人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン フィナーレ2024」を聴く / 新国立劇場オペラ研修所「サマー・リサイタル2024」のチケットを取る

2024年06月17日 00時01分20秒 | 日記

17日(月)。7月25日(木)午後6時半から新国立劇場・小劇場で開かれる新国立劇場オペラ研修所「サマー・リサイタル2024」のチケットを取りました 新国立劇場や世界のオペラハウスで主役級を務める中村恵理をはじめ多くの歌手がこの研修所の出身者です この日出場の若い歌手の中にも将来の中村恵理がいるかもしれません

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3443日目を迎え、7月7日投開票の東京都知事選で、政治団体「NHKから国民を守る党(NHK党)」が企てている「掲示板ジャック」が物議を醸している中、立花孝志党首(56)は16日、自身のユーチューブでこの計画に対する狙いを説明し「何も悪いことはしていない」と主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     選挙掲示板の候補者スペースを切り売りするのは 強欲政治集団のエゴだ 恥を知れ!

         

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」フィナーレ2024を聴きました プログラムは①モーツアルト「弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458 ”狩”」より第1楽章、②ブラームス「ピアノ三重奏曲第2番 ハ長調 作品87」より第2楽章、③中村匡寿「ミミック」~バルトーク「中国の不思議な役人」のモチーフによる(世界初演)、④ポルヌ「ビゼー『カルメン』の主題による華麗な幻想曲(フルートとハープによる)」、⑤ラヴェル「序奏とアレグロ」、⑥マルティヌー「ピアノ三重奏と弦楽オーケストラのための協奏曲」、⑦エルガー「ピアノ五重奏曲 イ短調 作品64」より第2楽章、第3楽章、⑧三瀬和朗「暁月夜」(三味線とチェロによる)です

     

自席はLb9列12番、左ブロック右端です。会場はほぼ満席です

1曲目はモーツアルト「弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458 ”狩”」より第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1784年11月に完成した作品です 演奏は2021年東京藝大2年在学中に結成したカルテット・インフィニート(Vn:落合真子、小西健太郎、Va:菊田萌子、Vc:松谷壮一郎)です 「インフィニート」とは「無限」を意味するそうです

第1ヴァイオリンの落合さんを中心に、溌溂とした演奏が繰り広げられました 無限の可能性を秘めたカルテットです

2曲目はブラームス「ピアノ三重奏曲第2番 ハ長調 作品87」より第2楽章「アンダンテ・コン・モート」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1880年から82年にかけて作曲し、1882年12月にブラームス自身のピアノによりフランクフルトで初演されました 演奏は2021年桐朋学園大学在学中に結成したポルテュス・トリオ(P:菊野惇之介、Vn:吉村美智子、Vc:木村藍圭)です。「ポルテュス」とはラテン語で「港」を意味するそうです

3人のバランスが良く、円熟期のブラームスの渋い味わいが良く表れた演奏で、とても好感が持てました

3曲目は中村匡寿「ミミック」 ~ バルトーク「中国の不思議な役人」のモチーフによる(世界初演)です この曲は中村匡寿(なかむら ただひさ)が三味線奏者の本條秀慈郎から委嘱を受けて作曲した作品です 演奏はヴァイオリン=渡辺玲子、三味線=本條秀慈郎です 渡辺玲子はヴィオッティ、パガニーニ両国際ヴァイオリンコンクールで最高位入賞の実力者 本條秀慈郎は三味線を本條秀太郎に師事。桐朋学園芸術短期大学で学ぶ

スケルツォ風のリズム中心の作品ですが、ヴァイオリンと三味線との超絶技巧による丁々発止のやり取りは新鮮かつ刺激的で、三味線の無限の可能性を感じさせました

拍手の中、作曲者の中村匡寿氏がステージに呼ばれ、満場の拍手を浴びました

4曲目はポルヌ「ビゼー『カルメン』の主題による華麗な幻想曲(フルートとハープによる)」です この曲はフランソワ・ポンヌ(1840-1920)がビゼーの「カルメン」(1875年初演)をもとに、フルートとピアノのために書いた作品ですが、今回はピアノの代わりにハープで演奏されます 演奏はフルート=セバスチャン・ジャコ―(ベルリン・フィル首席)、ハープ=吉野直子です

ビゼーの歌劇「カルメン」第1幕のカルメン登場シーンの音楽がハープによって演奏され、ホセのアリアやカルメンのアリア「ハバネラ」などが演奏されますが、優雅なハープに乗せて奏でられるフルートが天翔けます 迫力のあるフルートは、ブルーローズではホールが小さすぎたかもしれません

