人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

サッシャ・ゲッツェル ✕ ネマニャ・ラドロヴィチ ✕ 東京都交響楽団でベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、コルンゴルト「シンフォニエッタ」を聴く~都響B定期演奏会

2023年09月09日 01時03分23秒 | 日記

9日(土)。わが家に来てから今日で3161日目を迎え、タス通信によると、ロシアのドミトリー・ぺスコフ大統領報道官は7日、インドで9~10日に開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会談にプーチン大統領がオンラインでも参加する予定はないと記者団に語り、ビデオメッセージを出す予定もないとした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ウクライナでの戦果はないし 北朝鮮の金ちゃんとの密談があるし 独裁者は辛いね

 

         

 

昨日、夕食に「アスパラ、ベーコン、ジャガイモ炒め」「生野菜とツナのサラダ」「冷奴」「白舞茸の味噌汁」を作りました アスパラは細いので焦げてしまいましたが、美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第981回Bシリーズ定期演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」、②コルンゴルト「シンフォニエッタ  ロ長調 作品5」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=ネマニャ・ラドロヴィチ、指揮=サッシャ・ゲッツェルです

指揮者サッシャ・ゲッツェルはウィーン生まれ。ウィーン国立歌劇場でヴァイオリン奏者として活躍 小澤征爾から指揮者のフェローシップとしてタングルウッド音楽祭に招かれた後、指揮を名教師・ヨルマ・パヌラに師事 現在、フランス国立ロワール管音楽監督、ソフィア・フィル首席客演指揮者、カナダ・ナショナル・ユース管音楽監督を務めています

 

     

 

ネマニャ人気でしょうか、会場は結構な客入りで女性客が多いように感じます

オケは12型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは山本友重です

1曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)がアン・デア・ウィーン劇場のコンマス兼指揮者として活躍していたフランツ・クレメントのために1806年11月から12月23日までの短期間で作曲、同年12月23日に同劇場で初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド / アレグロ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏のネマニャ・ラドロヴィチはセルビア生まれ。ドイツのザールランド音楽演劇大学、セルビアのベオグラード芸術大学で学んだ後、14歳で渡仏 15歳でパリ国立高等音楽院に入学し、パトリス・フォンタナローサに師事。さらにクレモナでサルヴァトーレ・アッカルドに学ぶ 2003年にハノーファー国際コンクールをはじめ5つのコンクールで第1位を獲得するなど受賞多数

ネマニャとゲッツェルが登場しステージ中央に向かいます ネマニャは背が高く、髪は長く、顎鬚をたくわえ、まるでレゲエのミュージシャンのような風貌です

 

     

 

ゲッツェルの指揮で第1楽章が開始されます ネマニャの演奏はオーバーアクションですが、出てくる音は弱音重視のナイーブな音楽です 10年ぐらい前でしょうか、「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」で彼の演奏(多分ヴィヴァルディ)を聴いた時は、同じオーバーアクションでも出てくる音が派手で、まるでエンタテインメントのようだと思ったものです しかし、このベートーヴェンは、曲の性格もあってか、大人しく感じます そんなことを考えていたら、楽章の末尾でフリッツ・クライスラーによるカデンツァがアグレッシブに弾かれ、やっぱりネマニャだな、と思いました 第2楽章はかなり遅いテンポで開始され、ネマニャのソロもそのテンポを維持し、高音部の美しいソロを披露しました 第3楽章は一転、軽快なテンポによる演奏が展開しました 強弱のアクセントが明確なメリハリのある演奏が繰り広げられましたが、終盤の速いテンポのカデンツァはネマニャらしい情熱的な演奏でした

満場の拍手にカーテンコールが繰り返され、ネマニャはヤドランカ・ストヤコヴィッチ「あなたはどこに」をしみじみと切々と演奏、再び大きな拍手に包まれました

休憩時間には女性用トイレに長蛇の列ができました

 

     

 

プログラム後半はコルンゴルト「シンフォニエッタ  ロ長調 作品5」です この曲はエーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)が1911年から12年8月まで作曲、1913年11月30日にウィーン楽友協会大ホールでワインガルトナー指揮ウィーン・フィルにより初演されました 何と15歳の時の作品です 第1楽章「流れるように、陽気な活力をもって」、第2楽章「スケルツォ:モルト・アジタート、速く情熱的に」、第3楽章「モルト・アンダンテ(夢みるように)」、第4楽章「フィナーレ:悲愴に ~ アレグロ・ジョコーソ」の4楽章から成ります

オケは14型に拡大し、ステージ下手にはハープが2台、チェレスタがスタンバイします

コルンゴルトは好きな作曲家ですが、今回初めてライブを聴くので、CDを10回ぐらい聴いて予習し、少なくともメロデイーは頭に叩き込んでおきました

 

     

     

 

CDを聴いて予習している時から感じ、今回ライブで聴いてあらためて思ったのは、「この曲は本当に15歳の少年が作曲したのか」ということです 評論家の父ユリウス・レオポルト・コルンゴルトは、生まれてきた子にモーツアルトの名前にちなんだ「ウォルフガング」を付け、エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルトと名付けたわけですが、モーツアルトの父親はレオポルト・モーツアルトだったわけですから、ほとんど親子そろってモーツアルト家の由緒ある名前を付けたことになります そして、息子のウォルフガングは父親の期待通り”早熟の天才”として活躍したことになります

ゲッツェルの指揮で演奏に入りますが、全楽章を通じて思ったのは、曲想としてはリヒャルト・シュトラウスのような「ロマン派の最後を飾る」ロマンティシズム溢れる音楽ではあるが、コルンゴルト特有の抒情性を備えた作品であるということです

このゴージャスなサウンドはどこかで聴いた覚えがあります それは現代のハリウッド映画の音楽です コルンゴルトは1934年に演出家マックス・ラインハルトに誘われ、ナチスから逃れるためアメリカに亡命します。そして「海賊ブラッド」(1935)、「風雲児アドヴァーズ」(1936)、「ロビンフッドの冒険」など映画音楽を手がけることになります それが現代のジョン・ウィリアムズの「スターウォーズ」「未知との遭遇」につながっていくのです

ゲッツェル ✕ 都響によるゴージャスな演奏を聴きながら、ジョン・ウィリアムズの宇宙的に広がる映画音楽を思い浮かべました ゲッツェルは精力的な指揮で都響からアグレッシブな演奏を引き出しました

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