人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「真夏のバッハⅥ:大木麻里パイプオルガン・リサイタル」を聴く ~ フェスタサマーミューザ参加公演

2021年08月02日 07時14分09秒 | 日記

2日(月)。わが家に来てから今日で2396日目を迎え、鳩山由紀夫元首相が1日、自身のツイッターを更新、東京都の新型コロナウイルスの感染者が5日連続で3000人を超える高水準になったことを受けて、「東京のコロナ感染者が五輪を行えば増えると予想された以上に急増している」とし、菅義偉首相と小池百合子都知事を痛烈に批判した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     自身が総理だった時を振り返って  自信をもって首相と都知事を批判できるのか?

     

         

 

昨夕、ミューザ川崎シンフォニーホールで、「フェスタサマーミューザ」参加公演、「真夏のバッハⅥ:大木麻里パイプオルガン・リサイタル」を聴きました 全てヨハン・セバスティアン・バッハ(1685‐1750)の作品によるプログラムで、①「前奏曲とフーガ  ハ長調」BWV545、②「シュープラーコラール集」から「目覚めよ、と我に呼ばわる物見らの声あり」BWV645,③「イタリア協奏曲」BWV971(C.クロンブ編)、④「カンツォーナ  ニ短調」BWV588、⑤「トッカータ  ホ長調」BWV566,⑥カンタータ「満ちたれる安らい、うれしき魂の悦びよ」BWV170,⑦「管弦楽組曲第3番ニ長調」BWV1068から「アリア」(S.カルク=エラート編)、⑧「半音階幻想曲とフーガ  ニ短調」BWV903(M.レーガー編)です

演奏は①~⑧のパイプオルガン=大木麻里、⑥のカウンターテナー=村松稔之、オーボエダモーレ=佐竹真登、ヴァイオリン=高橋奈緒、鈴木崇洋、ヴィオラ=吉田篤、チェロ=竹澤秀平、チェンバロ=廣澤麻美です

大木麻里は静岡県出身。東京藝大大学院修士課程修了。リューベック国立音楽大学、デトモルト音楽大学に留学し、満場一致の最優等で国家演奏家資格を取得して卒業 内外のオルガンコンクールに入賞しています 2018年4月からミューザ川崎シンフォニーホール・ホールオルガニストを務めています

 

     

 

自席は1C8列32番、センターブロック右通路側です 舞台後方のP席と舞台左右の2階席、そして3階席には客を入れていません。1階席と2階センターブロックを中心に結構な客が入っています

大木麻里が2階正面のパイプオルガン席に向かい、1曲目の「前奏曲とフーガ  ハ長調」BWV545の演奏に入ります 華やかで迫力のあるオルガンの音が身体に響いてきます この時、私はにわかクリスチャンになっています

演奏後、大木はマイクを持って、「今夜のプログラムは全てバッハの作品ですが、①オリジナルのオルガン作品、②別の楽器の作品をオルガン用に編曲した作品、③オルガンを含むアンサンブルの作品ーという3つの柱を立てて企画しました 前半は独奏オルガンで、後半は一部管弦楽を交えて演奏します」と解説しました

2曲目は「シュープラーコラール」から「目覚めよ、と我に呼ばわる物見らの声あり」BWV645です この曲はカンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声あり BWV140」の第4曲が原曲です 大木はゆったりしたテンポで演奏を進めますが、トランペットの音色のリード管による演奏が重なり、インパクトを与えます

3曲目は「イタリア協奏曲」BWV971(C.クロンブ編)です この曲はクラヴィーア(鍵盤楽器)のために書かれましたが、現在ではピアノやチェンバロで演奏される機会が多くなっています 私は初めてパイプオルガンでこの曲を聴きましたが、普段グレン・グールドやアンジェラ・ヒューイットなどのピアノで聴いている身からすると、テンポ感が若干遅めで、時にもどかしさを感じる箇所もありました

