人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

中国の原発も大量のトリチウムを垂れ流している ~ 中国はどう答えるのか? / 誉田哲也著「オムニバス」を読む ~ 姫川玲子シリーズ文庫最新刊短編集

2023年09月08日 05時29分27秒 | 日記

8日(金)。日経夕刊に連載の東大特任教授・中川恵一氏のコラム「がん社会を診る」が6日付の記事で、福島第1原子力発電所の多核種除去設備(ALPS)処理水の海洋放出と中国政府の対応を取り上げています 内容を超略すると次の通りです

「東京電力は、トリチウム以外の放射性物質を国の定めた放出基準以下とし、ALPSでも取り除けないトリチウムも安全基準の40分の1未満まで薄めて海洋に放出するとしていた 実際のトリチウム濃度は、安全基準の3~4百分の1近くまで希釈されていることが確認された(8月26日時点)。放出地点から2~3キロメートル離れると濃度は周辺の海水と同程度になることも分かった 放出された水を毎日2リットル飲み続けても年間の被ばく量は自然被ばく(約2ミリシーベルト)の千分の1あまりなので、全く問題にならない。海洋放出が環境や人体に与える影響は無視できるレベルだといえる 国際原子力機関(IAEA)も海洋放出にはお墨付きを与えているが、IAEAのレビューチームは世界11か国の専門家から構成され、その中には中国の専門家も含まれている チームは2年にわたり何度も来日し、6つの報告書を発表するなど丁寧にレビューを実施している。海洋放出の環境への影響は無視でき、国際的な基準に合致している、と最終的な報告書をまとめている しかし、放出が始まった8月24日、中国政府は日本産の水産物の輸入を全面的に停止すると発表した 香港も中国に追随した。22年の水産物輸出額は前年比3割増の3873臆円で、中国は871臆円、香港は755臆円を占めるので影響は甚大だ 中国の原発も大量のトリチウムを海洋放出している。21年の放出量は広東省・陽江原発で約112兆ベクレル、福建省・寧徳原発で約102兆ベクレル、遼寧省・紅沿河原発で約90兆ベクレルに上る これに対し福島第1原発の放出総量は年22兆ベクレル未満に抑える計画なので、科学的議論だけで簡単に解決する問題でないことが分かる 科学的で透明性のある情報を国際社会に広く発信し続けることが何よりも大切である

中川教授の示す一連の数値が正しいとすれば、中国は日本よりも圧倒的に多いトリチウムを海洋放出していることになります

新聞報道によると、インドネシアで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席した中国の李強首相は「核汚染水の排出は世界の海洋生態環境や人々の健康に関わる」と主張したといいます そうであれば、日本以上に『核汚染水の排出』を行っている中国こそ非難されるべきではないのか これについて中国はどう答えるのか 海洋放出が行われて以降、日本の大使館や日本人学校に物が投げ込まれたり、全国の役所に多くの中国語の電話がかかってきて、放出について一方的に非難して業務を妨害したという事件が起こりました この背景には、中国・習近平政権が、停滞する経済や拡大する若者の失業の実態から国民の目をそらさせ、日本を非難するのを黙認しガス抜きをしているというのが大方の見方です こういうやり方が、いかにも強権主義国家・中国を思わせます 「日本産の水産物の輸入を全面的に停止する」という措置は科学的な根拠によるものではなく、日本に対する政治的な圧力であることは明らかです こんなことばかりやっている限り、中華思想で世界制覇を狙う覇権主義・強権主義国家の「中国」は、「小国」には成れても「大国」には成れないのです これは面積だけが広い小国ロシアとよく似ています

ということで、わが家に来てから今日で3160日目を迎え、文部科学省は7日、宗教法人の「報告徴収・質問権」による調査(500項目以上の質問)に対して回答のない項目が100項目以上あったとして、世界平和統一教会(旧統一教会)に行政罰の「過料」を科すよう求める通知を東京地裁に郵送した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     教会は反発しているようだが 解散して任意団体として税金を払って活動すればいい

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のから揚げ」と「豆腐とオクラの味噌汁」を作りました 唐揚げは2週間に1度のローテで いつもは金曜日に作っていますが、コンサートの関係で1日繰り上げました  鶏は180度で2度揚げしていますが、時間の目安は 小さ目のは3分 ✕ 2度,大き目のは4分 ✕ 2度です これを失敗すると固すぎたり、逆に半生になったりするので難しいです    今回はとても美味しく出来ました

 

     

 

         

 

誉田哲也著「オムニバス」(光文社文庫)を読み終わりました 誉田哲也は1969年、東京都生まれ。学習院大学卒。2002年に「妖(あやかし)の華」で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。2003年には「アクセス」で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞 主な著書に「ストロベリーナイト」「ソウルケイジ」「ジウ」シリーズ(全4巻)などがある

 

     

 

本書は警視庁捜査一課の刑事・姫川玲子を主人公とするシリーズの記念すべき10冊目で、「シンメトリー」「インデックス」に続く3冊目の短編集です 「それが嫌なら無人島」「六法全書」「正しいストーカー殺人」「赤い靴」「青い腕」「根腐れ」「それって読唇術?」の7つの物語から成ります

「それが嫌なら無人島」:葛飾区青戸のマンションで女子大生が殺された 被疑者とされた男はすでに別件で本所署に勾留されていた 刑事・勝俣に呼び出された玲子は、本所の案件には触るなと強要される それでも玲子は捜査を進める

「六法全書」:五日市署内で自死した男の家から女性の腐乱死体が発見され、姫川班の刑事たちは特捜に入る。身元不明の女性と男の関係は? 姫川班の中松巡査部長は、姫川の突拍子もない発想と迷いのない行動力を目の当たりにする

「正しいストーカー殺人」:ストーカーがストーキングした女性に殺されたという これが本当の「ストーカー殺人」か? 玲子は、ストーカーとの関係を語ろうとしない女性から、殺害までの顛末を探り出す

「赤い靴」:「男を殺した」と若い女性が自首してきた 彼女の自宅には供述通り男の死体があった しかし、死因は彼女の供述とは食い違っていた 玲子は年上の部下・日野利美とともに背景には何があるのかを探る

「青い腕」:前作で自首してきた若い女性は自称ケイコだったが、身の上については語らなかった 死んだ男とはどんな関係だったのか? 玲子は身元が明らかになった男の母親を訪ね、息子とケイコはどんな関係にあったのか尋ね、複雑な関係を解きほぐす

「根腐れ」:覚醒剤所持で自首してきた売れっ子女性モデルの取り調べを頼まれた姫川は、なぜ彼女が自首してきたのか裏の事情を探る 背景には彼女の妹のトラブルが絡んでいたことを突き止める

「それって読唇術?」:玲子は東京地検の武見に行きつけのバーに呼び出される 玲子は「これはデートなのか?」と勘繰るが、どうやら違うようだ 玲子は「武見さんにとって、一番堪えられないことは何ですか?」と問いかける。彼は苦い過去を語り始める、という話で 事件は起こりません

いつもながら、玲子と彼女に振り回される部下の菊田たちとの軽妙な会話が楽しい「オムニバス=乗り合いバス」の7編です

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