13日(火).わが家に来てから今日で986日目を迎え,トランプ米大統領夫妻が,英国のエリザベス女王の招待で当初は年内に行われる予定だった国賓としての英国訪問について,「国民が大々的に反対するなら行きたくない」とメイ首相に伝えていたと英ガーディアン紙が報道した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプ大統領は歓迎されないだろうな 英国の首相は気がメイると言うだろうし
息子に「毎日,夕食の献立を考えるの大変なんだよね 何かリクエストある?」と聞くと,某スーパーのネット上のレシピを調べて,「これがいい
」と言って画面に呼び出したのが「すき焼き風炊き込みご飯」でした
「よし,試しに作ってみるか
」とチャレンジしたのが下の料理です
材料は牛肉,人参,ゴボウ,すき焼きの素,ご飯,水,温泉卵,万能ねぎ,いりごまです.言うまでもなく美味しく炊き上がりました
昨日,すみだトリフォニー(小)ホールで新日本フィル室内楽シリーズ第109回「篠原英和プロデュース『真の友情,ハイドンとモーツアルト』」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423」,②ハイドン「ピアノ三重奏曲第29(45)番」,③モーツアルト「弦楽四重奏曲第19番”不協和音”K.465」,④ハイドン「弦楽四重奏曲第83(68)番」です
出演は,ヴァイオリン=篠原英和,松崎千鶴,ヴィオラ=高橋正人,チェロ=多田麗王,ピアノ=出久根美由樹の皆さんです
自席は5列3番です.会場はかなり埋まっています このシリーズで最高の入りではないでしょうか
間違いなく篠原人気の賜物でしょう
開演に先立って今回のプロデューサー篠原英和氏のプレトークがありました 開口一番,彼が語ったのは「グレン・グールド曰く『最も過小評価された最も偉大な音楽家,それはハイドン』」という言葉でした
篠原氏は,今回なぜハイドンとモーツアルトを取り上げたのかについて 立て板に水のごとく流暢に解説,親子ほどの年齢差にも関わらず ハイドンとモーツアルトが お互いに刺激し合いながら傑作を生み,古典音楽の頂点を極めたことを語りました
1年半ぶりの原稿なしのプレトークを15分きっかりに納め,「トークの天才ぶり」を改めて知らしめました
クラシック音楽の歴史を語らせて,彼以上の知識と それを語る能力を持ったキャラクターは他にいないでしょう
さて本番です.1曲目はモーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.423」です この曲は1783年7月,モーツアルトがコンスタンツェを伴って生まれ故郷のザルツブルクに旅をしたときに,ミヒャエル・ハイドンのゴーストライターとして書いた曲だと言われています
3楽章から成りますが,親しみやすい曲想です.篠原氏のヴァイオリンと高橋正人氏のヴィオラによって演奏されましたが,最初の出番ということで多少上がった面があったかもしれませんが,名刺代わりの演奏を披露しました
次いで,篠原氏と彼の伴侶である出久根美由樹さんのピアノ,多田麗王氏のチェロによりハイドンの「ピアノ三重奏曲第29(45)番」が演奏されました この曲も3つの楽章から成りますが,篠原氏のプレトークの解説によると,冒頭のジャーン
という総奏は,当時ハイドンが赴任していたロンドンの聴衆に「これから曲が始まるぞ,耳を傾けて
」という注意を促すために書いたとのことです
ハイドンらしい明るく軽快な曲ですが,とくに第3楽章に入ってからの出久根美由樹さんの溌剌とした演奏が印象的でした
素晴らしい夫婦協演でした
休憩後の1曲目はモーツアルト「弦楽四重奏曲第19番”不協和音”K.465」です この曲はモーツアルトが師と仰ぐハイドンに捧げられた いわゆる「ハイドン・セット」6曲の最後の曲ですが,第1楽章冒頭の不穏な雰囲気の曲想から「不協和音」と呼ばれています
今でこそ,何の違和感もなく聴いていますが,当時の常識からは遠く外れた不協和音だったのでしょう
