人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

高関健 ✕ 荒井英治 ✕ 東京シティ・フィルでリゲティ「ルーマニア協奏曲」「ヴァイオリン協奏曲」、バルトーク「管弦楽のための協奏曲」を聴く~第363回定期演奏会

2023年09月02日 01時11分38秒 | 日記

2日(土)。わが家に来てから今日で3154日目を迎え、トランプ前米大統領は31日、2020年の米大統領選で敗北した南部ジョージア州の結果を覆そうとしたとして同州フルトン群の地区検察に起訴された13の罪状について文書で無罪を主張し、9月6日に他の被告と共に予定されていた罪状認否には出廷しないとした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     出廷して余計なことを口走り 罪状を増やすことを恐れて 弁護士が止めてんじゃね

 

         

 

昨日の夕食は大学時代の友人S君が送ってくれた「ヒラメをムニエル」にして、「生野菜サラダ」「冷奴」「味噌汁」と一緒にいただきました   ムニエルはご覧の通り、無残にも形が崩れてしまいましたが、これは全長30センチもあるヒラメをフライパンで裏返す時、あまりの大きさに一部がついていけず剥がれてしまったためです 肉厚で食べ応えがあり、とても美味しくいただきました

 

     

 

         

 

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第363回 定期演奏会」を聴きました プログラムは①リゲティ「ルーマニア協奏曲」、②同「ヴァイオリン協奏曲」、③バルトーク「管弦楽のための協奏曲」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=特別客演コンマス・荒井英治、指揮=常任指揮者・高関健です

 

     

 

拍手の中、楽員が配置に着きます オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置をとります コンマスは戸澤哲夫です

正規のプログラムの前に、8月15日に急性心不全で逝去された飯守泰次郎氏を追悼して、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲が演奏されました 透明感のある弦楽器群の演奏が心に沁みました

正規プログラムの1曲目はリゲティ「ルーマニア協奏曲」です この曲はジェルジ・リゲティ(1923-2006)がオーストリアへの亡命前の1951年に作曲しました 第1楽章「アンダンティーノ」、第2楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第3楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ」、第4楽章「モルト・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

高関の指揮で演奏に入りますが、第2楽章の軽妙な曲想といい、第3楽章のアルペン・ホルン風の穏やかな音楽といい、第4楽章のステージ上のホルンと舞台袖で演奏するホルンとの掛け合いといい、「えっ、これがリゲティ」と言いたくなるような聴きやすい音楽で、親しみを覚えました

 

     

 

2曲目はリゲティ「ヴァイオリン協奏曲」です この曲はドイツのヴァイオリニスト、サシュコ・ガヴリーロフの委嘱により1990年に3楽章構成で完成、初演後大幅に改定され、1992年に全5楽章の最終稿が完成されました 第1楽章「前奏曲」、第2楽章「アリア、ホケトゥス、コラール」、第3楽章「間奏曲」、第4楽章「パッサカリア」、第5楽章「アパッショナート」の5楽章から成ります

オケは一旦解体され、大幅なレイアウト変更が行われます 弦楽器は10人程度しか残らず、あとは管楽器と打楽器が加わります。極めて小規模編成です

ヴァイオリン・ソロを務める新井英治は桐朋学園大学卒。江藤俊哉氏に師事。1979年から新星日本交響楽団、1980年から東京交響楽団、1989年から2015年まで東京フィルのコンサートマスターを務めました 1992年に「モルゴーア・クァルテット」結成に参加しました(シティ・フィルの戸澤コンマスもメンバーです)。現在、東京シティ・フィルの特別客演コンマスのほか、日本センチュリー交響楽団首席客演コンマス、名古屋フィル首席客演コンマスを務め、東京音大教授として後進の指導に当たっています

荒井の前にある譜面台は3台横並びに配置され、そこに長い楽譜が置かれます 譜めくりなどしている暇がない、と思われます

高関の指揮で第1楽章が独奏ヴァイオリンのささやくような弱音で開始され、次第に激しさを増していきます 第2楽章冒頭の「アリア」は独奏ヴァイオリンにより美しいメロディーが奏でられますが、調性音楽はここだけのようです やがてオカリナの不安定な音楽が奏でられます 圧巻は第5楽章の最後の「カデンツァ」です。この日の演奏はアデスによるカデンツァが弾かれましたが、「超絶技巧ここに極まれり」といった集中力に満ちた厳しい演奏でした

曲を閉じると、大きな拍手とブラボーが飛び交いました ソリストの荒井英治がリゲティをたたき斬った侍のように見えました ここで思い出したのは、リゲティの「ヴァイオリン協奏曲」と言えば3月27日(月)の都響B定期演奏会でコパチンスカヤのヴァイオリン独奏で聴いたな、ということでした しかし、同じ曲なのに聴いた印象がかなり異なります それは第5楽章の「カデンツァ」の解釈にあります リゲティの指示はかなりフレキシブルなようで、どのように演奏しても良いようです コパチンスカヤは、ヴァイオリンを弾きながら歩き回ったり、飛んだり跳ねたり、オケに向かって「ワーッ」と叫んだり、客席に向かって「ワーッ」と叫んで挑発したりしていました 言わば聴衆を巻き込んで演奏に参加させ、「リゲティなんて難しくも何ともありませんで。みんなで楽しみましょ」と誘っているエンターテイナーのようでした その点、今回の荒井英治のアデスによるカデンツァは、リゲティに真っ向勝負を懸けて打ち勝った演奏だったように思います

演奏する方も大変だったでしょうが、聴く方も大変でした 約30分にわたる緊張感の持続は精神的に良くないと思います リゲティを聴くにはリゲインが必要かもしれません

 

     

 

プログラム後半はバルトーク「管弦楽のための協奏曲」です この曲はナチスの支配から逃れるため1940年にアメリカに亡命したベーラ・バルトーク(1881-1945)が、クーセヴッキー生誕70周年とボストン交響楽団指揮者就任20周年記念のために1943年に作曲、1944年12月に初演されました 第1楽章「序奏」、第2楽章「対の遊び」、第3楽章「エレジー(悲歌)」、第4楽章「中断された間奏曲」、第5楽章「終曲」の5楽章から成ります

高関の指揮で演奏に入りますが、第1楽章では低弦による導入部の音楽が印象的です 第2楽章は、管楽器群が順に二重奏を披露するのが楽しい 第3楽章は弦楽器を中心とする”慟哭の音楽”です 第4楽章では、中盤で管楽器により馬のいななきのような音楽が奏でられ、思わず笑ってしまいます フルートとオーボエの演奏が素晴らしい 第4楽章は無窮動風の軽快なフィナーレです ベートーヴェンの第5交響曲の「暗から明へ」という精神を体現するかのように、勝利のクライマックスで曲を閉じます

会場いっぱいの拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されます 9月なのにまだ猛暑が続く熱い夏を吹き飛ばす爽快な演奏でした

 

     

コメント (2)
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