人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シャルル・デュトワ ✕ 新日本フィルの公開リハーサルを見学する ~ 「ペトルーシュカ 」&「ダフニスとクロエ」第2組曲から / 葵トリオでベートーヴェン、フォーレ、スメタナの「ピアノ三重奏曲」を聴く

2024年06月07日 00時01分53秒 | 日記

7日(金)。わが家に来てから今日で3433日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は5日、欧米諸国はウクライナに兵器を供与することで「非常に深刻かつ危険な措置」を取っていると警告し、ロシアから欧米の敵国に兵器を供給する可能性もあると示唆した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     北朝鮮から武器を輸入しているほどなのに そんな余裕があるとはとても思えないね

 

         

昨日、夕食に「豚肉と茄子の重ね蒸し」「生野菜とアボカドのサラダ」「シメジの味噌汁」を作りました  「豚肉~」は初めて作りましたが、紫蘇を乗せると一段と美味しいです

     

         

昨日、午前10時半からすみだトリフォニーホールで新日本フィル「第657回定期演奏会」の公開リハーサルを見学し、午後7時からサントリーホール「ブルーローズ」で葵トリオ「ピアノ三重奏の世界:第4回」を聴きました

新日本フィルの公開リハ―サルは10時30分から12時45分まで、15分の休憩を挟んで正味2時間でした 指揮はシャルル・デュトワです

開場時間の10時ジャストにホールに着くと、すでに長蛇の列が出来ていました さすがはデュトワ人気です 許可された座席は1階席15列目以降のため、1階17列28番、右ブロック左から2つ目をかろうじて確保しました

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び   ステージ下手にはピアノの阪田知樹がスタンバイします コンマスは崔文洙、隣は西江王子というダブルトップ態勢を敷きます

10時半ジャストにデュトワが指揮台に上がり、演奏に入ります    リハーサルの曲目は当日まで知らされていなかったので、演奏が始まって初めて知りました ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」です 最初に曲の途中からリハーサルが始まりましたが、特にこだわりをもって練習したのは木管楽器です クラリネット、フルート、オーボエなどは、曲を止めてはパートごとに演奏させます 同じパートでも一人一人別々に演奏させ、最後に揃えて吹かせたり、最初に遅いテンポに落として吹かせ、次にテンポを上げて吹かせ、最後に正しいテンポによりパート全員を揃えて演奏させたりしていました これは木管楽器に限らず、弦楽器も金管楽器も同じような方法で進めました このように、デュトワのリハは極めて細かく、納得いくまで繰り返し練習を求める厳しいものでした

1時間経過したところで15分の休憩が入り、11時45分からリハーサルが再開されました 「ペトルーシュカ」の続きです 最初の10分程度は途中で止めることなく演奏を進めましたが、その後は、前半と同様、かなり細かくパートごとに練習を求めていました 一番驚いたのは、サスペンデッド・シンバルの練習です 打楽器奏者が1度バチで叩いて音を出すと、デュトワは首を振り「その音は違う」という合図を送ります 奏者が別のバチに代えて叩くと、またも首を振り「やはり違う」と合図を送ります 別の打楽器奏者も総動員でいろいろとバチを変えて試していましたが、どうやら満足のいく音がでなかったようです 本番までに対策を講じることになるでしょう フィナーレの部分を終えて、12時27分頃からラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲のリハーサルに入りましたが、オーボエセクションを繰り返し練習、弦楽セクションのアンサンブルを仕上げ、予定通り12時45分に公開リハーサルを終了しました

正味2時間のリハーサルを見学して感じたのは、デュトワのリハーサルは極めて緻密で、まるで精密な設計図に沿って建造物を造り上げていく建築のようだということです

本番は8日(土)と11日(火)の2日間ですが、パトロネージュ部・西さんの話によると両日ともチケットは完売とのことです 私は11日のサントリー公演を聴きに行きますが、本番が楽しみです

     

         

午後7時からサントリーホール「ブルーローズ」で、「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」参加公演「葵トリオ『ピアノ三重奏の世界:第4回』」を聴きました   プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 作品11 ”街の歌”」、②フォーレ「ピアノ三重奏曲 ニ短調 作品120」、③スメタナ「ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15」です

