっていないと,多分すごく違うことになってしまうと思う

これに対し、青柳さんは次のようにコメントします

「競争を義務付けられているスポーツ選手ですら、ステージの高い選手ほど、他人との争いだけではなく、その競技を極め、己に勝つことを目標に置くようになる すべての雑念を排し、音楽と真正面から向かい合うことが出来るというのは、それだけ地力・精神力ともに優れている証なのだ

小山実稚恵さんはショパンコンクールとチャイコフスキーコンクールの両方の入賞者なので、やっぱりショパンやチャイコフスキーが好きなのだろうと思っていましたが、「私、実はバッハば一番好きで。本能的に好きなんだと思いますね。響きも好きだし、楽譜も好きだし、すべてが好き」と語り、2015年秋には満を持してバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を弾くとのこと

また、花房晴美さんを取り上げた章では、彼女の仰天エピソードを紹介しています

「2007年、夫婦でケニアに旅行したが、30周年記念演奏会を控えていた その間ピアノのない生活を強いられることになった。日本の楽器店に電話をかけ、私が日本に帰るまでにスタインウェイを1台届けておいてちょうだい、と注文したという 花房邸にはすでにスタインウェイが3台、ヤマハが1台、グランドピアノが合計4台もあるというのに、さらにもう1台、しかも試弾もせずにポンと買ってしまうあたり、花房さんの経済的「容量」にも驚かされた 今は数少なくなった本当にスターらしいピアニストだ

これ、信じられないんですけど・・・・・・

小川典子を取り上げた章では、彼女のショパン観が紹介されています

「なぜ、これほどショパンを弾くピアニストが多い中で、スペシャリストではない私が、ショパンをプログラムに含ませなければならないのか?そして何よりも、なぜわが国では、『女性ピアニスト』がショパンを弾くと、喜ばれる傾向にあるのか。抵抗感を拭えずにきた

これに対して青柳さんは次のようにコメントしています

「理由の一つには、小川さんの独特なショパン観がある。『ピアノの詩人』の異名をとるショパンは、とりわけロマンティックな作風で愛されている しかし、バッハやモーツアルトを愛したショパンには古典的な側面があり、小川さんも書くように『常に冷静な気持ちを保ちながら作曲をし、計算しつくされたなかで、涙を誘うほど美しい感傷のメロディーや装飾音を生み出していた』ことを忘れてはなるまい

同じピアニスト同士、分かりあえるところが多々あるに違いありません

このほか、ピアノが弾ける人はもちろんのこと、私のように弾けなくてもピアノの曲が好きな人にはたまらなく面白いエピソード満載の本です。お薦めします

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エリック・ロメール監督映画「夏物語」を観る~男1対女3のウラヤマシイ関係の結末は・・・・

2014年05月20日 07時00分37秒 | 日記

20日(火)。昨日の日経朝刊・社会面に「中国人留学生『すし焼いて』 母国から批判殺到 すきやばし次郎に謝罪」という記事が載りました。要約すると

「今年4月、『すきやばし次郎』六本木店で、客の中国人グループの中の日本滞在歴5年の女子留学生が『生の魚は食べられない。焼くか煮てほしい』と注文し、店長と口論になったことが中国国内で話題になっている 店長が『すしが生と知らずに友人を連れてきたのか』と聞いたところ女性が反発し、ブログに『大統領相手でもこの態度を取るのか』などと書き込んだ (同店銀座本店にオバマ米大統領が訪れたことを念頭に置いている)。ところが、ネット上で『ルールが分からないなら行くな』など同じ中国人から女性への批判が殺到した 女性は後日、店を訪れ謝罪した。店長は『わざわざ誤りに来てくれたことを評価したい 悪いのは海外ですし店と称して天ぷらや鍋も出す店が多いことだ』と話した」

この記事を読んで思ったことが二つあります。一つは、アメリカに次ぐ経済大国に成り上がった中国の国民の文化レベルの低さです もう一つは、非常識な同国人に対して批判をする健全な人たちも中国には存在するという事実です 私の知っている中国人に悪い人はいませんが、強大な軍事力を背景に日本やベトナムをはじめ東南アジア諸国に対して覇権主義的な態度を取っている、国としての中国はいったいどこに向かっているのでしょうか きっと、巡洋艦で航海して外国の魚船を追い散らし、公海を含めて海は全部中国のものだ、と思っているのでしょう。こういうのを「排他的経済水域」とは言わず「排他主義的中国水域」と言います 国際的な総スカンに合って、後で後悔しないようにした方が良いと思います

出でよ第2の周恩来 熱烈歓迎します

 

  閑話休題   

 

17日にフランスのエリック・ロメール監督の映画「春のソナタ」と「夏物語」の2本立てを観ました 先日「春のソナタ」について書いたので、今回は「夏物語」について書きます。ストーリーは

