人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

林真理子著「小説8050(はち・まる・ごー・まる)」を読む ~ 子どもがイジメに遭ったとき、親はどう対処すべきかを問う問題作

2024年06月13日 01時18分47秒 | 日記

13日(木)。わが家に来てから今日で3439日目を迎え、韓国軍合同参謀本部は11日、北朝鮮の軍人約20人が9日午後0時半ごろ、南北の軍事境界線を一時的に侵犯したため、警告放送と警告射撃を実施したところ、軍人らは北朝鮮に引き返したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     本当は 脱北目的で 道に迷ったふりをして 韓国の領土に入りたかったんじゃない?

         

昨日、夕食に「タラのアクアパッツァ」「生野菜とアボカドのサラダ」「トマトスープ」を作りました アクアパッツアはタラよりアサリの方が存在感がありますね

     

         

林真理子著「小説8050(はち・まる・ごー・まる)」(新潮文庫)を読み終わりました 林真理子は1954年山梨県生まれ。1982年にエッセイ集「ルンルンを買っておうちに帰ろう」が大ベストセラーになる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で直木賞、95年「白蓮れんれん」で柴田錬三郎賞を受賞したほか、数々の文学賞を受賞 「不機嫌な果実」「平家物語」ほか著書多数

     

本書は2021年4月に新潮社から単行本として刊行、2024年5月に文庫化されました

本書のタイトルにある「8050(はち・まる・ごー・まる)」は、言うまでもなく、80代の親が50代の子供の生活を支えるという現代社会の深刻な問題を表しています ただし、本書は「80代の親が50代の子供の生活を支える」ことを内容とした小説ではありません

主人公の大澤正樹は50代の歯科医で、妻と優秀な長女、そして中学時代から7年間自室に引きこもっている20代の息子がいます 近所で起きた事件をきっかけに、このままでは自分たちの将来は「8050問題」そのものを体現することになってしまうと、深刻に考えるようになります 厳しい中学受験を勝ち抜き、難関の中高一貫進学校に合格したはずの息子は、なぜ登校を拒否し自宅に引きこもるようになったのか・・・。妻からは、息子が引きこもったのは正樹が『医師になれ』と過度の期待をかけ過ぎたからだと非難され、結婚を控えた娘からは弟を何とかしてほしいとクレームを言われる そんな中、正樹は果たして自分は父親として息子に正面から向き合ってきただろうかと自問し、仕事にかまけて息子のことを理解しようとしてこなかったと自覚します そして、あるキッカケから 息子が中学時代にイジメに遭っていたことを知り、7年前に息子を虐めていた同級生を相手に裁判を起こすことを決意します 幸いイジメ問題に明るい若い弁護士に巡り合え、7年前の事件でも訴訟を起こすことは可能であることを確認し、息子の心を少しずつ開かせながら訴訟に向けて準備を進め、息子は法廷で証言台に立ちます

この小説のテーマは、自分の子どもがイジメに遭っていると知った時、親としてどうすべきかということです 本作では裁判で勝訴した後、記者会見が開かれますが、正樹は記者から「全国の、不登校に悩んでいる多くの親御さんに伝えたいことはありませんか?」という質問に対し、次のように答えています

「子どもを信じて、お前を守ってやれるのは世界中でお父さんとお母さんだけなんだと言い続けてください いじめは簡単に解決出来ることじゃありません。裁判はお金も時間もかかりました。ですが、真実はわかったんです 息子は、自分が悪いわけではなかったと確信を得ました。私たち親子はそれで充分だったんです・・・」

要するに、イジメに対しては「覚悟を決めて子どもと一緒に戦え」ということです この小説の若い弁護士の言葉を借りれば「裁判で負けてもいい。親が自分と一緒に戦ってくれていることを自覚してくれることが大事」なのです

本書は500ページの大書ですが、ページをめくる手が止まらず、あっという間に読み終わりました 子どものイジメ問題に悩まされている親御さんはもちろんのこと、広くお薦めします

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