人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

エリアフ・インバル ✕ 東京都交響楽団でブルックナー「交響曲第9番ニ短調」(2021-22年SPCM版・第4楽章付き)日本初演を聴く ~ 都響 第1000回定期演奏会

2024年06月05日 00時01分33秒 | 日記

5日(水)。わが家に来てから今日で3431日目を迎え、トランプ前米大統領は、フロリダ州の私邸で4月に開催した晩餐会で、参加した石油産業の経営者らに対し、自身をホワイトハウスに返り咲かせるために10億ドル(約1570臆円)を献金すれば、バイデン大統領による環境関連の規制や政策を 就任直後に速攻で撤回し、新たな規制を阻止すると約束したとワシントン・ポストが報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     私利私欲のトランプを大統領にすれば 地球の環境破壊が急激に進行するのは明らか

 

         

昨日、夕食に「鮭の西京焼き」「生野菜サラダ」「ワカメの味噌汁」を作り、「真鯛の刺身」と一緒にいただきました 魚はヘルシーでいいですね

     

         

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1000回定期演奏会Bシリーズ」を聴きました プログラムはブルックナー「交響曲第9番 ニ短調 WAB109」(2021-22年SPCM版・第4楽章付き)日本初演です 指揮は都響桂冠指揮者エリアフ・インバルです 「SPCM版・第4楽章」とは、二コラ・サマーレ、ジョン・A・フィリップス、ベンヤミン=グンナー・コールス、ジュゼッペ・マッツーカの4人の頭文字を取った「SPCM」により研究されてきた改訂の最新ヴァージョンです

この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1887年から94年にかけて第3楽章まで作曲、未完のまま1903年2月11日にウィーンで初演されました その後、2021から22年にかけてSPCM版第4楽章が完成し22年11月30日に初演されました 第1楽章「荘厳に、神秘的に」、第2楽章「スケルツォ:動きをもって、生き生きと」、第3楽章「アダージョ:ゆっくりと、荘厳に」(以上:ノヴァーク版)、第4楽章「フィナーレ:神秘的に、速すぎずに」(SPCM版)から成ります

改訂者の一人、ジョン・A・フィリップスの解説によると、「ブルックナーがフィナーレ楽章のために書き残した490ページの手稿譜の中にはオーケストラ・スコアが存在し、最初の3つの楽章に劣らない完成された内容になっていた フィナーレの約3分の1は完璧に仕上げられており、その他にインク書きの弦楽器スコアや、インクもしくは鉛筆書きによる管楽器の重要な出だし部分が残されている 非常に残念なことだが、ブルックナーの死後に彼のアパートを訪れた人々は、他の手稿譜とともにこのスコアのバイフォリオを何枚も持ち去ってしまった」とのことです

     

エリアフ・インバルは1936年エルサレム生まれの88歳 これまでフランクフルト放送響首席指揮者、ベルリン・コンツェルトハウス管首席指揮者、フィニーチェ劇場音楽監督、チェコ・フィル首席指揮者などを歴任。都響には1991年に初登場以来、2回にわたるマーラー・ツィクルスを挙行し大成功に導くなど、大曲を中心に指揮をとり好評を博している

「完売」とのことで、文字通りほぼ満席です 休憩がないので開演前の男子トイレに列ができていました

オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという並び コンマスは山本友重、隣は水谷晃というダブルトップ態勢を敷きます

     

これまで慣れ親しんできた第1~第3楽章を聴いた印象としては、都響の自慢の分厚い弦楽セクションと重厚な管楽器を中心にスケールの大きな演奏が展開しました インバルの指揮はエネルギッシュで、都響の面々をグイグイ引っ張っていきます 本当に88歳か と疑問に思うほど精力的な指揮ぶりでした    全体的にテンポは速く弛緩するところは全くありませんでした ちなみに私の時計では 第1楽章=約22分、第2楽章=約11分、第3楽章=約22分で合計=約55分でした 参考までに、同じノヴァーク版によるバーンスタイン指揮ウィーン・フィルの演奏(1990年録音)は 第1楽章=約27分、第2楽章=約12分、第3楽章=約27分で合計=約66分となっています

     

さて、問題は第4楽章です インバルの指揮で演奏に入りますが、冒頭から違和感を感じました 第3楽章までの流れの延長線上に乗っていないように思いました いわば”音のパッチワーク”のように断片と断片をムリに繋ぎ合わせて曲を組み立てている感じです その感覚は後半で第1楽章のテーマが回想される箇所まで続きました それ以降はフィナーレに向けて大管弦楽による音の大伽藍を構築するようなスケールの大きな音楽が繰り広げられ、ブルックナーらしさが感じられました この楽章は約18分で、トータルでは約73分でした

ということで、日本初演だった第4楽章の一部には疑問を感じたものの、演奏自体はインバル ✕ 都響らしい重心の低い重量感に溢れたスケールの大きな演奏でした

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、スタンディングオベーションも見られました

     

     

コメント
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