人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014」第2日目(5/4)の報告①

2014年05月04日 23時32分58秒 | 日記

4日(日・祝)その2。今日「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014」第2日目の公演のうち次の6公演を聴きました

1.公演番号221(10:45~11:30 国際フォーラム・ホールB7)

2.公演番号272(12:45~13:45 よみうりホール)

3.公演番号213(14:00~14:45 国際フォーラム・ホールA)

4.公演番号273(15:00~15:55 よみうりホール)

5.公演番号274(17:15~18:00 よみうりホール)

6.公演番号226(19:30~20:15 国際フォーラム・ホールB7)

 

          

 

ここでは前半の3公演について書くこととします

最初に聴いたのは、午前10時45分から東京国際フォーラム・ホールB7でのブラームスの「ピアノ五重奏曲ヘ短調」で、アダム・ラルーム(ピアノ)とモディリアーニ弦楽四重奏団による演奏です

 

          

 

自席は8列14番、中央左ブロック右通路側です。会場は満席。ラルームとモディリアー二弦楽四重奏団のメンバーが登場、チューニングの後、早速演奏に入ります このクァルテットは2003年にパリ国立音楽院内で結成され、昨年10周年を迎えた若い四重奏団です

ブラームスの「ピアノ五重奏曲ヘ短調」は1864年、作曲者が31歳の時の作品です。ブラームスらしい曲の代表的な曲です 第1楽章を聴いていて思うのは、演奏が洗練されていて重くならないということです いわば上質のワインのような味わいがあります。第2楽章のアンダンテはピアノと弦楽の静かな対話が交わされます

第3楽章に入ろうとする時、左側前方席から「ウフー」という子供の大きな声が聴こえました 第1ヴァイオリンが後ろを振り返って、ニコッと笑顔を見せたかと思うとすぐに向き直り、演奏に入りました さすがだと思いました 非常時にも笑顔で対処し平常心で演奏に集中することができる。素晴らしい心がけです

さて第3楽章スケルツォはこの曲の聴かせどころです。ラルームと4人の弦楽奏者たちは力強くも洗練された演奏で聴衆の耳を引き付けて離しません そして、第4楽章のフィナーレを迎えます

終演後は惜しみない拍手 とブラボーが会場を包み込みました。朝からこの演奏に接することができてラッキーです このコンサートは二重丸です

11時半を過ぎたので、ここで昼食をとっておくことにしました 昨日と同じ和食レストランにしました

 

          

 

次に東京国際フォーラムを出て、有楽町前のビックカメラの最上階にある「よみうりホール」で午後12時45分から開かれるショパンの公演を聴きました プログラムは①チェロ・ソナタ ト短調、②ピアノ三重奏曲ト短調です。演奏はピアノ=ボリス・ベレゾフスキー、ヴァイオリン=ドミトリー・マフチン、チェロ=アンリ・ドマルケットです

 

          

 

自席はP列11番、左ブロック右通路側です。会場は満席。さてここで問題が起きました 何が原因か分かりませんが、演奏開始時間が7分も遅れたのです。なぜ問題かというと、この演奏が終わった後(予定は1時45分)、午後2時までにホールAに駈け付けなければならないからです。時間通りに終わって15分の猶予ですが、これが7分遅れだと8分しか移動時間が無くなってしまうのです 「よみうりホール」とホールAとはかなり距離があります。非常に不安な心境下で演奏を聴かなければならないのです

ベレゾフスキーとドマルケットが登場し、ショパン「チェロ・ソナタ」の演奏に入ります。ショパンはピアノの次にチェロが好きだったそうですが、好きでなければこのような名曲は出来ないでしょう ベレゾフスキーは巨艦なのでピアノが小さく見えます。2人は「やっぱり、ショパンは男のロマンだよな」とでも言いたげな堂々たる演奏を展開しました ここで1時26分。次の「ピアノ三重奏曲ト短調」を最後まで聴くことが出来るのか・・・・・・不安を抱いて、ヴァイオリンのマフチンを加えた3人の演奏家を迎えます