「バカンスを過ごすためにディナールにやってきたガスパールは、スペイン旅行中の恋人レナと現地で落ちあい、ウェッサン島へ渡る予定を立てていた しかし、約束の日まで余裕がある。そんな折、ちょっとしたきっかけからクレープ専門店でウエイトレスとして働いているアルバイト学生マルゴと知り合いになり、デートを重ねるようになる さらに、彼はソレーヌという女性とも知り合いになり、付き合うようになる そのうちレナがスペイン旅行から帰ってきて、ガスパールは3人の女性と同時に付き合うというウラヤマシイ境遇になる しかし、彼は結局、3人の女性に振り回されて振られてしまう

 

          

 

主人公のガスパールは一時的であるにせよ、同時に3人の女性と付き合うという、男にとっては夢のような立場にあるにも関わらず、女性たちに対する態度が曖昧ではっきりしないことから、結局振られてしまいます ガスパールにしてみれば何とか3人とうまくやっていきたいと思うし、3人の女性にしてみれば「ほかに付き合ってるヒトがいるって、どーゆーことよ 私を取るの?彼女を取るの?今すぐ返事してよ」といったところでしょう。それにしても、ロメール監督という人は、若者の恋愛心理がよく分かっていますね

 

          

          

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「仲道郁代 モーツアルトの世界~メロディの哀しみ」を聴く~川久保賜紀とともに

2014年05月19日 07時02分00秒 | 日記

19日(月)。17日に国立競技場で開催される予定だった元ビートルズのメンバー、ポール・マッカートニーの来日公演が延期になってしまいましたね ウイルス性炎症とのことで、振り替え公演は今日の17時半から開催されるということです 昨日の朝日朝刊に北海道から上京してきた男性会社員のインタビューが載っていました 

「振り替え公演は仕事で観に行けない。残念だけどあきらめます

本当にお気の毒です こういう人がたくさんいらっしゃるのではないかと思います。遠路はるばる上京してきてどうしても聴きたい人は、土曜、日曜と連泊して今日の公演に臨むのでしょうが、想定外の出費がかさんで、これまたお気の毒です 入場料が高いのは仕方ないとしても、走り高跳びではないですが、超えるべきポールも高かったですね

〔追伸〕今日の朝刊によると、今日の振り替え公演も中止か延期になるとのこと。21日の武道館公演は予定通りだそうです。

 

  閑話休題  

 

昨日、晴海の第一生命ホールで「仲道郁代 モーツアルトの世界~メロディの哀しみ(ヴァイオリンの響きとともに)」を聴きました  プログラムはモーツアルトの①ヴァイオリン・ソナタ第35番ト長調K.379、②ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調K.304、③ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310、④「泉のほとりで」によるクラヴィーアとヴァイオリンのための6つの変奏曲ト短調K.360、⑤ピアノ・ソナタ第12番ヘ長調K.332です ヴァイオリニスト川久保賜紀を迎えて仲道郁代がピアノを弾きます

 

          

 

自席は1階9列24番。センターブロック右通路側です。会場は8割方埋まっている感じです。最初にベージュのドレスに身を包まれた仲道郁代が登場し、この日の「モーツアルトの世界~メロディーの哀しみ」の意味合いについて解説します

「バッハの時代には、宗教曲が多く作られ、短調の曲が多く作られました モーツアルトの時代になると、貴族から依頼されて作曲するという形になり、短調は”暗い”として嫌われる傾向にありました したがって、モーツアルトというと短調の名曲を思い浮かべますが、彼はごく限られた曲しか短調の曲を作曲していません その後、ベートーヴェンの時代になると、依頼されて作るというよりも、自分の意志で作りたい曲を作って出版社に売るという形になり、短調の曲も多く作られるようになりました 今日はモーツアルトの短調の曲に焦点を当てて演奏します。それではヴァイオリンの川久保賜紀さんをお迎えします

として、ダークブルーのシックなドレスを身にまとった川久保賜紀を迎い入れ、1曲目のヴァイオリン・ソナタ ト長調K.379の演奏に入りました

第1楽章「アダージョ、アレグロ」はピアノの序奏から入りますが、仲道はゆったりしたテンポで音楽を進め、それに川久保のヴァイオリンが合わせます。途中から軽快なアレグロのテンポに変わります。第2楽章はアンダンティーノ・カンタービレです。おだやかな音楽を聴いていると、モーツアルトって本当にいいな、と思います とくに川久保のヴァイオリンが美しく、思わず聴き惚れてしまいます。川久保賜紀って本当に素晴らしい演奏家ですね

曲が終わり、仲道が再びマイクを持って次のヴァイオリン・ソナタ ホ短調K.304について解説します

「この曲はモーツアルトがザルツブルクを離れ、母親とともにマンハイムを経由してパリに演奏旅行に行った際に作曲されたものですが、この時に彼は、パリで母親を亡くします この曲は、母親の死が影響していることは否定できません。それでは聴いて下さい

第1楽章「アレグロ」がヴァイオリンとピアノによって同時に開始されます ここでも川久保のヴァイオリンが冴えわたります。第2楽章のテンポ・ディ・メヌエットの哀しさはどうでしょう。これほど哀しみを湛えた音楽があるでしょうか

