人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「コレクティブ 国家の嘘」&「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」を観る ~ 調査報道で真実を追求するジャーナリストと環境汚染を告発する一人の弁護士の闘いの物語

2022年06月16日 07時13分10秒 | 日記

16日(木)。ミューザ川崎から「友の会」年会費(3000円)の請求書が届いたので郵便局から振り込んでおきました 今年度はせっかく振り込んだのにミューザ川崎での東響「モーツアルト・マチネ」の会員先行発売日を逃してしまったので、これからは気を付けたいと思います 私の場合は、「モーツアルト・マチネ」と「フェスタ サマーミューザ」のチケットを先行発売で取るために入会しているようなものです

ということで、わが家に来てから今日で2713日目を迎え、韓国出身の7人組男性アイドルグループ・BTS(防弾少年団)が14日、グループ活動を一時中断するいうメッセージを伝えたが、所属事務所によると、解散ではなく、個人の活動に専念するようだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     キャンディーズみたいに「普通の男の子に戻りたい」か? 徴兵制が待ってるかも

 

         

 

昨日、仕事休みの娘が朝食を作ってくれました 先日と同じ「ソーセージ・エッグ」「ハムと紫蘇のまぜご飯」「トマト・スープ」です 「ソーセージ~」は前回のが型崩れしたので再チャレンジしたようですが上手に出来ました

 

     

 

夕食はいつも通り私が作りました 娘が勤務先の同僚から仕入れてきた馬肉を刺身にして、「タコとジャガイモとピーマンのサラダ」「冷奴」「人参とピーマンの中華スープ」を作りました 「タコ~」は昨日の朝刊の「料理メモ」に出ていたレシピで作りました 玉葱が入っているのですが、娘は箸でつまんで除外していました 好き嫌いは困りますねえ

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「コレクティブ 国家の嘘」と「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」の2本立てを観ました

「コレクティブ 国家の嘘」は、アレクサンダー・ナナウ監督による2019年製作ルーマニア・ルクセンブルク・ドイツ合作映画(109分)です

2015年10月、ルーマニア・ブカレストのクラブ「コレクティブ」でライブ中に火災が発生し、死者7名、負傷者180名を出す大惨事となった さらに、命を取り留めたはずの入院患者が複数の病院で相次いで死亡、最終的に死者は64名となった 調査に乗り出した地元の小さなスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の調査報道記者カタリン・トロンタンは、事件の背後にある製薬会社と病院関係者、政府関係者の巨大な癒着が隠されていたことを突き止める トロンタンをはじめとするジャーナリストたちは命の危機を感じながらも、真相を暴くため奮闘する 一方、報道を目にした市民の怒りは頂点に達し、内閣はついに辞職、正義感溢れる金融界出身の新保険相ブラド・ボイクレスクは、腐敗まみれのシステムを変えるべく孤軍奮闘するが、限界を感じる

 

     

 

本作は、ルーマニアを震撼させた巨大医療汚職事件を題材に、市民、ジャーナリスト、政治家ら 異なる立場から事件に立ち向かう人々の姿を捉え、第93回アカデミー賞で国際長編映画賞と長編ドキュメンタリー賞にノミネートされました

【以下、ネタバレ注意】

冒頭のクラブ「コレクティブ」での火災発生の実写映像は衝撃的です 誰かがスマホで撮影したのだと思われますが、火の手が上がったと思ったら、あっという間に天井に燃え移り、急拡大していきます その間、聴衆は照明が消えた暗い会場の中を大声で叫びながら一つしかない出口に殺到します 結果的に迫真のドキュメンタリーになっています

病院に入院して助かるはずの患者が多数死んだのは、製薬会社が薬の成分を基準以下に薄めて病院に出荷していたため、たまたま病院で発生した感染症を抑えることが出来なかったためです それが判明したきっかけは、ブカレスト大学病院の麻酔医カメリア・ロイウが真実を記者に告発したからです 勇気のいる行動だと思いますが、口を閉ざすことに「良心の呵責」を感じていたのでしょう それを受け止めたのが、一般紙ではなくスポーツ紙だったことに驚きますが、要は新聞の種類ではなく、真実の報道を貫く信念を持った記者がいるかどうか、新聞社として調査報道を進める方針があるかどうかということです

カメラは失脚した保険相に代わり新たに就任したブラド・ボイクレスク保険相にも密着しますが、政府の大臣がよくもカメラの密着取材を許したものだ、と感心します おそらくブラド・ボイクレスク保険相は、すべての行動を公開することによって政府側の透明性をアピールし、国民を味方につけようとしたのではないかと思います しかし、残念ながら彼一人の努力では政府と製薬会社と病院との密着はそう簡単には解消されませんでした

現在のルーマニアの医療を巡る政治・経済情勢はどうなっているのだろうか この映画を観て気になりました

 

         

 

「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」は、トッド・ヘインズ監督による2019年製作アメリカ映画(126分)です

1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロット(マーク・ラファロ)は祖母の知人の中年男から思いがけない調査を依頼される それはウェストバージニア州の農場が、大手化学メーカー「デュポン」の工場からの廃棄物により土地が汚染され、190頭もの牛が病死したというものだった ロブの調査により、デュポン社が発がん性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流し続けた疑いが判明する ロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏み切るが、巨大企業を相手にする法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていく    しかし、ロブは不屈の精神で様々なプレッシャーを跳ね返し、次々と勝訴しデュポンから高額な賠償金を勝ち取っていく

 

     

 

本作は、環境汚染問題を巡って一人の弁護士が十数年にもわたり巨大企業「デュポン」との闘いを繰り広げた実話をもとに製作された映画です

この映画のいいところは、主人公のロブを単なるヒーローとしてではなく、弁護士を辞めて主婦業に転じた妻(アン・ハサウェイ)との軋轢、事務所の中で孤立する弁護士の立場、なかなか結果が出ない被害者の検査結果などのプレッシャーを抱えながら、「巨大企業の環境汚染は許せない。人を死に追いやった罪は償われるべきだ」という信念のもと、最後まで闘った生身の人間として描いているところです

この映画を観て思い出すのは、日本でもチッソによる「水俣病事件」やカネミ倉庫による「カネミ油症事件」があったな、ということです これらの事件でも、優秀な弁護士さんが活躍したことでしょう。資金が潤沢な大企業側につけば多額の報酬が期待できるので、弁護士としては”おいしい仕事”になるでしょうが、そういう人ばかりでは、お金のない庶民としては困ります やはり、被害者の立場に立って考え、行動できる弁護士が望まれます

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