人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

プッチーニ「トゥーランドット」を観る ~ ヤニック・ネゼ=セガンのドラマティックな音楽作りと、フランコ・ゼフィレッリによる絢爛豪華でリアリティに富んだ演出:METライブビューイングアンコール2023

2023年09月05日 06時56分12秒 | 日記

5日(火)。わが家に来てから今日で3157日目を迎え、ロシアによる戦争遂行を支持し、オンラインで影響力をもつ好戦派の「インフルエンサー」(Zブロガー)が、ウクライナ侵攻についてソーシャルメディアで虚偽の内容等を連日投稿することで、高額の広告収入を得ていることが、BBCの取材で分った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシアは 大統領から ブロガーから 知らないふりの国民に至るまで 腐り切ってる!

 

         

 

昨日、夕食に「ビーフシチュー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました シチューには赤ワインを入れて煮込みましたが、若干入れすぎたようで味が濃くなってしまいました 次回の反省材料にします

 

     

 

デザートに「フルーツタルト」をいただきました 栄養過多です

 

     

 

         

 

昨日、東劇で「METライブビューイングアンコール2023」のうちプッチーニ「トゥーランドット」を観ました これは2019年10月12日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演は、トゥーランドット=クリスティーン・ガーキー、カラフ=ユシフ・エイヴァゾフ、リュー=エレオノーラ・プラット、ティムール=ジェイムズ・モリス。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ヤニック・ネゼ=セガン、演出=フランコ・ゼフィレッリです

 

     

 

オペラ「トゥーランドット」はジャコモ・プッチーニ(1858-1924)がカルロ・ゴッツィの戯曲「トゥーランドット」に基づき、ジュゼッペ・アダミとレナード・シモーニの台本により1921年から24年にかけて作曲(作曲者の死により、リューの自決以降は未完)、その後フランコ・アルファーノにより補完され、1926年4月5日にミラノ・スカラ座で初演されました

舞台は昔の中国、北京の紫禁城。トーランドット姫は異国の王に権力を奪われた祖先ロウリン姫に自分を重ね、アジア各国の王子からの求愛を拒絶し、自分が出す「3つの謎」を解けなかった王子を次々と処刑してきた 官吏が謎解きに敗れたペルシャの王子の公開斬首刑を告げる 興奮した民衆の渦に巻き込まれた目の不自由な老人が倒れ、お付きの女性が助けを求める かつてのダッタンの王ティムールと女奴隷リューで、居合わせた息子の王子カラフと再会する カラフは周囲の制止に耳を貸さず、姫への新たな挑戦者に名乗り出て銅鐸を3度打ち鳴らす(以上第1幕)。

姫に仕える3大臣のピン、パン、ポンはカラフの無謀を嘆き「故郷に帰りたい」と歌う 広場に皇帝アルトゥムが現れカラフの意思を確認する。カラフが3つの謎を解くと姫は狼狽するが、父帝に「異国の王子からの求愛を受け入れろ」と諭される カラフは逆に「夜明けまでに自分の名前を当てれば、命を差し出す」と姫に助け舟を出す(以上第2幕)。

トゥーランドットは「王子の名前が分かるまで、誰も寝てはならない」と、お触れを出す カラフはこれを受けて有名なアリア「誰も寝てはならぬ」を歌う 3大臣は美女や宝石をチラつかせ、北京を去るよう説得するが、カラフは耳を貸さない そこにティムールとリューが引き出され、「謎の王子」の名を聞き出すための拷問を受ける リューは口を割らず、「氷のような姫君」のアリアを歌いながら自害する 無垢な女性の死に動揺する姫をカラフは激しく抱きしめ、熱い口づけで真実の愛に導く 姫は群衆を集めて「ついに謎が解けた」と言い、「彼の名は愛」と告げる(以上第3幕)。

 

     

 

この公演の大きな特徴は、前年の2018年にMET音楽監督に就任したヤニック・ネゼ=セガンのドラマティックかつ抒情的な音楽作りと、フランコ・ゼフィレッリによる絢爛豪華でリアリティに富んだ演出です

幕間のインタビューでヤニック・ネゼ=セガンは、「今が一番幸せな時です」と語っていましたが、フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督も兼務する彼にとっては、上昇気流に乗ったグライダーのようなものでしょう 幕開けの第1音で聴衆をトゥーランドットの世界に引き込みます

この年(2019年)の6月にゼフィレッリが死去したことから 本公演は彼に献呈されました 特典映像で若き日のゼフィレッリが合唱の振付をしているシーンが映し出されましたが、彼は忙しなく動き回り、合唱団の一人一人に動きを指示していました かなりリアルに拘っている姿が印象的でした

ライブビューイングの「トゥーランドット」では、マリア・グレギーナがヒロインを歌った公演(一番最初に観た)が強く印象に残っていて、一つの基準になっています

トゥーランドットを歌ったクリスティーン・ガーキーはアメリカ出身のドラマテック・ソプラノですが、前シーズン(2018年)のワーグナー「ワルキューレ」ブリュンヒルデ役で好評を博しました 本公演でも、パワフルで強靭な美声で聴衆を圧倒しました

前述の通り、本作はプッチーニの死により未完に終わり、フランコ・アルファーノにより補完されたわけですが、エンジェル・ブルーのインタビューで「カラフとトゥーランドット姫の結婚生活はうまくいくのでしょうか?」と問われ、「たぶん、イエスです カウンセラーが必要かもしれませんが」と答えていました 絶妙な回答です

カラフを歌ったユシフ・エイヴァゾフは1977年アゼルバイジャン生まれのテノールです アンナ・ネトレプコのパートナーと言った方が分かりやすいでしょうか 明るく開放的なテノールで、第3幕のアリア「誰も寝てはならぬ」は見事のひと言でした そういえばネトレプコさんは今頃どうしているのでしょうか

リューを歌ったエレオノーラ・プラットはイタリア出身の若手ソプラノです 第1幕と第3幕で歌われるアリアを、プラットはリューに成り切って歌い上げ、聴衆の涙を誘いました

ティムールを歌ったジェイムズ・モリスは1947年ボルティモア生まれのバスバリトンです 深く豊かな美声がかつての王の威厳を表わしていました

特筆すべきは冒頭でもご紹介したヤニック・ネゼ=セガンの指揮によるメトロポリタン歌劇場管弦楽団の渾身の演奏です それと同時に、このオペラでは合唱が大きな役割を果たしますが、メトロポリタン歌劇場合唱団の迫真のコーラスがホールを揺るがしました

METライブビューイングアンコール「トゥーランドット」の上映時間は幕間のインタビュー、休憩時間等を含め約3時間20分です 今後の東劇での上映予定は9月16日(土)10時30分、同24日(日)14時15分、同28日(木)10時30分の3回です

 

     

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