中高年男性3人に囲まれた紅一点の松崎千鶴さんは,淡いピンクが基調の 裾に花柄を配したエレガントな衣装での登場です 晴れやかな立ち姿に,「ジューンブライドの登場か
」と思いました.大胆素敵です
定期演奏会では黒の衣装ですが,こういう室内楽の時は良いですね
さて,これまでの3曲の演奏を聴いてきて,プロデューサーの篠原氏は,この曲に山を持ってきたな,と思いました 4曲の中で一番力を入れて練習を重ねてきたのではないか,と勝手に想像します
4人の演奏家は,第1楽章冒頭から第4楽章「アレグロ・モルト」まで,第1ヴァイオリンの篠原氏のリードにより,チェロの多田麗王氏,第2ヴァイオリンの松崎千鶴さん,ヴィオラの高橋正人氏のしっかりしたサポートのもと,集中力を途切れさせることなく見事に弾き切りました
最後に,同じメンバーでハイドンの生涯最後の作品である「弦楽四重奏曲第83(68)番 作品103」の第2楽章「アンダンテ・グラツィオーソ」,第3楽章「メヌエット・マ・ノン・トロッポ/プレスト」を演奏しました 第1楽章と第4楽章を作曲できないままハイドンは息絶えたということです
初めて耳にするハイドン最後の曲でしたが,前の3曲ではサポートに徹してあまり目立たなかった第2ヴァイオリンの松崎千鶴さんの演奏が際立って素晴らしく思いました
満場の拍手に,4人はハイドンの弦楽四重奏曲第77番「皇帝」の第4楽章「フィナーレ/プレスト」を鮮やかに演奏,大きな拍手の中コンサートを締めくくりました
久しぶりにコンサート後の「ワンコイン・パーティー」に参加しました.500円でワイン,ジュースが飲み放題です プロデューサーの篠原氏が開口一番「疲れました.明日は演奏がないので今宵は思いっきり飲みます
」と宣言,大きな拍手を受けました
それはそうでしょう.1人でデュオ,トリオ,クァルテットをこなしたのですから.本当にお疲れさまでした
「ハイドンとモーツアルトの共通点は 共に悪妻を持ったことです」
取り巻きに囲まれてなかなかこちらにやってこられませんでしたが,やっと解放されので,握手をしてご苦労をねぎらいました 松崎千鶴さんも挨拶したので写メしました
その後,ワイン4杯の勢いを借りて,他の人と歓談中の松崎さんのところに行って写真を撮らせていただきました 気さくな感じの美人でした
写真はいずれもノーフラッシュで撮影したため解像度がイマイチですが,被写体が素晴らしいのでお許しください
さて,松崎千鶴さんの演奏を最初に聴いたのは,彼女が新日本フィル入団の年(2015年)の5月25日に開かれた「楽団員プロデュース室内楽シリーズ第2回公演」に出演した時でした 松崎さん(1月入団),ヴィオラの脇屋冴子さん(2月入団),ヴァイオリンの古日山倫世さん(2013年入団)の3人が,コンマスのチェ氏から”新入団員”として紹介され,メンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」他を演奏しました
私は,当時のブログに「この3人はこれから応援していこうと思う」と書いています
松崎さんは東京都小平市の出身.桐朋学園大学卒業.中山朋子,江藤アンジェラ,故 江藤俊哉,原田幸一郎の各氏に師事.第4回江藤俊哉ヴァイオリンコンクールジュニア部門第2位,第12回日本モーツアルト音楽コンクール奨励賞を受賞しています
この室内楽シリーズをお聴きになっている方はよくご存じだと思いますが,松崎千鶴さんの出演回数が多いのではないかと思います 次回7月12日の公演にも出演します
思うに,それぞれの公演プロデューサーは,協演する演奏者としては誰でも良いという訳にはいかないはずで,まず第一に相応の実力があること,そして自ら主張をしながらも協調性があることが不可欠な条件ではないかと思います
その条件を備えた協演者として最も相応しいヴァイオリニストの一人として選ばれているのが松崎さんだと思います
これからの一層の活躍を期待し,今後とも応援したいと思います