再度、仲道がマイクを持って次のピアノ・ソナタ イ短調K.310の解説をします

「次の曲は、左手でザザザザとリズムを刻む一方、右手が行進曲のようなメロディーを奏でます 左手による同じ音の連続は”永遠”を表すと言われています 一方、右手の行進曲は”王者の行進曲”と呼ばれています。どういう意識でモーツアルトがこの曲を作ったのかは分かりませんが、そういうことを頭に入れて聴くとまた違った聴き方が出来ると思います

として、演奏に入りました。相当、高速のテンポです。何かに対して怒りをぶつけているような激しい感情の吐露を感じさせる演奏です 今まで、この曲に対するイメージは”疾走する哀しみ”でしたが、彼女の解説によってイメージが変わりました。どちらかというと、目の前にある悲しみに打ち勝ち、それを乗り越えようという意思を感じます

と、ここまでは良いのですが、第3楽章の終盤に至って音程が不安定になり、最後に元(の音程)に戻りました 少なくとも私にはそのように聴こえました。もし、同じ会場でこの演奏をお聴きになった方がいらっしゃったら、私の言うことが正しいのか、私の耳がおかしいのか、お教えいただきたいと思います

 

          

 

20分の休憩後に後半のプログラムが始まります。仲道がマイクを持って登場、再び川久保を呼びます

「賜紀さんと初めて演奏したのは5年前でしたか、この会場だったですよね モーツアルト・ガラコンサートで、チェロの長谷川陽子さんと3人でモーツアルトのピアノ三重奏曲を演奏しました (この演奏はtoraも聴いた) 賜紀さんとデュオを組むのは今回が2回目でしたよね?」

川久保「・・・・・・3回目だと思います

仲道「ああ、そうでした もう一度ありました(会場・笑)。ところで、モーツアルトの短調の曲を演奏していてどう感じますか?」

川久保「シンプルな中に、繊細な音楽が詰まっている。その繊細さをどのように表現できるか非常に難しいと思います

そして「泉のほとりで」による6つの変奏曲 ト短調K.360を二人で演奏しました 初めて聴く曲でしたが、楽しめました 再度、仲道がマイクをとり、

「同じ短調でも、ショパンははかなさを感じますが、モーツアルトは明るいところもあるし、そうでないところもある、すべてを含んだ”永遠”の世界を感じます 次は長調の曲です。モーツアルトの曲は短調の曲でも長調が出てきて、長調の曲でも短調が出てきます。そのように次々に変化していきます

と解説し、ピアノ・ソロでピアノ・ソナタ ヘ長調K.332を弾きました この曲は5月4日にラ・フォル・ジュルネ音楽祭でアンヌ・ケフェレックのピアノで聴いたばかりです。ケフェレックの演奏は、淡々と弾いていながら、そこはかとなく心に沁みる演奏でした それに比べて、仲道はより思い入れを込めた演奏で、テンポも速めでした

二人は最後にアンコールとしてモーツアルトの「ディヴェルティメント第17番」から第3楽章「メヌエット」を優雅に演奏しました

今回のように曲の合間にレクチャーをしてくれるコンサートは、私のような音楽に素人の聴き手にとって非常に勉強になります。クァルテットでは、この第一生命ホールを基点に演奏している古典四重奏団がレクチャー・コンサートをやっていますが、毎回楽しみにしています

 

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エリック・ロメール監督映画「春のソナタ」を観る

2014年05月18日 08時39分04秒 | 日記

18日(日)。昨日、高田馬場の早稲田松竹でエリック・ロメール監督映画「春のソナタ」と「夏物語」の2本立てを観ました 今日は「春のソナタ」について書きます

フランスのエリック・ロメール監督による「四季の物語シリーズ」は、「春のソナタ」(1989年)、「冬物語」(1991年)、「夏物語」(1996年)、「恋の秋」(1998年)の順に制作されました

シリーズ第1作「春のソナタ」のストーリーは

「高校の哲学教師ジャンヌは、あるパーティーで音楽学校の生徒ナターシャと知り合いになり、彼女の家に誘われる ナターシャの40歳の父親は、自分の娘ほどの歳の女性エーブと別の家で同棲していた エーブとまったく気が合わないナターシャは、知的で理性のあるジャンヌを父の恋人にしようといろいろと画策する。最初は消極的だったジャンヌも次第にナターシャの父親に魅かれていくが、彼女にも恋人がいることから拒否する さて一人の男を巡る3人の女性の運命はどうなっていくのか・・・・・・」

 

          

 

この映画を観るのは初めてですが、「春のソナタ」は単なる映画のタイトルに過ぎないと単純に考えていました。ところが、冒頭のシーンでベートーヴェンの「ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調”春”」(別名スプリング・ソナタ)の第4楽章「ロンド」が流れてきた時、やっとタイトルの意味が理解できました。この曲はエンドロールでも流れます