5曲目はラヴェル「序奏とアレグロ」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1905年に作曲しました 演奏はフルート=セバスチャン・ジャコ―、クラリネット=吉田誠、ハープ=吉野直子、弦楽四重奏=ヴォーチェ弦楽四重奏団(Vn:コンスタンス・ロンザッティ、セシル・ルーバン、Va=ギヨーム・べケール、Vc=アルチュール・ユエル)です 

ハープの吉野を中央に配し、下手にクァルテット、上手に木管2人がスタンバイします

吉野が華麗なハープを奏で、弦楽四重奏と木管が華を添えるといった趣で、曲はさながらハープ協奏曲です 名手たちの名人芸が堪能できました

     

プログラム後半の1曲目はマルティヌー「ピアノ三重奏と弦楽オーケストラのための協奏曲」です この曲はボフスラフ・マルティヌー(1890-1959)が1933年に作曲しました 第1楽章「ポーコ・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:アレグレット」、第4楽章「モデラート・ポーコ・アレグロ」の4楽章から成ります 演奏は葵トリオ(Vn:小川響子、Vc:伊東裕、P:秋元孝介)、弦楽合奏=チェンバーミュージック・アカデミー・アンサンブル、指揮=浦部雪です

葵トリオがステージの手前にスタンバイし、後方をチェンバーミュージック・アカデミー・アンサンブルが固めます 第1楽章では小川響子のヴァイオリンがよく歌います 第2楽章では伊東裕のチェロが抒情的な演奏を繰り広げます 第3楽章では秋元孝介のピアノが冴え渡ります 第4楽章はまるでバロック音楽の「コンチェルト・グロッソ」そのものの曲想・スタイルです

マルティヌーの音楽は滅多に聴く機会がありませんが、この曲は十分楽しめました

2曲目はエルガー「ピアノ五重奏曲 イ短調 作品64」より第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アンダンテ ~ アレグロ」です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1918年に作曲しました   演奏はVn=原田幸一郎、池田菊衛、ヴォイラ=磯村和英、チェロ=毛利伯郎、ピアノ=練木繁夫です

原田、菊田、磯村の3人は、言うまでもなく世界的な活躍を見せて一世を風靡した「東京カルテット」のメンバーです この3人と毛利、練木は「サントリーホール室内楽アカデミー」の講師を務めています 葵トリオ(2018年ミュンヘン国際音楽コンクール第1位)、クァルテット・インテグラ(2022年ミュンヘン国際音楽コンクール第2位および聴衆賞)、ほのカルテット(2023年大阪国際室内楽コンクール第2位)など若く優秀な室内楽奏者を輩出してきました

第2楽章のアダージョは何と慈愛に満ちた演奏でしょうか 言葉にならないほど素晴らしい演奏です 第3楽章はアレグロに移るとエネルギッシュな演奏が展開します 先生方による模範演奏でした

最後の曲は三瀬和朗「暁月夜(あかときづくよ)」(三味線とチェロによる)です この曲は三瀬和朗(みせ かずお:1947~)が万葉集の歌「しぐれ零る暁月夜紐解かず 恋ふらむ君と居らもしものを」を題材に三味線とチェロによる曲として作曲したものです 演奏は三味線=本條秀慈郎、チェロ=堤剛です

演奏は、チェロと三味線による「トレモロ」のような特殊奏法によって開始されます この曲も前半のヴァイオリンと三味線による「ミミック」と同じように、超絶技巧による丁々発止の演奏が繰り広げられ、ただただ唖然とします 三味線ってこういうこともできるのか、という驚きです この2つの演奏を聴いて、われわれは古典的なクラシックばかり聴いていないで、たまには”同時代(現代)のクラシック”も聴くべきではないか、と反省しました ベートーヴェンだって、マーラーだって、作曲した当時は”現代の音楽”だったのですから

終演後、作曲者の三瀬和朗氏がステージに呼ばれ、満場の拍手を浴びました

午後2時から始まったコンサートは途中20分間の休憩を挟んで、4時50分に終了しました 正味2時間半のコンサートは聴きごたえがありました これで今年のチェンバーミュージック・ガーデンも終わりです 今年は「葵トリオ」と「フィナーレ」の2公演しか聴きませんでしたが、特に若い人たちの演奏を聴く良い機会なので、来年も楽しみにしたいと思います

     


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