演奏中も時間が気になって仕方がありません。第3楽章が終わった時点でまさに1時45分 会場のあちこちで椅子を立つ音が聴こえます。迷っているうちに第4楽章が始まってしまいました こうなったらもう覚悟して聴くしかありません。結局終演は1時52分、まさに最初に後れを取った分延長になりました 拍手もそこそこに会場を飛び出して、幸いすぐに来たエレベーターに乗って1階まで下り、ホールAを目指して走りまくりました 同じ境遇のご同輩が何人かいたので心強いことこの上なかったことを告白しておきます 息が上がって席に着くと開演1分前でした

 

          

 

午後2時からホールAでブラームスの「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」を聴きました 演奏はヴァイオリン=イェウン・チェ、ドミトリー・リス指揮ウラル・フィルです

 

          

 

自席は1階11列12番、左ブロック右通路側です。会場は1階後方の席が空いています。ウラル・フィルのメンバーが登場します オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという配置をとります。1988年ソウル生まれのイェウン・チェが臙脂色のドレスで指揮者リスとともに登場します リスのダイナミックな指揮でブラームスのヴァイオリン協奏曲ニ長調の第1楽章が開始されます チェは非常に落ち着いており、理知的でクールな演奏をします。自分がソロで弾いていない時は、片手でヴァイオリンを下げて下を向いてじっと出番を待ちます。余計な行動はありません 第1楽章のカデンツァは思わず聴き惚れてしまいました。第2楽章のアダージョは見事でした。チェは自然体で美しいメロディを奏でていきます

終演後、チェがリスに何やら語りかけています。「素晴らしいオーケストラのバックのお陰で良い演奏が出来ました」「いえいえ、あなたのソロこそ素晴らしかったですよ」と語り合っているように見えました

全体を通して、チェの演奏は、これ見よがしのパフォーマンスに溢れた演奏の対極にある自然体の演奏スタイルで、自分の力だけを信じて演奏に集中しているように見受けられます 本当に素晴らしい若手演奏家の出現です。この人も二重丸です

この後、再度よみうりホールに移動して午後3時からのコンサートを聴くのですが、後半3公演は明日のブログに書くことにします。眠いし

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「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014」~第1日目(5/3)の報告②

2014年05月04日 08時35分50秒 | 日記

4日(日・祝)。昨夕「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」第1日目の公演のうち前半3公演について書きましたが、今回は後半の3公演について書くことにします。まだ「報告①」を読んでいないよい子はそちらを先に読んでね

 

          

 

午後4時から東京国際フォーラム・ホールB7で、ルートヴィヒ・チェンバープレイヤーズの演奏によりベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」を聴きました メンバーはヴァイオリン=白井圭、ヴィオラ=ヤニス・リーバルディス、チェロ=横坂源、コントラバス=弊陸太朗、ホルン=ヴォルフガング・ヴィプフラー、ファゴット=ハンノ・ドネヴェーグ、クラリネット=ディルク・アルトマンという面々です

自席は8列14番、中央左ブロック右通路側。会場は満席です 拍手の中、メンバーが登場します。向かって左に弦楽器、右に管楽器が並びます。どうやらほぼセンターに位置するチェロとコントラバスだけが椅子に座り、他のメンバーは立って演奏するようです

この曲は大好きな曲なので楽しみにしていました コンマスを務める日本人の白井圭が主導して第1楽章に入ります。アダージョからアレグロに移るところなど、もうたまりません 第2楽章のアダージョ・カンタービレは至福の音楽です。第3楽章ではホルンが2度ほどちょっと引っかかりましたが、第4楽章で名誉挽回しました この楽章と次の第5楽章の弦楽器と管楽器の対話はいつ聴いても良いですね ベートーヴェンというと小学校の音楽教室に飾られたイカツイ顔のイメージがありますが、そのイメージを払しょくする明るく楽しい曲です 最後の第6楽章は、アンダンテからゆっくり入りますが、途中で一気にテンポアップしてプレストでフィナーレを迎えます。演奏者たちはノリノリです 素晴らしい曲を素晴らしい演奏で聴くほど幸せなことはありません

次の公演まで時間があるので軽く食事をとることにしました 地上広場に屋台村ができているので、あのB級グルメ・チャンピオンに輝いた「富士宮焼きそば」を食べることにしました。注文したのは目玉焼きのせ焼きそばですが、何と600円もしました。荒稼ぎと言うのはこういう商売を言うのでしょう

