人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「モイツァ・エルトマン(Sp)+グザヴィエ・ドゥ・メストレ(Hp)」デュオ・リサイタルを聴く~透明な声

2014年05月01日 07時00分42秒 | 日記

5月1日(木)。今日から5月。月日の流れは速いですね 昨夕。東京オペラシティコンサートホールで、ソプラノのモイツァ・エルトマンとハープのグザヴィエ・ドゥ・メストレの「デュオ・リサイタル」を聴きました エルトマンはドイツ出身のソプラノで絶対音感の持ち主 一方、メストレは2010年までウィーン・フィルでソロ・ハーピストを務め、現在ソロやサンサンブルで活躍中の男性ハ―ピストです

自席は1階6列9番、エルトマンを間近で見たいので出来るだけ前の席を取りました 会場は3階席までほぼ満席。ステージ中央にはハープがデンと構えています。エルトマンはハープを伴奏に歌ったことがなく今回が初公開とのこと

拍手の中、エルトマンがグリーン系のドレスでメストレとともに登場します 第1部はシューベルトの歌曲とオペラのアリアを中心に組んでいます。最初にシューベルトの歌曲から6曲歌いましたが、3番目に歌うはずだった「死と乙女」は「乙女」に差し替えられました。プログラムの解説は「死と乙女」に重きを置いて書いているので肩すかしを食った感じです

 

          

 

メストレの伴奏によって1曲目、シューベルトの「男なんてみな悪者」がコミカルに歌われます 次いで「至福」、「乙女」が歌われ、やっと私も知ってる「野ばら」が歌われました 次に「月に寄せて」、「糸を紡ぐグレートヒェン」が歌われましたが、メストレのハープの伴奏がピッタリはまっていました とくに感心したのは「糸を紡ぐグレートヒェン」での糸車が回る描写です。エルトマンの悶えるような歌い振りと相まって素晴らしい演奏になりました

ここで、ソプラノを休ませるため、メストレのハープ・ソロによりモーツアルト「ピアノ・ソナタ第16番ハ長調K.545」が演奏されました 第1楽章が終わったところで拍手が起こり、メストレは苦笑い。落ち着いて第2楽章に移りました。ハープによるK.545もなかなかイケます

ところで、プログラムのK.545の曲目解説に「人口に膾炙した一曲である」という記述がありました。「この読み方と意味を書きなさい」という問題がどこかの大学入試で出されそうですね

再度エルトマンが登場、モーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」からスザンナのアリア「さあ早く来て、いとしい人よ」が歌われました。これを聴いていて、彼女がオペラで歌っているところを是非観たいと思いました 次いでベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」より「ああ幾度か」が歌われました。彼女の声は特に高音がきれいです

休憩後の第2部はリヒャルト・シュトラウスの歌曲とオペラのアリアを中心に組んでいます。エルトマンがお色直しして登場。今度はベージュ系のシックなドレスです 最初にR.シュトラウスの歌曲から「ひどい天気」、「万霊節」、「私の思いのすべて」、「何もなく」、「あなたは私の心の王冠」、「セレナーデ」が歌われました 中でも「万霊節」が曲自体の魅力もありますが、心に響きました また、「セレナーデ」におけるメストレのハープは特筆すべきものがありました

ここで、エルトマンの喉を休めるため、ハープ・ソロでスメタナの「我が祖国」より「モルダウ」が演奏されました 多分メストレが編曲したのでしょうが、素晴らしい演奏でした。とても両手だけで演奏しているとは思えないほど、多様な音が聴こえてきました

再度エルトマンが登場、ヴェルディの歌劇「リゴレット」よりジルダのアリア「慕わしき人の名は」、サリエーリの歌劇「ダナオスの娘たち」より「あなたの娘が震えながら」、プッチーニの歌劇「ジャン二・スキッキ」よりラウレッタのアリア「私のいとしいお父さん」が歌われました ますます、彼女がオペラで歌っているところを観てみたいと思いました

鳴り止まない拍手とブラボーに、二人はアンコールを2曲、リヒャルト・シュトラウス「3つの歌」から「ときめく心」とシューベルト「万霊節の連祷」を歌いました。彼女の声はまさに”クリスタル・ヴォイス”です あらためて、振り返ってみると、彼女の歌の特徴は”抑制のきいた歌唱”ではないか、と思います。高音部の難しいパッセージも声を張り上げるようなことはありません。よくコントロールされた美しい歌声です

 

          

 

エルトマンは下のCDジャケットの写真を見る限り、ちょっと少女っぽいイメージがありますが、実際に見る彼女は魅力的な大人の女性です 終演後はサイン会がありましたが、私は前回のリサイタルの時にサインをもらったので今回は遠慮しました

さて、先ほどの入試問題の答えです 「人口に膾炙した一曲」とは、「じんこうにかいしゃしたいっきょく」と読み、「広く世人に好まれ、話題に上って知れ渡る一曲」という意味です(広辞苑より)。たまにはtoraブログも役に立つでしょう?

 

 

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする