人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

原田慶太楼 ✕ 反田恭平 ✕ NHK交響楽団でスクリャービン「ピアノ協奏曲」「交響曲第2番」「夢想」を聴く ~ N響6月度Aプロ定期公演

2024年06月10日 00時01分10秒 | 日記

10日(月)。わが家に来てから今日で3436日目を迎え、韓国政府は、北朝鮮が8日夜から9日にかけ、再びゴミをぶら下げた風船を飛ばしたことを受け、いわゆる「宣伝放送」を再開することを決めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     韓国側のビラ・DVD風船対北朝鮮側のゴミ風船の戦いが 放送対ゴミに進化する?

         

昨日、NHKホールでN響6月度Aプロ公演を聴きました オール・スクリャービン・プログラムで ①夢想 作品24、②ピアノ協奏曲 嬰へ短調 作品20,③交響曲第2番 ハ短調 作品29の3曲です  演奏は②のピアノ独奏=反田恭平、指揮=原田慶太楼です

原田慶太楼は1985年東京生まれ。インターロッケン芸術高校音楽科で指揮をフレデリック・フェネルに師事。2006年21歳の時にモスクワ交響楽団を指揮してデビュー 2020年シーズンからアメリカ・ジョージア州サヴァンナ・フィルの音楽&芸術監督に就任。2021年4月から東京交響楽団正指揮者、2024年4月から愛知室内オーケストラの首席客演指揮者兼アーティスティック・パートナーを務めています

     

オケは16型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスは郷古廉です

1曲目はスクリャービン「夢想 作品24」です この曲はアレクサンドル・スクリャービン(1872-1915)が1898年に作曲、同年12月17日にロシアのサンクトペテルブルクで初演されました

原田の指揮で演奏に入ります 冒頭はクラリネットとフルートのアンサンブルから入りますが、全体を通して幻想的な音楽が展開しました

2曲目はスクリャービン「ピアノ協奏曲 嬰へ短調 作品20」です この曲は1897年に作曲、同年10月23日に作曲者自身のピアノによりオデッサ(当時ロシア領)で初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグロ・モデラート」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の反田恭平は1994年札幌市生まれ、東京育ち。2021年第18回ショパン国際ピアノコンクール第2位 モスクワ音楽院、ショパン国立音楽大学で学ぶ。2019年にレーベルを、2021年にはオーケストラの株式会社を設立し、指揮とピアノで活躍しています

弦が14型に縮小し、原田の指揮で演奏に入ります 小室敬幸氏のプログラム・ノートによると「ショパンの影響を受けている」作品ということですが、それほど大きな影響は受けていないように思います 例えば「エチュード 嬰ニ短調 作品8-12」などは ほとんどショパンと言っても良いほどショパン的ですが、この協奏曲はすでにスクリャービン独特の世界が確立しているように思います 反田は28歳の若きスクリャービンの意欲を感じさせるロマンティシズム溢れる演奏を繰り広げ、聴衆を魅了しました

満場の拍手に反田は、ショパン「マズルカ第34番 ハ長調 作品56-2」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はスクリャービン「交響曲第2番 ハ短調 作品29」です この曲は1901年に作曲され、1902年1月25日にサンクトペテルブルクで初演されました 第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「テンペストーソ」、第5楽章「マエストーソ」の5楽章から成ります なお、第1楽章と第2楽章、第4楽章と第5楽章が続けて演奏されます

弦が16型に戻り、原田の指揮で第1楽章に入ります 冒頭は低弦をバックに伊藤圭のクラリネットが重心の低い演奏を展開します 中間部では神田寛明のフルートが主題を奏でます 印象的だったのは第3楽章におけるフルートによる鳥の鳴き声です N響首席の名人芸が聴かれました 第4楽章は一転、激しい闘争のような嵐のような音楽が展開します 何度か打ち込まれるティンパニの強打はベートーヴェンの田園交響曲を意識しているのだろうか 第5楽章はトランペット、トロンボーン、テューバなど金管楽器の咆哮が闘争後の勝利の音楽のように響き、壮大なフィナーレを飾りました

この日聴いた3曲は24歳から30歳にかけて作曲された初期の作品で、「神智学」や「神秘和音」といった小難しい理論を反映した後期の曲とは異なり、比較的聴きやすい作品でした

原田による「オール・スクリャービン・プログラム」は、どうしても保守的になりがちなN響のラインナップに一石を投じる意欲的な試みで、素晴らしいと思います

満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されます 今シーズン最後のAプログラム2日目公演ということで、楽員を代表してコントラバスの矢内陽子さんから原田氏に花束が贈呈されました

     

     

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