人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「エリーナ・ガランチャ リサイタル2022」を聴く ~ 今年前半のマイベスト1公演に決定! アンコールに驚異の6曲!!

2022年06月29日 07時06分21秒 | 日記

29日(水)。わが家に来てから今日で2726日目を迎え、時事通信によると、ロシアのパンク音楽バンドが、ウクライナ侵攻開始から丸4か月を迎えた24日、新曲「ジェネレーション・キャンセレーション(キャンセル世代)」を発表したが、動画では「言論がない。選択肢がない」と歌いプーチン政権を批判している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     バンドは既に米国に出国しているそうだ  ロシア国内で歌ったら逮捕されるからね

 

         

 

昨日、夕食に「豚の冷しゃぶ」「生野菜サラダ」「大根の味噌汁」を作りました 暑い日には冷しゃぶがいいですね

 

     

 

         

 

昨夕、すみだトリフォニーホールで「エリーナ・ガランチャ  リサイタル2022」を聴きました 本公演は当初2020年5月に開かれる予定でしたが、新型コロナ禍で1年延期となり、コロナ感染拡大のためさらに1年延期となったもので、ガランチャ・ファンにとっては待望のリサイタルとなります

エリーナ・ガランチャは1976年ラトヴィア生まれ。首都リガで合唱指導者の父、著名な歌手だった母のもとに生まれました 1996年にラトヴィア音楽アカデミーに入学、卒業後、ドイツのマイニンゲン歌劇場に参加。1998年にウィーンやアメリカで学び、1999年にフィンランドのミリアム・へミン国際声楽コンクールで優勝しプロとしてのキャリアを開始しました 2003年にウィーン国立歌劇場やザルツブルク音楽祭に抜擢されて以来、メゾソプラノ歌手としてオペラ界を牽引しています

私が初めてガランチャの存在を知ったのはMETライブビューイング2009-2010シーズン「カルメン」のタイトルロールを歌った時です 歌も踊りも演技もすべて素晴らしく、すっかり魅了されました

ピアノ伴奏はマルコム・マルティノーです 英国エディンバラ生まれ。ケンブリッジ大学のセント・キャサリンズ・カレッジと英国王立音楽大学に学びました。同世代の中でもトップレベルの伴奏者として認められているとのことです

 

     

 

プログラムは次の通りです

【第一部】

①ブラームス「愛のまこと」作品3-1、②同「秘めごと」作品71-3、③同「僕らはそぞろ歩いた」作品96-2、④同「ああ、帰り道がわかるなら」作品63-8、⑤同「昔の恋」作品72-1、⑥同「五月の夜」作品43-2,⑦同「永遠の愛について」作品43-1、⑧ベルリオーズ:劇的物語「ファウストの劫罰」より「燃える恋の思いに」、⑨ドビュッシー「月の光」(ピアノ独奏)、⑩サン=サーンス「サムソンとデリラ」より「あなたの声で心は開く」、⑪グノー「サバの女王」より「身分がなくても偉大な方」

【第二部】

①チャイコフスキー「オルレアンの少女」より「さようなら、故郷の丘」、②ラフマニノフ「信じないでほしい、恋人よ」作品14-7,③同「夢」作品8-5,④同「おお、悲しまないで」作品14-8,⑤同「春のせせらぎ」作品14-11,⑥アルベニス「タンゴ ニ長調」(ピアノ独奏)、⑦バルビエリ:サルスエラ「ラバピエスの小理髪師」から「パロマの歌」、⑧ルぺルト・チャピ:サルスエラ「エル・パルキレロ」より「とても深いとき」、⑨同:サルスエラ「セベデオの娘たち」より「とらわれし人の歌『私が愛を捧げたあの人のことを思うたび』」

会場は文字通り満席で、開演前からロビーが聴衆でごった返しています いつも見ている新日本フィルの聴衆とは客層が異なるようです METライブ視聴者が一定の割合を占めると思われますが、圧倒的に中高年女性が多く、2人以上のグループが目立ちます メゾソプラノ歌手のコンサートに駆けつける中高年女性という結びつきは、ほとんど「宝塚歌劇」ファンと同じ客層か、と勝手に想像しました 自席は1階8列29番、右ブロック左から3つ目です。かなり前の席ですが、私は右目の視力が極端に弱いので、左の目でガランチャを捉えようと、ずっと顔を左に向けていました

 

     

 