その点、次の「カンツォーナ  ニ短調」BWV588はテンポ感よりも優雅さが前面に出た作品のようで聴きやすかったと思います

プログラム前半の最後は「トッカータ  ホ長調」BWV566です 北ドイツの作曲家・オルガニストのブクステフーデのスタイルを意識して作曲されたとのことですが、華麗な前奏曲に続いて堂々たるフーガが大きなスケールで演奏され、多彩な音色が楽しめました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はカンタータ「満ちたれる安らい、うれしき魂の悦びよ」BWV170です この曲だけカウンターテナーと管弦楽が入ります ステージ上は、左後方にパイプオルガンのリモートコンソール(オルガン操作卓)が、右後方にチェンバロが控え、前に左からオーボエ・ダモーレの佐竹、ヴァイオリンの高橋、鈴木、ヴィオラの吉田、チェロの武澤という並びです そして、中央手前にカウンターテナーの村松稔之がスタンバイします プロフィールを見たら「東京藝大大学院修士課程を首席で修了。2017年三枝成彰喜劇『狂おしき真夏の一日』(ユウキ)、2020年井上道義 ✕ 野田秀樹『フィガロの結婚』(ケルビーノ)」と書かれていたので、「ああ、あの時の彼か」と思い出しました   どちらの公演のパフォーマンスも良い印象を持ちました   ヴィオラの吉田氏は藝大フィルハーモニアの首席ヴィオラ奏者です。また、チェロの武澤秀平は新日本フィルのチェロ奏者でしたが、かなり前に退団し、その後バッハ・コレギウム・ジャパン等の古楽器オケで何度か見たことがあります かつての青年も中年の域に達したように見受けられました。普段どうしているのだろうか

オーボエ・ダモーレの甘美な演奏から入ります 「愛のオーボエ」とはよく名付けたものです。弦楽器の音を聴く限り、羊の腸を捻ったガット弦を使用していると思われますが、武澤のチェロはエンドピンで立っています 古楽器なら又に挟んで演奏しますが、普通のチェロと同じように弾きます。恐らくガット弦に張り替えているのだと思います

村松稔之は、アリアとレチタティーヴォを5曲歌いましたが、ノンヴィヴラートによる透明感のあるカウンターテナーが会場の隅々まで染み渡りました 大木麻里とのトークを聴いていると会話にそつがなく、音楽家として、その前に一人の人間として、とても魅力と能力のある人だと思いました 2022年のドイツ・エアフルト歌劇場でのデビューが決まっているとのことですが、いずれ、帰国してバッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとしてデビューを果たすのでしょう。将来が楽しみな人財です

次に「管弦楽組曲第3番ニ長調」BWV1068から「アリア」(S.カルク=エラート編)が大木のオルガン独奏で演奏されました リモートコンソールの鍵盤が客席から見えるように設置されたのが良かったと思います この曲はゆったりしたテンポで演奏されますが、それでも大木の足の動きを見ていると両手だけではなく両脚も使って全身で演奏していることが良く分かりました

脚で思い出しましたが、若かりし頃、1年間のフルート教室の発表会を終えた後、2~3か月間、新宿のヤマハ・エレクトーン教室に通いました Y.M.Oの「ライディーン」とか、いい気になって流行りの曲を弾いていましたが、先生から「明日から脚に入ります」と言われ、次の日から通うのを止めました 両手だけで精いっぱいなのに、両手両脚を使って演奏するなんて私には出来ましぇん 今となっては懐かしい思い出です そういえば、私の先生は朝日新聞社の読者サービス室長の娘さんでした。今頃どうしているだろうか

最後に「半音階幻想曲とフーガ  ニ短調」BWV903(M.レーガー編)が大木のオルガン独奏により力強くも華麗に演奏され、多彩な音色のもと宇宙的な広がりを感じさせました

アンコールは、大木の伴奏で村松がバッハ/グノー「アベ・マリア」を美しいカウンターテナーで歌い上げ、満場の拍手を浴びました 「真夏のバッハ」は毎年聴いていますが、外れがありません 今回もとても充実したコンサートで、十分楽しむことが出来ました 来年も是非聴きたいと思います

 

     

     


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