12日(火)。腰痛が再発してしまいました 昨年1月に発症、行きつけの整体で約2か月間治療し、それ以来治まっていたので安心していたところでした 思い返せばこの3週間は21日間のうち18日間をコンサートを聴いたりオペラのライブビューイングを観たりと、相当ハードな毎日を過ごしていたので、腰に大きな負担がかかったのだと思います 腰にとって一番悪いのは「座りっぱなし」です 院長からは、今後1週間は①あちこち動き回らないで、出来るだけ横になって身体を休ませること、②お風呂はシャワー程度、③お酒は厳禁、④患部を冷やすこと、ただしやり過ぎると凍傷になるので気をつけること ー を厳命されました 幸い今週は2回しかコンサートがないので、それ以外の日は映画鑑賞の予定は入れないようにして、読書しておとなしく過ごそうと思います
ということで、わが家に来てから今日で3164日目を迎え、中国のためにスパイ行為を働いた疑いで、ロンドン警視庁が英議会の調査担当者ら2人を逮捕していたことが10日までにわかった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
国民を相互監視態勢で縛る習近平政権にとって 海外におけるスパイ行為など朝飯前
昨日、夕食に「ピーマンの肉詰め・チーズ入り」「生野菜サラダ」「豆腐とオクラの味噌汁」を作りました 「ピーマン~」はチーズを入れると一層美味しくなります
12月開催のコンサート・チケットを2枚取りました
1枚は、12月9日(土)14時から第一生命ホールで開かれる「小倉喜久子 フォルテピアノの世界」です プログラムは①J.S.バッハ「2台のクラヴィーアのための協奏曲ハ短調BWV1062」、②C.Ph.Eバッハ「チェンバロとフォルテピアノのための協奏曲変ホ長調Wq47/H479、③モーツアルト「2台のクラヴィーアのためのフーガハ短調K.426」、④同「2台のクラヴィーアのための協奏曲変ホ長調K.365」です 演奏はクラヴィーア/チェンバロ=小倉喜久子、川口成彦、管弦楽=オルケストラ・デル・モンド・デル・フォルテピアノです
もう1枚は、12月13日(水)19時から紀尾井ホールで開かれる「紀尾井 明日への扉 タレイア・クァルテット」のコンサートです プログラムは①ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第11番ヘ短調作品95”セリオーソ”」、②メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第1番変ホ長調作品12」、③シューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調D810”死と乙女”」です タレイア・クァルテットは第1ヴァイオリン=山田香子、二村裕美、ヴィオラ=渡部咲耶、チェロ=石崎美雨です。このうち石崎美雨は日本フィルの楽団員です
ブレンダン・スロウカム著「バイオリン狂騒曲」(集英社文庫)を読み終わりました ブレンダン・スロウカムは米ノースカロライナ州フェイエットヴィル出身。9歳からヴァイオリンを習い、ノースカロライナ大学で音楽を専攻 オーケストラでの演奏のほか、教師として幼稚園、小中学校での音楽教育にも力を入れる。小説家としては本作がデビュー作となる
チャイコフスキー国際コンクールを目前に控えた黒人ヴァイオリニスト、レイ(レイクアン)・マクミリアンのヴァイオリンが突然ホテルの部屋から消えた ケースに入っていたのは1枚の脅迫状だった。そこにはヴァイオリンを返してほしければ500万ドルのビットコインを指定番号に送れと書かれていた レイが祖母から譲り受けた古いヴァイオリンはストラディヴァリウスだった 黒人差別と偏見に耐えながらやっと手に入れた世界の舞台への切符だったが、肝心の楽器が盗まれてしまったのだ 母親や親せきは古いヴァイオリンが高価な楽器だと分かると売却して分配すべきだと主張していた また、その楽器は自分の祖先が奴隷に奪われたものだから返却すべきだとする白人の兄妹が現れる そうした思惑と計略が渦巻く中、レイは真犯人からストラディヴァリウスを奪い返し、国際コンクールの舞台に立つことができるのか
著者は「あとがき」で次のように書いています
「クラシック音楽の世界では有色人種の音楽家の数が極端に少ない・・・それが、ぼくがこの本を書こうと思った理由のひとつです 統計によると、クラシックの交響楽団に所属する演奏家のうち黒人の割合は1.8%で、有色人種全体でも12%です けれども日々演奏を行う僕にとって、それは単なる統計上の数字ではありませんでした。それは僕の生き方に、愛する音楽を演奏することに、そしてしばしばあることですが、いまだ理解不能な理由によってそれを妨げられることに関するものなのです この小説に登場する出来事の多く ~ 結婚式の場面、バトン・ルージュでの手荒い仕打ち、オーディション ~ は、僕のこれまでの経験に基づています。肌の色が違うというだけの理由で嫌悪の目を向けられるのは気分が滅入りますし、こんな思いをする人がひとりもいなくなってほしいという気持ちになります 僕と異なる外見の友人にこういう経験を話すと、判で押したように同じ反応が返ってきます。『そんなわけない。それは違うよ』すべて本当なのに 黒人ヴァイオリニストである僕は、非黒人のライバルの2倍努力しなくては同じものが得られませんでした。大学ではいつも自分の能力を認めてもらう努力をしなくてはなりませんでした」
クラシックの交響楽団の演奏家のうち黒人の占める割合が少ないのはアメリカに限りません 日本についてみてみます
「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2023」に参加した在京オーケストラの楽団員数を、その時に配布された各オケのパンフレット記載データで見ると、東京フィル=160人、N響=103人、読響=92人、新日本フィル=90人、日本フィル=80人、東響=79人、東京シティ・フィル=58人で、合計662人です このうち黒人らしき楽団員が在籍しているのは都響の1人だけではないかと思います 全体に占める割合は0.15%です。もっとも日本のオケの場合は、日本人以外の楽団員の割合が少ないと言った方が良いかもしれません
本書を読むと、黒人に対する差別や偏見に対する”怒り”が伝わってきます 彼が一番言いたいのは「人種や外見に関係なく、それぞれが敬意を払うべきだ」ということです
本書はタイトルに相応しく、レイが弾く曲をはじめとしてクラシック音楽が数多く登場します その意味ではクラシック・ファンには馴染みやすい内容となっています また、レイの所有するストラディヴァリウスの来歴や、誰が何の目的でそれを奪ったのかを追う推理小説としても十分に楽しめる作品です 500ページを超える大作ですが、面白くてページをめくる手が止まりませんでした クラシック・ファンに限らず広くお薦めします