葵トリオはヴァイオリン=小川響子(名古屋フィル・コンマス)、チェロ=伊東裕(都響首席)、ピアノ=秋元孝介の3人で構成されています ミュンヘン国際音楽コンクール優勝以来、内外で演奏活動を展開しています 3人とも東京藝大出身で、サントリーホール室内楽アカデミー第3期(~第4期)修了生です なお、葵(あおい)トリオの命名は3人の名前の頭文字を取ったものです

     

自席はLb9列12番、左ブロック最後列の1列前の右端です。会場はほぼ満席です    

1曲目はベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 作品11 ”街の歌”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1797年に作曲しました なお、 ”街の歌”という愛称は、当時ウィーンで流行っていた宮廷楽長ヨーゼフ・ヴァイグルのオペラ「船乗りの愛または海賊」のアリア「仕事の前に」のメロディーを、この曲の第3楽章のトリオに採用したことに因んでいます また、この曲は元々クラリネットとチェロ、ピアノのための三重奏曲でしたが、クラリネットの代わりにヴァイオリンで演奏されることも多い作品です 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグレット・コン・ヴァリアツィオー二」の3楽章から成ります

作曲当時27歳だったベートーヴェンの意欲を感じさせる溌溂とした演奏が展開しました 特に第3楽章の愉悦感に満ちた演奏が印象的でした

     

2曲目はフォーレ「ピアノ三重奏曲 ニ短調 作品120」です この曲はガブリエル・フォーレ(1845-1924)が1922年から23年にかけて作曲、1923年にパリで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」の3楽章から成ります

この曲では第1楽章から小川のヴァイオリンを中心にフォーレらしい浮遊感に満ちた演奏が繰り広げられました 第2楽章では伊東のチェロが良く歌っていました 第3楽章では秋元のピアノが雄弁に語っていました 3人の躍動感あふれる演奏でフォーレらしい華やかなフィナーレを飾りました

     

プログラム後半はスメタナ「ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15」です この曲はベドジフ・スメタナが1855年に作曲、同年11月にプラハで初演されました 第1楽章「モデラート・アッサイ」、第2楽章「アレグロ・マ・ノン・アジタート」、第3楽章「フィナーレ:プレスト」の3楽章から成ります

小川のヴァイオリンによる悲痛の極みとでも言うべき衝撃的な演奏で開始され、「これは只事ではないぞ」と思いました しかし、そればかりではなく、時に明るさも見え、希望が残されていることが窺えます 第2楽章は実質的にスケルツォだと思われます 第3楽章は高速のアグレッシブな演奏により輝かしいフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、3人はアンコールにマルティヌー「ピアノ三重奏曲第1番”5つの小品”より第2楽章を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました 鳴りやまない拍手に3人は、ラヴェル「ピアノ三重奏曲イ短調」より第2楽章を色彩感豊かに演奏し、聴衆を歓喜の渦に巻き込みました

さて、この日、ステージには3人の演奏者のほかにもう一人のプロがいました それはピアニストの後方で控えていた譜めくりの女性です 1歩、2歩と前に進み、左手で譜面を瞬時にめくり、1歩、2歩と”後ろを見ずに”戻り、静かに腰を下ろす。この動作を繰り返すわけですが、私は最初から最後まで彼女の動作に釘付けになっていました 5月25日(土)夜のNHKテレビ「突撃!カネオ君」のオーケストラ特集で紹介された「譜めくりのプロ」その人でした なぜ彼女だと分かったかというと、譜めくりの後で”後ろを振り返らずに下がり”椅子に腰かけたからです 彼女の一連の所作はとても機能的で美しく見えました 葵トリオの素晴らしい演奏とともに、譜めくりのプロの所作が見られたことが、この日の大きな収穫でした

     

本日、toraブログのトータル閲覧数が880万 P V を超えました( 8,801,245 PV。トータル訪問者数は 2,853,419 IP )。これもひとえに普段からご訪問下さっている読者の皆さまのお陰と感謝しております これからも1日も休むことなく根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする