人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

高関健 ✕ 東京シティ・フィルでスメタナ:連作交響詩「わが祖国」(全曲)を聴く ~ フェスタサマーミューザ参加公演

2021年08月01日 07時25分00秒 | 日記

8月1日(日)。コロナ禍で猛暑のもと 東京オリンピックが継続するなかで、油断する暇もなく8月に突入してしまいました 来週の今ごろはどうなっているでしょうか? 1カ月後はどうなっているでしょうか? まったく読めません

昨日で7月も終わったので、例によって3つの目標の7月の達成状況についてご報告します 

①クラシック・コンサート=16回、映画鑑賞=9本、読書=5冊でした ただし読書はまだ最後の1冊をブログにアップしていません   16+9+5=30ということで、計算上は1か月の間、3つの目標のうちどれかをこなしていたことになります

ということで、わが家に来てから今日で2395日目を迎え、米司法省は30日、トランプ前大統領の納税申告書を含む財務記録について、下院歳入委員会への開示を内国歳入庁に指示した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     情報開示される前に  共和党の議員たちは トランプから距離を置いた方が良くね?

    

         

 

昨日、ミューザ川崎でフェスタサマーミューザ参加公演、東京シティ・フィルのコンサートを聴きました プログラムはスメタナ:連作交響詩「わが祖国」(全曲)です この曲はべドジフ・スメタナ(1824‐1884)が1869年頃から構想し、1872年から1879年にかけて作曲した全6曲から成る交響詩です 第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」、第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」、第3曲「シャールカ」、第4曲「ボヘミアの森と草原から」、第5曲「ターボル」、第6曲「ブラニーク」です

 

     

 

本番前のプレトークに登場した高関氏は、高校2年の時(1972年)に購入したという「わが祖国」の分厚いスコアブックを片手に、「わが祖国」について次のように語りました

「中学生の時にヴァ―ツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルの来日公演を聴いて大感激し、それ以来指揮者になったら必ず振りたいと思い続けてきた曲です その後、コシュラー指揮新日本フィルの演奏に感激しました そして1998年に新日本フィル指揮者になった直後に初めて振り、2003年札幌響指揮者になったときも、2015年に東京シティ・フィル常任指揮者に就任し最初の定期演奏会でも取り上げた特別な曲です」と語りました

さて本番です。会場は8割方埋まっているでしょうか。よく入りました そういえば、開演直前に2階ホワイエに 蝉らしき生物が飛来しましたが、第4機動隊は無事 確保したのでしょうか?  このハプニングは本日のセミファイナルだったのでしょうか

弦楽器は12型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスは戸澤哲夫です

第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」はボヘミア王国を代表する城です 高関氏の指揮で演奏に入ります。冒頭、吟遊詩人を現す2台のハープがテーマを奏でますが、ボヘミアの古の物語の始まりを告げるのに相応しい抒情性に満ちた素晴らしい演奏でした

第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」はプラハ市内を流れる大河です 冒頭の2本のフルートによる源泉が湧き出るような演奏が素晴らしく、ホルンやトランペット等は大河となって流れる広大なモルダウをダイナミックに表現していました 弦楽器の渾身の演奏が光りました

第3曲「シャールカ」はプラハ北東にある谷の名前ですが、伝説の猛女の名前でもあります 失恋の痛みを男性に復讐することで晴らそうとしたシャールカは、騎士たちを酒で酔わせ、ホルンの合図で女性軍を集めて、騎士たちを皆殺しにしたという物語です 個人的にはこの曲が一番興味深く聴けました 高関氏は速いテンポによる集中力に満ちた演奏を展開します とくに面白かったのは、酒を飲まされた騎士たちが鼾をかいていると(ファゴットのボー、ボーという音)、ホルンの合図で女性軍が集まり、シャールカ(クラリネットが演奏)が率いる女性軍が騎士たちに襲い掛かるという「音による物語絵巻」のシーンです まるで映画音楽のような印象を受けました

 

     

 

20分休憩後の最初は第4曲「ボヘミアの森と草原から」です 田園風景の中で、農民たちが収穫を祝い、ポルカを踊る様子が描かれています この曲で一番印象に残ったのは、ヴァイオリン ⇒ ヴィオラ ⇒ チェロへと受け継がれるフーガ調の音楽です。ここではシティ・フィルの繊細で緻密なアンサンブルが遺憾なく発揮されました

第5曲「ターボル」と第6曲「ブラニーク」は、チェコのフス派信徒たちの英雄的な闘いを賛美した作品です 「ターボル」はフス派の拠点となっていたボヘミア南部の街の名で、フス派の歌う讃美歌が取り入れられています    切れ目なく続く「ブラニーク」はボヘミア中部の山の名で、そこにはフス派の英雄たちが眠っています

この両曲では、とくにオーボエ、フルート、クラリネット、ファゴットといった木管楽器群、そして金管楽器群の演奏が際立っていました    弦楽器について高関氏は、プレトークで「本当はもっと大規模な編成でやりたかったが、コロナ感染症対策の要請から小規模編成になる」旨を話していましたが、12型で十分だと思いました     シティ・フィルの弦楽器群は鉄壁な力を持っています

弦楽器、管楽器、打楽器の総力を挙げてのフィナーレは圧巻でした 高関氏がこれまで節目節目で演奏してきた「わが祖国」ですが、東京シティ・フィルとは2期(満6年)が経過し 3期(7年目から3年間)に入り、東京シティ・フィルとの絆をいっそう深めるコンサートになったと思います

今から10年後、某国の有名オーケストラの常任指揮者に就任した高関健氏が、現地のテレビ局のインタビューに「私にとっての『わが祖国』は東京シティ・フィルです」と応える日が来るかもしれません

 

     

     


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