第一部の開演です。ガランチャは銀のラメ入りのエレガントな衣装で登場しました 1曲目のブラームス「愛のまこと」を歌うのを聴いて、「METライブで聴いたガランチャその人の声だ!」と感激しました 歌を聴いて胸がドキドキしたのは初めてです ブラームスの7曲は続けて歌われましたが、6曲目が終わったところでガランチャの歌唱とともにピアノの演奏が素晴らしかったことから拍手が起こりました 続くベルリオーズの劇的物語「ファウストの劫罰」より「燃える恋の思いに」を聴きながら、20年以上前に松本の「サイトウキネンフェスティバル」で聴いたキャサリン・グラハムの歌唱を思い出しました

ピアノ独奏のドビュッシー「月の光」は、ガランチャの喉を休ませるためにプログラミングされたものですが、どうしてどうして抒情的でロマンに満ちた演奏でした

次のサン=サーンス「サムソンとデリラ」より「あなたの声で心は開く」は、ガランチャがMETライブビューイングで歌っています 聴きながら、ガランチャのデリラだったらサムソンに思いが届くだろうと思いました

第一部の最後はグノー「サバの女王」より「身分がなくても偉大な方」です ガランチャは絶唱しますが絶叫はしません。強靭なメゾソプラノが会場を震わせました

休憩時間には、予想通り男子・女子ともトイレに長蛇の列が出来ましたが、女性の方が圧倒的に長い列が出来ていました プログラム売り場には早々と「本日販売予定分は終了」のお知らせが。CD売り場には蟻塚のように人が集まっていました

第二部に入ります。ガランチャは黒のエレガントな衣装にお色直しして登場します 別人が出てきたかと思って、よく見るとヘアスタイルも変えています 恐るべきプロフェッショナル、ガランチャです

最初にチャイコフスキー「オルレアンの少女」より「さようなら、故郷の丘」が歌われます ジャンヌダルクを主人公としたオペラですが、力強い歌唱が印象的でした

続くラフマニノフは4曲続けて歌われました その後のアルベニス「タンゴ」はピアノ独奏で演奏されましたが、洒脱な演奏でした

次のバルビエリ:サルスエラ「ラバピエスの小理髪師」から「パロマの歌」は陽気で楽しい曲で、ガランチャも楽しんで歌っているようでした

最後のルぺルト・チャピ:サルスエラ「セベデオの娘たち」より「とらわれし人の歌『私が愛を捧げたあの人のことを思うたび』」は息の長いコロラトゥーラが素晴らしく大喝采を浴びました

ガランチャはアンコールに、予定通り、ビゼー「カルメン」より「ハバネラ」を魅力たっぷりに歌い、鳴りやまない拍手にプッチーニ「ジャン二・スキッキ」のラウレッタのアリア「私のお父さん」を表情豊かに歌い、これで最後とばかりにラフマニノフの歌(題名不明)を熱唱しました しかし、聴衆の拍手は止みません 何とその後3曲を「もうこれでおしまいと言ったじゃないの」とか言いながら歌い上げ、アンコールだけで6曲も歌いました こうなるともう「第三部」です。2日連続公演の1日目からこんなに飛ばして大丈夫か?と心配にさえなります 最後には聴衆総立ちのスタンディングオベーションでガランチャとマルティノーを讃えました 思わず私も立ち上がって拍手を送りましたが、こんなことは滅多にありません 早くも「今年前半のマイベスト1コンサート」に決定です 印象深い素晴らしいコンサートでした

         

さて、主催社のテイト・コーポレーションは事前にホームページ等でプログラム内容を発表しなかったので、会場に来てペラ1枚のプログラム(演奏曲目一覧)を見て初めてガランチャが何を歌うのかが分かったという前代未聞のコンサートになりました 人気歌手の公演の場合 これが普通なのか?  少なくとも私は、こういうケースは経験がありません

事前にプログラム内容が不明の場合、一番困るのは「予習が出来ない」ことです 歌う曲目が分かれば事前にCDを聴いて曲の内容が把握できます 当日、ペラ1枚のプログラムや有料プログラム(1000円)が配布されるのですから、もっと早くチケット購入者に内容を伝えることが出来たはずです 一人ひとりに通知しなくてもホームページに「ガランチャ・リサイタルの演奏曲目が決定!」として掲載すれば済む話です しかし、本公演の主催社テイト・コーポレーションは、チケットさえ売ってしまえば後のフォローはしなくてもよいという徹底した商業主義の方針のようです S席17,000円~C席11,000円と高額なチケット代を取るのですから、せめてホームページに演奏曲目を載せるくらいはやるべきだと思います

コメント (2)
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