映画の中では、ナターシャがピアノを弾くシーンがありますが、彼女がYAMAHAで弾くのはシューマンの「夜明けの歌」です また、ジャンヌとナターシャの父親が二人きりになり、ジャンヌが「何か音楽をかけて」と頼んだ時、彼が選んだカセットテープ!から流れてきたのはナターシャが演奏するシューマンの「交響的練習曲」でした

食事の場面でジャンヌとエーブが哲学論争を展開するシーンがありますが、「フランスの映画監督はこういうの好きだよな」と思いました

この映画は、会話によって女性同士の確執や男性と女性の心理の変化をニュアンス豊かに表出します 音楽が彼らの心情を表しているかのようです

 

          

          

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ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」、マーラー「交響曲第1番」を聴く~東京シティ・フィル

2014年05月17日 07時00分32秒 | 日記

17日(土)。昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールで、東京シティ・フィルの第279回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」、②マーラー「交響曲第1番ニ長調」で、指揮は宮本文昭、①のヴァイオリン独奏は木嶋真優です 

宮本文昭はケルン放送交響楽団で首席オーボエ奏者を長年務めた経歴があり、木嶋真優は2011年ケルン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝した経歴があることから、今回のコラボが実現したのではないかと推測します

 

          

 

演奏に入る前に、「ケータイ電話やアラーム付腕時計~」というお馴染みのアナウンスに加えて「演奏終了後は、最後の音が鳴り終わるまで拍手はお控えください」というアナウンスがありました 珍しいと思いました 裏を返せば、演奏が終わるや否や”待ってました”とばかりに拍手をする不届き者がこのオケの定期会員にいた(いる)から、あえてアナウンスしたとも言えます

自席は1階21列1番、やや後方の最左端です。オペラシティでシティ・フィルを聴くのは久しぶりです。数年前は定期会員だったのでほぼ毎月このホールで聴いていました 楽員を見渡すと、コンマスの戸澤哲夫氏をはじめ8人くらいの奏者の顔が分かりますが、あとはまったく分かりません オケは、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、後ろにコントラバスというオーソドックスな配置をとります

指揮者の宮本文昭に伴われて、グリーン系のロングドレスに身を包まれた木嶋真優がゆっくりと登場します 小柄な割にドレスの丈が長すぎるようです 宮本の指揮でオケが第1楽章の第1主題を奏でますが、彼はタクトを使いません。そして木嶋のソロが力強く入ってきます 木嶋は上のチラシを見るとアイドル的な顔をしているように見えますが、実際にはもっと大人びた顔つきをしています おとなしそうに見えますが芯は強そうで、それが演奏に現われています。カデンツァは聴きごたえがありました

宮本の指揮姿を見ていると、まるでカンガルーのボクシングを見ているようで、気持ちが落ち着きません この違和感は最後まで続きました。目をつぶって聴くのが最善の方法ですが、そうすると、週末だけに疲れが溜っていて、眠ってしまうのではないか、と恐れて出来ません 彼の指揮を見ながら音楽を聴くのは非常に疲れます。ソリストの木嶋がハンカチを指揮台の端に置いて演奏するのですが、宮本がふんづけないか心配でなりません 幸いハンカチに靴跡のスタンプを押されることは免れたようです

ブラボーと拍手を浴びた木嶋真優はアンコールにクライスラーの「レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース」を鮮やかに演奏し満場の拍手を受けました

休憩時間の間、ホワイエの一角で彼女のサイン会が開かれ長蛇の列ができていましたが、15分しか時間がないので、サインをもらいそこなった人は、全ての演奏終了後に再度並ばなければならないようでした

 

          

 

規模を拡大して編成されたオケがスタンバイ、マーラーの「交響曲第1番」の第1楽章が緊張感を持って開始されます この曲でも彼の指揮姿に違和感を覚え、音楽がすんなりと入ってきません やっと気持ちが落ち着いたのは第4楽章後半でした。マーラーの指示に従って、ホルン8本とトロンボーン2本が立ち上がって演奏します。フィナーレでは宮本の”超高速演奏”の指示に、戸澤コンマスを筆頭に、全楽員が一体となって熱演を展開、曲を閉じました 一瞬のしじまの後、大きな拍手とブラボーが会場を満たしました

宮本は、第3楽で主要テーマを奏でたコントラバス奏者を中央までひっぱってきて聴衆に拍手を求め、次にコントラバス全員を立たせ、次いでチェロ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリン、木管奏者、金管奏者、打楽器の順に立たせて聴衆の拍手を求めました この辺りが、他の指揮者とまったく異なる彼独特の配慮でしょう 普通、木管や金管で目立った働きをした奏者をまず立たせ、次に木管、金管の楽器ユニットごとに立たせ、打楽器を立たせ、最後に弦楽器をユニットごとに立たせます

そもそもこの演奏会はブラームスとマーラーの組み合わせに魅力を感じてチケットを買ったコンサートです 指揮者やソリストは二の次ですが、それにしても宮本の指揮は私にとっては、しっくりと来ません。かつて、山田一雄という日本を代表する指揮者がいましたが、彼は指揮台の上で飛び上がって指揮をしていました。宮本文昭は彼の系譜に連なる指揮者かもしれません。今度、彼の指揮で音楽を聴くときは眠るのを覚悟で目を閉じて聴くようにしたいと思います

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「音楽マル秘講座 山下洋輔×茂木大輔ほか」、村上龍「55歳からのハローライフ」を買う

2014年05月16日 13時01分59秒 | 日記

16日(金)。大学生の息子がレポート提出のため、昨夕から徹夜でパソコンを占拠していたため、今朝ブログをアップ出来ませんでした そんな訳で昼休みに書いています

朝日夕刊で毎週木曜日に連載している黒木瞳さんの「ひみつのHちゃん」が7回目を迎えました。タイトルは「ゲーマー復活 とことん一途」です 「私はゲーマーだ」という書き出しで始まるのこエッセイで瞳さんはこう書いています

「高校生だった私のデートといえば喫茶店でナポリタンを食べアイスコーヒーを飲み、インベーダーゲームをする

まさにその頃、私は社会人何年目かで、昼休みに先輩と新橋の喫茶店に行ってナポリタンを食べアイスコーヒーを飲み、インベーダーゲームをしていました

その後、東京に出て仕事がない頃、「毎日が日曜だった私に喝を入れてくれたのが『スーパーマリオ』だった」そうです

その頃、2人の子供たちが「スーパーマリオ」で遊んでいたのを思い出します 子どもたちは盛んに「マリオ・カート」で競走していました

「そして今。気がつくと、またゲームにハマっている私がいる。この間休みの日に気がつけば20時間やっていた 『いつ止めればいいの?』って娘に聞く私って、一体何者?よく言えば一途ってこと?悪く言えば中毒?仕事以外の楽しみは作るべきだから、フォーエバーゲーマーでいくしかないわね なんでもやり通すってことが大事!ってか」

と結んでいます。瞳さん、20時間はやりすぎですよ いま、子どもたちは相変わらずゲームをやっていますが、私はまったくやりません 「ゲームを楽しむ」というより「ゲームで時間を潰す」という感覚の方が強いと思います。私にとって、ゲームをやることはパチンコや競馬・競輪と同じで、時間を潰す以外の何ものでもありません

 

  閑話休題  

 

本を2冊買いました 1冊目は「音楽マル秘講座~山下洋輔×茂木大輔、仙波清彦、徳丸吉彦」(新潮文庫)です ジャズピアニスト山下洋輔がN響首席オーボエの茂木大輔、パーカッショ二スト&邦楽囃子方の仙波清彦、音楽学研究者の徳丸吉彦と、音楽について縦横無尽に語り合う対談集です

 

          

 

 

2冊目は村上龍著「55歳からのハローライフ」(幻冬舎文庫)です 「もう一度人生をやり直したい人々の背中に寄り添う『再出発』の物語」というのが謳い文句です

 

          

 

読んだらまた、ブログにアップします

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マスカー二「カヴァレリア・ルスティカーナ」、レオンカヴァッロ「道化師」を観る~新国立オペラ

2014年05月15日 07時01分01秒 | 日記

15日(木)。昨夕、初台の新国立劇場で新国立オペラ、マスカー二「カヴァレリア・ルスティカーナ」とレオンカヴァッロ「道化師」の2本立てを観ました 新国立オペラにおけるこの2つのカップリングによる上演は2004年、2006年に次いで今回が3回目ですが、今回は演出が変わりました

 

          

 

最初に「カヴァレリア・ルスティカーナ」が上演されました。キャストはサントゥッツァにベネズエラ出身のルクレシア・ガルシア、ローラに新国立オペラでお馴染みの谷口睦美、トゥリッドゥにイタリア出身のヴァルテル・フラッカーロ、アルフィオに成田博之、ルチア=森山京子というメンバーです 演奏はレナート・パルンボ指揮東京フィル、新国立歌劇場合唱団。演出はベルギー出身のジルベール・デフロです

舞台はシチリアのある田舎町。サントゥッツァの恋人であるトゥリドゥは昔の恋人ローラとよりを戻す。それに嫉妬するサントゥッツァは、ローラの夫アルフィオに、二人の不倫を密告したため、アルフィオは激怒しトゥリドゥに決闘を申し入れ、トゥリドゥは命を落とす

 

          

 

この「カヴァレリア・ルスティカーナ」は「ヴェリズモ・オペラ」と呼ばれていますが、その特徴はドラマのリアリティにあります それまでの「あり得ない」設定から脱し「等身大の登場人物」「現実味のある題材」によってオペラが作られているということです

