10日(土).わが家に来てから今日で983日目を迎え,「加計学園問題」で文部科学省が内閣府から「総理のご意向」などと伝えられたとされる文書について,松野博一文科相が9日,省内調査をやり直すと表明し,安倍首相から「徹底した調査を速やかに行うよう」指示があった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
このまま放っといたら 7月2日の東京都議選で自民惨敗だから 動かざるを得ない
昨日,夕食に「牛肉とゴボウのしぐれ煮」「生野菜と海藻とタコのサラダ」「冷奴」を作りました 「牛肉~」はゴボウを包丁でさきがけにするのですが,どうしても厚めになってしまうのでピーラーを使いました
池袋の東京芸術劇場で開いている「芸劇ブランチコンサート」のチケットを3枚取りました 第10回=10月17日(火),第11回=12月19日(火),第12回=来年2月6日(火)のいずれも午前11時から約1時間です プログラムと出演者は下のチラシの通りですが,ナビゲーターが10月から「アド街ック天国」から「ららら クラシック」へ,もとい,八塩圭子さんから加羽沢美濃さんへ代わります
昨日,上野の東京藝大奏楽堂で「藝大フィルハーモニア管弦楽団第381回定期演奏会」を聴きました プログラムは①チャイコフスキー「瞑想曲~『なつかしい土地の思い出』より」,②ストラヴィンスキー「ディヴェルティメント」,③チャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です 指揮・ヴァイオリンはドミトリー・シトコヴェツキ―です
シトコヴェツキ―はアゼルバイジャン共和国のバクー生まれで,モスクワ音楽院で学んだ後,ジュリアード音楽院で研鑽を積みました ヴァイオリニストとして有名ですが,バッハの「ゴルトベルト変奏曲」を弦楽合奏用に編曲したCDが一世を風靡するなど編曲者としても世界に名を轟かせています
全自由席です.1階11列25番,右ブロック左通路側を押さえました 午後7時の開演に先立って6時15分からプレコンサートがありました コンマスの戸原直はじめ藝大フィルのメンバー6人によりチャイコフスキー「弦楽六重奏曲”フィレンツェの思い出”」第1楽章が演奏されました
さて本番です.オケのメンバーが配置に着きます 弦は左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置をとります.コンミスは澤亜樹さん.藝大の澤和樹学長と名前が似ていると思ったら娘さんらしいですね 新年度からコンミスに就任したようです
1曲目はチャイコフスキー(グラズノフ編)「瞑想曲『なつかしい土地の思い出』より」です この曲は元はヴァイオリンとピアノのための小品集で「瞑想曲」「スケルツォ」「メロディ」の3曲から成る作品で,グラズノフが1896年にオーケストラ用に編曲しました チャイコフスキーは1878年3月に1か月足らずで名曲「ヴァイオリン協奏曲」を完成しましたが,その月にわずか3日間で作曲した「瞑想曲」はこの協奏曲の中間楽章として構想されていたといいます
シトコヴェツキ―がヴァイオリンを携えて登場します.弾き振りするようです 曲を聴く限り,チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」の第2楽章を知っているわれわれにとっては,やや物足りなさを感じるものの,そこはメロディーメーカーのチャイコフスキー,とても美しい音楽です シトコヴェツキ―はさすがは本業がヴァイオリニストです.とても美しい音で「瞑想の世界」を奏でました
2曲目はストラヴィンスキー(シトコヴェツキ―編)「ディヴェルティメント」です この作品は,ストラヴィンスキーのバレエ音楽「妖精の接吻」(1928年)の組曲版と,管弦楽組曲「ディヴェルティメント」(1934年,1949年改訂)を,オルフェウス室内管弦楽団に委嘱によりシトコヴェツキ―が管弦楽用に編曲(2015年)したものです
プログラムノートには,バレエ音楽「妖精の接吻」の解説として第1場「プロローグ 嵐の中の子守歌」,第2場「村の祭り」,第3場「水車場で」,第4場「エピローグ」とあり,管弦楽組曲の解説として「1.シンフォニエッタ」「2.スイス舞曲」「3.スケルツォ」「4.パ・ド・ドゥ」と書かれていますが,その2つの作品をもとにシトコヴェツキ―がどういう編曲版を作ったのかが書かれていないので,内容が分かりません プログラムをよく見ると,太字で「日本初演」と書かれていました 要するに,この解説を書いた人も一度も聴いたことがなかったらしいのです.書けるわけがないですね
再度,シトコヴェツキ―がヴァイオリンを携えて登場します 彼の弾き振りで聴く「ディヴェルティメント」は,いかにもストラヴィンスキーのバレエ音楽らしく,独特の変拍子が多用された曲ですが,4楽章形式で,第3楽章と第4楽章が続けて演奏される楽しい曲でした シトコヴェツキ―自身も,演奏者たちも楽し気に演奏しているのが印象的でした 言うまでもなくシトコヴェツキ―は滅茶苦茶上手いです
休憩後はチャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です この曲は1893年2月から8月にかけて作曲されました.公的な初演は1893年10月16日にペテルブルグで行われましたが,その9日後にチャイコフスキーはコレラに罹患し急死しています.悲壮です
オケのメンバーが管楽器を中心に拡大しフル・オーケストラの態勢になります コンマスが戸原直に代わります.シトコヴェツキ―がヴァイオリンの代わりにタクトを持って登場し,さっそく第1楽章に入ります.コントラバスの重々しい序奏に乗ってファゴットが暗いメロディーを奏でます このファゴットが良かった 何事も最初が肝心です.しばらくして,ヴィオラが活躍する場面がありますが,このヴィオラが素晴らしい 木管,金管もいい音を出しています
第2楽章は,とても流れが心地よいです 第3楽章はまさに行進曲です.弦楽器,管楽器はもちろんのこと,ティンパニをはじめとする打楽器群の活躍が目覚ましく「寝た子を起こす」演奏です シトコヴェツキ―は第3楽章から第4楽章にかけて,タクトを下ろさず続けて演奏しました.賢明です 下手をすると ここで拍手が来るところです 第3楽章から一転,第4楽章は「これ以上暗い音楽はないのではないか」と思うほど暗く沈んだ音楽が綿々と続きます この楽章でも音楽の流れが自然で,オーケストラ全体が呼吸しているようです 最後は息絶えて,しばしの しじま の後,会場一杯の拍手がステージに押し寄せました
演奏している藝大フィルハーモニアのメンバーを見ていて思ったのは,世界的なヴァイオリニストで,編曲者で,指揮者でもあるシトコヴェツキ―をリスペクト(尊敬)して演奏している,ということです そのうえで,演奏を楽しんでいる姿が印象的でした 指揮者に対するリスペクトが生んだ名演奏と言っておきましょう