 

          

          

 

開演時間が近づいたのでホールAに移動して午後6時5分からチャイコフスキーの音楽を聴きました プログラムは①イタリア奇想曲、②ヴァイオリン協奏曲ニ長調で、演奏はヴァイオリン=ジュヌヴィエーヴ・ロランソー、アレクサンドル・スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団です

 

          

 

自席は1階22列68番、前方ブロックと後方ブロックのちょうど境目の右側ブロックの左通路側です。5000人収容の大ホールがほぼ満席です。オケのメンバーが登場します

第1ヴァイオリン最前列の女性が後ろの演奏者に何か声をかけています。どうやら、2曲目のヴァイオリン協奏曲でソリストが立つスペースを空けて椅子が設置されていて、指揮台との距離が離れすぎているから前にずらそうという相談のようです 結局、4人だけが椅子を前にずらし、何事も無かったかのようにコンマスを迎えます オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢をとります

チューニングが終わり、指揮者のスラドコフスキーが登場します。ロシアを中心に活躍している体格の良い人です。彼のタクトで1曲目の「イタリア奇想曲」が開始されます 私はまともにこの曲を聴くのは初めてです。冒頭の金管楽器によるファンファーレから、チャイコフスキーの魅力が溢れています 曲は全体としてロシア人から見たイタリアの印象という感じの曲想です 小曲ながらメロディ・メーカー、チャイコフスキーの本領が発揮された作品です。オケはその魅力をたっぷりと聴かせてくれました

次いで、椅子が元に戻され、指揮者とともに、ソリストのロランソーが白を基調とする緑の花模様を配した爽やかなドレスで登場します ロングヘアを後ろで束ねて演奏しやすいスタイルにしています。また、多くの女性ソリストがやるようにハンカチを持参して指揮台の上に置いたりすることはありません。ハンカチは持っていません。この辺りから、この人の演奏に対する姿勢が見えてきます 大画面で観ても彼女の年齢は不詳ですが、40代くらいでしょうか。美人です 現在トゥールーズ・キャピタル管弦楽団のソロ首席ヴァイオリン奏者を務めているとのことです

私はヴァイオリン協奏曲の中ではこの曲が一番好きです。3つの楽章から成りますが、どの楽章も聴きどころが満載です ロランソーは1682年製のストラディヴァリウスを駆使して難曲に挑みます。高音部も低音部も明確に響きわたり、曲の魅力を十分に引き出していました

終演後は5000人の拍手を受け、何度もステージに呼び戻されていましたが、オケのメンバーが座らずに手や弓で拍手をしてソリストを立てていたのを見て、微笑ましく思いました。しつけの良いオケです

 

          

               (エスカレーターでB7に向かう人たち)

 

再びホールB7に戻り、午後7時半からシューマンの音楽を聴きました プログラムは①ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調、②ピアノ五重奏曲変ホ長調で、演奏はピアノ=クレール・デゼール、弦楽=フォル・ジュルネ・カメラ―タです。そのメンバーはヴァイオリン=正戸里佳、クレモンス・ドゥ・フォルスヴィル、ヴィオラ=コランタン、チェロ=オーレリアン・パスカルです

 

          

 

ヴァイオリンの正戸里佳が淡いピンクのドレスで、ピアノのデゼールがブルーのシルクのブラウスで登場します 背の高いデゼールと小柄な正戸が対照的です

1曲目のシューマン「ヴァイオリン・ソナタ第1番」は、1851年にわずか4日間で書き上げたといいます モーツアルトじゃあるまいし、と思いますが本当のようです。2人は楽章にある指示どおり、情熱的に生き生きと演奏しました 正戸里佳の演奏は初めて聴きましたが、今後、彼女のプロフィールにはLFJでデゼールとシューマンを演奏したという記録が付け加えられることでしょう

2曲目は「ピアノ五重奏曲」です。正戸が第1ヴァイオリンを務めます。デゼールの躍動するピアノに呼応して若者たちが若さ溢れる演奏を聴かせてくれました

 

          

 

今日は午前10時45分からホールB7でのブラームスから午後7時半から同会場でのフォーレまで6つの公演を聴きます 多分、また2回に分けてアップすることになるでしょう

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