前奏曲から入りますが、パルンボの指揮は情熱的で説得力があります 歌手が歌う前に、オケが美しいメロディーを朗々と奏でます。良い演奏です そして舞台にはサントゥッツァ役のガルシア(ソプラノ)とルチア(メゾソプラノ)が登場して歌うのですが、どうも違和感があります この違和感は公演の終了まで続くのですが、その原因はガルシアにあります 体格が良すぎて、オペラのヒロインとしておさまりが悪いのです。声も良いし、歌も良いのですが、あの太った体型は不利です オペラは歌が第一だ、とはいうものの、聴衆は歌手を見ながら歌を聴きますから、外見から受けるイメージは大切です 願わくば、よりダイエットした上で聴くことが出来たらと思います 

フラッカーロは新国立で「アイーダ」「トゥーランドット」「イル・トロヴァトーレ」「オテロ」などで主役級のキャストを務めているので、日本の聴衆に人気がありますが、今回も圧倒的な歌唱力で楽しませてくれました                          

ドラマの中間に「間奏曲」が演奏されますが、何と美しい音楽なのでしょうか 耳を澄ませて聴いているとオルガンの響きが聴こえてきます。それがこの曲の美しいメロディーを下で支えているのではないか(まさに通奏低音)と思いました

 

          

 

25分間の休憩後は、レオンカヴァッロの「道化師」です。最初にトニオ役のヴィットリオ・ヴィテッリが幕の中央から登場して、「作者は人生のひとこまを、事実に着想を得て描こうとしました」と前口上を述べて、幕が開きます そして、客席の両サイドの扉からサーカス団員(に扮した役者)が何人も登場し、ビラを配ったり、逆立ちしたり、バレエを踊ったりしながらステージに上がっていきます。これも演出の一つでしょう

キャストは、カニオに2012年『道化師』カニオでウィーン国立歌劇場にデビューしたグスターヴォ・ポルタ、ネッダにイタリア出身のラケーレ・スターニシ、トニオにイタリア出身のヴィットリオ・ヴィテッリ、ペッペ=吉田浩之、シルヴィオ=与那城敬というメンバーです

旅芝居の座長カニオの妻ネッダは、村の若者シルヴィオと恋人関係にある。トニオの密告で、カニオはネッダとシルヴィオが密会しているところを目撃する カニオは、劇の中で浮気を楽しむネッダの芝居に我慢できず、逆上して芝居と現実の区別がつかなくなり、ついに妻ネッダと恋人シルヴィオを刺し殺す 最後にトニオが観客に向かって「喜劇は終わりました」と言って幕を閉じる

 

          

 

「カヴァレリア」と違って、賑やかな幕開けでオペラが開始されます 舞台は「カヴァレリア」とまったく同じですが、移動可能な小部屋が2つ置かれています

まず、カニオを歌ったポルタは迫真の演技とともに堂々たる歌唱力で楽しませてくれました ネッダ役のスターニシは世界のオペラハウスで歌っているだけあって素晴らしい歌唱力です トニオ役のヴィテッリは脇役ながら重要な役を見事に演じ、歌いました 性格俳優のような人です

午後7時からの公演は途中25分の休憩を挟んで午後10時に終わりました。2つのオペラの間には舞台転換がないのだから、休憩時間をもっと短縮してほしい、と思いながら家路につきました

 

          

 

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METライブビューイング、プッチーニ「ラ・ボエーム」を観る~ミミの代役オポライスにブラボー!

2014年05月14日 07時00分48秒 | 日記

14日(水)。昨日、新宿ピカデリーで、METライブビューイング、プッチーニ「ラ・ボエーム」を観ました キャストは、ミミにクリスティーヌ・オボライス(ソプラノ)、ロドルフォにヴィットーリオ・グリゴーロ(テノール)、ムゼッタにスザンナ・フィリップス(ソプラノ)、マルチェッロにマッシモ・カヴェレッティ(バリトン)ほか 指揮はステファーノ・ランザー二、演出はフランコ・ゼフィレッリです。これは今年4月5日に米メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ映像です

 

          

 

舞台は19世紀パリのカルチェ・ラタン。寒いクリスマス・イヴの夜、詩人のロドルフォとお針子のミミが出逢います。出逢った瞬間に二人は宿命的な恋に落ちます しかし、貧しいロドルフォは自分の力ではミミを幸せに出来ないとして、ウソを言ってミミから離れていきます ミミはロドルフォと別れ伯爵と暮らしますが、病状が悪化して伯爵のもとを離れ、ロドルフォの元に戻ります。しかしもはやミミに生きる力はなく息を引き取ります。ロドルフォはミミの亡きがらにすがりつきます

典型的な悲劇的ラブ・ロマンスです。1896年に巨匠アルトゥーロ・トスカニーニの指揮で初演され、世界中のオペラハウスで繰り返し上演されてきた人気ナンバー・ワンと言っても良いほどの名作オペラです ちなみに「ボエーム」というのは、貧しいながらも自由な生活をおくる「ボヘミアン」のことです

開演にあたり、MET総裁ピーター・ゲルブが舞台に登場、配役交替についてアナウンスします

「皆さん、今日はMETの歴史の中で貴重な体験をすることになります。ミミを歌うことになっていたソプラノのアニータ・ハーティッグから、今朝7時半にメールが届き、『流感に罹り出演出来なくなってしまった。何とかしようと思ったがどうしても歌うことが出来ない』とのことでした 急きょ、昨日同じMETの舞台・プッチーニの『蝶々夫人』で蝶々さんを歌ったクリスティーヌ・オポライスに電話して代役をお願いできないかと頼み、何とか引き受けてもらえることになりました 前日『蝶々夫人』を歌って18時間以内に『ミミ』を歌う歌手はMETの長い歴史の中でオポライスが初めてです どうか、そうした事情をご理解いただき温かい声援をお願いします

これについて、幕間のインタビューでソプラノのジョイス・ディドナードの質問に、オポライスは次のように答えています

「前日『蝶々夫人』を歌いましたが、歌ったその日は興奮していて中々寝付けず、実は朝の5時まで起きていました 朝の8時頃電話で起こされ、『今日、ミミを歌ってくれないか』と頼まれました。最初は断りました(笑)。でも、やらなければならないと思い直し引き受けることにしました。さあ、それからが大変でした。衣装合わせやら、主要場面のおさらいやら、化粧やら、すべてを限られた時間の中でやらなければなりませんでした

本物のプロですね クリスティーヌ・オポライスはラトビア出身の美人ソプラノ歌手です 彼女の歌うアリアを聴いていて、これが本当に昨日「蝶々夫人」を歌って、十分な睡眠をとることも叶わないまま急きょ「ミミ」を歌うことになった歌手の声だろうかと思うほど美しく素晴らしい歌声でした 蝶々夫人として1度死に、18時間後にミミとして2度目に死ぬ役割を演じたオポライスは、今回の代演によってMETの歴史に名を残すことになるでしょう

ただ一つ気になるのは、オペラ公演には必ず、出演者の急な降板に備えて、それぞれの役割にカバー歌手を控えさせているはずなのに、今回はどうしたのか、ということです 考えられるのは、まさかヒロインが降板するとは考えずにオポライスその人をミミのカバーとして登録していたのではないかということです。しかし、これはピーター・ゲルブ総裁と関係者くらいしか分からないことでしょう

 

          

 

ロドルフォを歌ったヴィットーリオ・グリゴーロは1977年イタリア生まれ。前回2010年のMETの「ラ・ボエーム」にロドルフォ役でいきなり主役デビューしました 今回も、まったくムリのない自然な歌い回しの美しいテノールで聴衆を魅了しました

ムゼッタを歌ったスザンナ・フィリップスはアラバマ生まれのソプラノですが、2011年のMET来日公演でもムゼッタを歌ったのを聴きました。伸びのある明るいソプラノです 今やMETのアイドル的な存在になっているようです

さて、この公演の大きな特徴はフランコ・ゼフィレッリの豪華な舞台・演出です 第1幕のディテールにこだわった、まるで本物のような屋根裏部屋の再現、第2幕のカルチェ・ラタンの雑踏のリアルな2階建て舞台と百数十人の登場人物には圧倒されます 2011年の来日公演でも第2幕が開くと拍手が起きました 私も夢にまで見た絢爛豪華な舞台を目の当たりにして感動しました このプロダクションは1981年に制作・上演されてからこれまで400回以上も上演されてきたといいます。本物はいつまで経っても色あせないものですね

2011年の来日公演では、当初アンナ・ネトレプコがミミを歌うことになっていましたが、3.11東日本大震災とその後の原発事故の影響で来日しなくなり、代わりにバルバラ・フリットリが歌いました。この時は心底がっかりしました METライブビューイングでネトレプコの活躍を観て聴いていたので、彼女の歌を聴くために64,000円もの高額なチケットを買ったからです

 

          

                (2011年MET来日公演プログラム表紙)

 

          

            (ネトレプコ他の来日中止と代演を告げる告知文)

METライブビューイング「ラ・ボエーム」の上映時間は2回の休憩を挟んで2時間54分。都心では新宿ピカデリー、東銀座の東劇などで16日(金)まで上映中です

 

          

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カール・ハイヤセン著「これ誘拐だよね?」を読む~最後に笑うのは誰?

2014年05月13日 07時00分48秒 | 日記

13日(火)。カール・ハイヤセン著「これ誘拐だよね?」(文春文庫)を読み終わりました ハイヤセンは1953年、フロリダ生まれ。マイアミ・ヘラルド紙の敏腕記者として犯罪や汚職を報道しました 1986年に「殺意のシーズン」で作家デビュー、以後、ユーモア・ミステリー作家として名を馳せています 個人的には「復讐はお好き?」が非常に面白かったので思わず手に取ってしまいました

 

          

 

