人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラ・新シーズンのチケット届く / 中川右介著「不朽の十大交響曲」を読む ~ ジュピター、英雄、運命、田園、未完成、幻想、悲愴、新世界、巨人、革命の誕生を描く歴史ノンフィクション

2022年06月08日 07時14分27秒 | 日記

8日(水)。新国立劇場から 2022/2023シーズンのオペラ公演チケット10枚が届きました 併せて「プログラム引換券」10枚と、チケットホルダーが同封されていました プログラムは公演のたびに@1,000円で購入していたので、今回の措置はありがたいです チケットホルダーは今後のチケットを保管するために3つ使用していますが、今月分のチケットは財布に直接入れて保管しているのでチケットホルダーは使用していません 読響やN響のもあるので15個以上たまってしまいました

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2705日目を迎え、千葉県松戸市の複数の神社で5月中旬~下旬、ロシアのプーチン大統領の似顔絵のような物を貼り付けられたわら人形が、ご神木や境内の木にクギで打ち付けられているのが見つかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチン憎しの気持ちは分かるが 何の効果もないから止めるべしと 釘を刺しておく

 

         

 

昨日、夕食に「ピーマンのチーズ肉詰め焼き」「生野菜サラダ」「冷奴」「ジャガイモの味噌汁」を作りました 「ピーマン~」は、娘から「初挑戦じゃない?」と言われましたが、数年前に1度作りました ただし今回は娘の好きなチーズを入れたので、初挑戦と思ったのかもしれません。とても美味しく出来ました

 

     

 

         

 

中川右介著「不朽の十大交響曲」(角川ソフィア文庫)を読み終わりました 中川右介は1960年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、代表取締役編集長として雑誌「クラシックジャーナル」ほか、音楽家や文学者の評伝や写真集の編集・出版を手掛ける toraブログではこれまで、「二十世紀の10大ピアニスト」「現代の名演奏家50」(以上いずれも幻冬舎新書)、「怖いクラシック」(NHK出版新書)、「国家と音楽家」(集英社文庫)をご紹介してきました

 

     

 

著者は「はじめに」の中で「この本は交響曲の十の名曲を選び、その曲にまつわる物語を記す歴史ノンフィクションである」と述べています さらに「選曲にあたっては、私の好み、愛聴盤ではなく、交響曲の歴史において重要と思う曲を選んだ それだけですぐに20曲くらいになり、何らかのタイトルが付いていて、知名度のあるものを優先させた だから、いわゆる通俗名曲が多い」としています

その上で選んだのが①モーツアルト「交響曲第41番”ジュピター”」、②ベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」、③同「交響曲第5番”運命”」、④同「交響曲第6番”田園”」、⑤シューベルト「交響曲第7番”未完成”」、⑥ベルリオーズ「幻想交響曲」、⑦チャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」、⑧ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界より”」、⑨マーラー「交響曲第1番”巨人”」、⑩ショスタコーヴィチ「交響曲第5番”革命”」の10曲です

ここで気が付くのはベートーヴェンの作品が3曲も入っているのに対し、ブラームスが1曲も入っていないことです これについて著者は「当初は作曲家ひとりに1曲と考えてみたが、ベートーヴェンの『英雄』『運命』『田園』は人気・知名度もさることながら、音楽史上の重要度の点でも外せないので、ベートーヴェンだけで3曲になった その代わり、最も有名な交響曲である『第九』は外した」と述べています

さらに著者は「この本では、その十曲がどのように作曲されたのか、『名作誕生』の背景を描く したがって、曲の音楽的構造の分析や解説、名演奏の聴きどころを紹介するものではない」と位置付けています 270ページの本文で10曲を解説しているので1曲あたり平均27ページを費やしていることになりますが、その曲だけについて書いているのではなく、その前後の作品についても触れているので、実質的には「二十大交響曲」以上の作品を解説していることになります

全体を通して読んでみると、多くの情報が知識として知っている半面、初めて接する情報や、別の視点から見て気づかされるものもあり、新鮮に感じることが少なくありませんでした

10曲すべてをご紹介するわけにはいかないので一例だけ挙げます べートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」には44ページを費やしていますが、ハイドンやモーツアルトとの関係、1歳違いで生まれたフランスの英雄ナポレオンとの関係、スコアの表紙に書かれた「ボナパルト」から「エロイカ」への変更の経緯、ハイリゲンシュタットの遺書、傑作の森など、幅広く解説されています その中で、興味深いのはモーツアルトの作品との対比で語られるベートーヴェンの音楽です

「モーツアルトは32歳の1788年に『ジュピター』を含む三大交響曲を書いた 14歳下のベートーヴェンが『英雄交響曲』を書いたのも32歳の年だ ベートーヴェンはモーツアルトが到達した『楽しいだけが音楽ではない』という地点から始めることができた しかし、作曲のスキルをモーツアルトのレヴェルにまで磨きあげるのに時間が必要だったので、『ジュピター』から『英雄交響曲』までは15年もかかった。もしモーツアルトが生きていたら、『英雄交響曲』は10年前に、『ジュピター』と呼ばれる曲のすぐ後に、モーツアルトによって生まれていたかもしれない ともあれ、モーツアルトが漠然と切り拓き、ベートーヴェンが成し遂げた、作曲家自身のための音楽、音楽で作曲家の『思い』、思想信条を表現するという前代未聞の革命により、音楽家は職人あるいは貴族や教会や劇場の使用人という身分から、藝術家になる 『英雄交響曲』はその藝術革命の英雄だった

ここでは、天才モーツアルトが切り開いたフリーランスの音楽家という立場を、秀才ベートーヴェンが受け継ぎ、音楽を娯楽から芸術に引き上げたことが語られています

本書はクラシック音楽入門者にも、かなりクラシックを聴き込んでいるリスナーにも満足できるディープな知識が収録されており、通り一遍の解説書とは一線を画しています 音楽愛好家に幅広くお薦めします

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