人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」、マーラー「交響曲第1番」を聴く~東京シティ・フィル

2014年05月17日 07時00分32秒 | 日記

17日(土)。昨夕、初台の東京オペラシティコンサートホールで、東京シティ・フィルの第279回定期演奏会を聴きました プログラムは①ブラームス「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」、②マーラー「交響曲第1番ニ長調」で、指揮は宮本文昭、①のヴァイオリン独奏は木嶋真優です 

宮本文昭はケルン放送交響楽団で首席オーボエ奏者を長年務めた経歴があり、木嶋真優は2011年ケルン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝した経歴があることから、今回のコラボが実現したのではないかと推測します

 

          

 

演奏に入る前に、「ケータイ電話やアラーム付腕時計~」というお馴染みのアナウンスに加えて「演奏終了後は、最後の音が鳴り終わるまで拍手はお控えください」というアナウンスがありました 珍しいと思いました 裏を返せば、演奏が終わるや否や”待ってました”とばかりに拍手をする不届き者がこのオケの定期会員にいた(いる)から、あえてアナウンスしたとも言えます

自席は1階21列1番、やや後方の最左端です。オペラシティでシティ・フィルを聴くのは久しぶりです。数年前は定期会員だったのでほぼ毎月このホールで聴いていました 楽員を見渡すと、コンマスの戸澤哲夫氏をはじめ8人くらいの奏者の顔が分かりますが、あとはまったく分かりません オケは、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、後ろにコントラバスというオーソドックスな配置をとります

指揮者の宮本文昭に伴われて、グリーン系のロングドレスに身を包まれた木嶋真優がゆっくりと登場します 小柄な割にドレスの丈が長すぎるようです 宮本の指揮でオケが第1楽章の第1主題を奏でますが、彼はタクトを使いません。そして木嶋のソロが力強く入ってきます 木嶋は上のチラシを見るとアイドル的な顔をしているように見えますが、実際にはもっと大人びた顔つきをしています おとなしそうに見えますが芯は強そうで、それが演奏に現われています。カデンツァは聴きごたえがありました

宮本の指揮姿を見ていると、まるでカンガルーのボクシングを見ているようで、気持ちが落ち着きません この違和感は最後まで続きました。目をつぶって聴くのが最善の方法ですが、そうすると、週末だけに疲れが溜っていて、眠ってしまうのではないか、と恐れて出来ません 彼の指揮を見ながら音楽を聴くのは非常に疲れます。ソリストの木嶋がハンカチを指揮台の端に置いて演奏するのですが、宮本がふんづけないか心配でなりません 幸いハンカチに靴跡のスタンプを押されることは免れたようです

ブラボーと拍手を浴びた木嶋真優はアンコールにクライスラーの「レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース」を鮮やかに演奏し満場の拍手を受けました

休憩時間の間、ホワイエの一角で彼女のサイン会が開かれ長蛇の列ができていましたが、15分しか時間がないので、サインをもらいそこなった人は、全ての演奏終了後に再度並ばなければならないようでした

 

          

 

規模を拡大して編成されたオケがスタンバイ、マーラーの「交響曲第1番」の第1楽章が緊張感を持って開始されます この曲でも彼の指揮姿に違和感を覚え、音楽がすんなりと入ってきません やっと気持ちが落ち着いたのは第4楽章後半でした。マーラーの指示に従って、ホルン8本とトロンボーン2本が立ち上がって演奏します。フィナーレでは宮本の”超高速演奏”の指示に、戸澤コンマスを筆頭に、全楽員が一体となって熱演を展開、曲を閉じました 一瞬のしじまの後、大きな拍手とブラボーが会場を満たしました

宮本は、第3楽で主要テーマを奏でたコントラバス奏者を中央までひっぱってきて聴衆に拍手を求め、次にコントラバス全員を立たせ、次いでチェロ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリン、木管奏者、金管奏者、打楽器の順に立たせて聴衆の拍手を求めました この辺りが、他の指揮者とまったく異なる彼独特の配慮でしょう 普通、木管や金管で目立った働きをした奏者をまず立たせ、次に木管、金管の楽器ユニットごとに立たせ、打楽器を立たせ、最後に弦楽器をユニットごとに立たせます

そもそもこの演奏会はブラームスとマーラーの組み合わせに魅力を感じてチケットを買ったコンサートです 指揮者やソリストは二の次ですが、それにしても宮本の指揮は私にとっては、しっくりと来ません。かつて、山田一雄という日本を代表する指揮者がいましたが、彼は指揮台の上で飛び上がって指揮をしていました。宮本文昭は彼の系譜に連なる指揮者かもしれません。今度、彼の指揮で音楽を聴くときは眠るのを覚悟で目を閉じて聴くようにしたいと思います

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