主人公は一人のパパラッチ、バン・アボット。彼が決定的瞬間の撮影を狙って追いかけまわしているのはポップ・スターのチェリー・パイことチェリル・ゲイル・バンターマン 彼女はやってはいけないこと(薬とか、もろもろ)を常にやりたがる性癖を持つ放蕩娘 危機感を抱いた両親はチェリーの替え玉を使ってパパラッチを撒こうと考える。ところが、その替え玉である女優志望のアン・デルシアが得体の知れない”正義の老人”(スキンク=元フロリダ州知事!)に誘拐されてしまう と思ったら、次のシーンではアボットに誘拐されてしまう チェリーのマネージャーは何としても奪回すべく作戦を練って実行しようとするが、うまくいかない アボットはチェリーの醜態の決定的な写真を撮ることができるのか?腕に電気草刈り機を仕込んだチェリーのボディガード、ケモが一連の騒動に輪をかけて話を面白くする。さて、最後に笑うのはいったい誰か

よくもまあ、こんな下品でお下劣な話が書けるものだと感心します その中で一つだけ感心するのは、彼がかつて新聞記者として報道してきた自然破壊・都市開発について何気なく反対の態度を示していることです 都市開発を優先して自然を破壊する者がどんなひどい目に会うかを何気に書いています 悪徳開発業者のセベーゴはトランクスの中にウニを入れられ、大事なところに33本の棘が刺さった、と描写されています

500ページ近い長編ですが、物語が進むにつれてだんだん面白さに拍車がかかってきて「んな馬鹿な!」という回数が増えてきます

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「2大クラリネット五重奏曲の世界」、「N響チャリティーコンサート」のチケットを買う

2014年05月12日 21時22分36秒 | 日記

12日(月)。夕方、静岡出張から帰ってきました 昨夕は出張者3人で駅近くの宿泊ホテルから徒歩で10分位のところにある「うまい料理まごころ三六」(駿河区稲川)というお店で夕食をとりました。まず生ビールとウーロン茶で乾杯して、料理を待ちました。

最初はホワイトアスパラと蟹の和え物。抜群の美味しさ

 

          

 

次はゴマ豆腐ウニ乗せ。これがまた絶品

 

          

 

3品目は生シラス。新鮮そのもの

 

          

 

いよいよ刺身。まずはイカ刺とヒラメ 

 

          

 

そしていま収穫不足で高騰しているカツオ。うまい

 

          

 

この辺で、他の二人はウーロン茶で統一。私だけスペイン産赤ワインをフルボトルで注文 抜群の美味しさ、しかも2,000円と格安。これは感動もの

 

          

 

いよいよ鰻屋さんの鰻の登場。蒲焼と白焼きセットで

 

          

 

お口直しに冬瓜と鶏肉ダンゴの煮びたし

 

          

 

そして新鮮な野菜の天ぷら

 

          

 

最後は茶漬け。中に魚の切り身が入っていましたが、これが絶品

 

          

 

ということで、料理は100点満点。とうとう一人でボトル・ワインを空けてタクシーでホテルに戻りました

 

  閑話休題  

 

チケットを2枚買いました 1枚は9月4日(木)午後7時から銀座のヤマハホールで開かれる「2大クラリネットの世界」です。プログラムは①モーツアルト「クラリネット五重奏曲K.581」、②ハイドン「弦楽四重奏曲第39番”鳥”」、③ブラームス「クラリネット五重奏曲」です。演奏はクロード・フォーコンプレ(クラリネット)、クァルテット・エクセルシオです

これはプログラムはもちろんのこと、クァルテット・エクセルシオの演奏が魅力です。全席指定で、一般が4,500円、学生が3,500円です

 

          

 

2枚目は、その翌日の9月5日(金)午後7時からNHKホールで開かれる「N響チャリティーコンサート」です プログラムは①チャイコフスキー「歌劇エフゲー二・オネーギンから”ポロネーズ”」、②プロコフィエフ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、③プッチーニ「歌劇ボエームから”冷たい手を”、”わたしの名はミミ”、”愛らしい乙女よ”」、④チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」です。②のヴァイオリン独奏は大江馨、③のソプラノ独唱は小林沙羅、テノール独唱は宮里直樹、④のピアノ独奏は石井楓子、指揮は尾高忠明です

これは出演者よりもプログラム、特にプロコフィエフの「ヴァイオリン協奏曲第1番」の魅力で選んだコンサートです。チケット代はS席5,000円、A席4,000円、B席3,000円です。これはお買い得コンサートです

 

          

 

コンサートのチラシの束に「抽選で2,000名様ご招待」というコンサートを見つけました 7月26日(土)午後2時から池袋の東京芸術劇場で開かれる「メトロポリス・クラシックス」公演で、名前の通りメトロ文化財団の主催によるものです プログラムは①ワーグナー「楽劇”ニュルンベルクのマイスタージンガー”より第1幕への前奏曲」、②J.シュトラウス2世「皇帝円舞曲」、③スメタナ「モルダウ」、④ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」です。④のピアノ独奏は菊池洋子、梅田俊明指揮東京都交響楽団による演奏です 応募要領は下にある通り。残念ながら私は、すでに別のコンサートの予定が入っているので応募はしません

 

          

          

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