人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

深田晃司監督「淵に立つ」,マーティン・スコセッシ監督 「沈黙 サイレンス」を観る~ギンレイホール

2017年06月28日 08時05分59秒 | 日記

28日(水).わが家に来てから今日で1001日目を迎え,稲田朋美防衛相が27日,東京都板橋区で行った都議選の自民党公認候補の応援演説で「防衛省,自衛隊,防衛大臣,自民党としてもお願いしたい」と発言したというニュースを見て,有識者の意見を代弁するモコタロです

 

     

モコ:稲田防衛相が自分の地位に言及して自民党候補の支持を訴えるの有り? 有識者:否だ!

 

                                           

 

昨日,夕食に「鶏肉のマヨポン炒め」「生野菜サラダ」「男豆腐の食べるラー油乗せ」「エノキダケ,シメジ,人参,タケノコ,ベーコンのスープ」を作りました   「鶏肉~」は久しぶりに作りましたが,片栗粉をまぶして肉を焼く料理ではいつもフライパンにくっついてしまいます   油(今回はマヨネーズ)が足りないんだろうか

 

     

 

                                             

 

昨日,神楽坂のギンレイホールで「淵に立つ」と「沈黙 サイレンス」の2本立てを観ました   「淵に立つ」は深田晃司監督による2016年 日本・フランス合作映画(119分)です

 

     

 

郊外で小さな金属加工工場を営む鈴岡利雄(古館寛治)と妻で敬虔なクリスチャンの章江(筒井真理子)は,10歳になる娘の蛍と家族3人で平穏な日々を送っていた   そこへ,ある日突然,利雄の古い友人の八坂草太郎(浅野忠信)が現れると,利雄は章江に断りもなく彼を雇い入れたばかりか自宅の空き部屋に住まわせてしまう   八坂が過去に殺人を犯し 最近出所したばかりだということを知り,最初は当惑気味な章江だったが,几帳面で礼儀正しく,蛍のオルガンの発表会の準備を手伝ってくれたりするうち八坂に好感を持つようになる   しかし,八坂は利雄のただの”友人”ではなかった  彼は何のために利雄の前に現れたのか,次第にその本性が明らかになっていき,悲劇が起こる

利雄の前に初めて八坂が登場するシーンから,浅野忠信の存在はミステリアスです   いつ何をかやらかすか分からないという危険性を孕んでいます   蛍は殺されなかったばかりに,それ以上の苦しみを利雄と章江に与えることになります   さらに,八坂の息子の登場が単純な物語を複層的なストーリーに仕立て上げています   見ごたえのある映画でした

 

                                           

 

2本目の「沈黙 サイレンス」は遠藤周作の原作に基づいてマーティン・スコセッシが監督した2016年 アメリカ映画(162分)です

時は17世紀,江戸中期.幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎.日本で捕らえられ棄教(信仰を捨てる)したとされる高名な宣教師フェレイラを追い,弟子のロドリゴとガルべは日本人のキチジローの手引きでマカオから長崎へ潜入する   日本にたどり着いた二人は,弾圧を逃れた”隠れキリシタン”と呼ばれる日本人に出会い匿われる.幕府の取り締まりは日に日に厳しさを増し,キチジローの裏切りによりロドリゴらも囚われてしまう   長崎奉行の井上筑後守はキリスト教を布教させようとするロドリゴに対し「お前がころばないからキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る   そうした中,「踏み絵」を踏まないキリシタン達は海で磔刑にされ,あるいは簀巻きで舟から海へ突き落とされ,次々と犠牲になっていく   逆さ吊りにされ耳から血を流すキリシタンたちを前に,ロドリゴは「神はなぜ黙っているのか,何もしないのか」とつぶやき,ついに自ら踏み絵を踏む

 

     

 

私が「沈黙」を初めて観たのは,新国立劇場での松村貞三作曲によるオペラ「沈黙」でした   たしか2回は観ました.その後は,1966年に篠田正弘が監督した映画「沈黙」です.これを観たのは今年の初めだったと思います

次々と犠牲になる信者たちを目の当たりにして,守るべきものは「神を信じる」という大義・信念か,あるいは命を落とそうとしている小さな命か・・・・そうした重いテーマを扱っています   敬虔なクリスチャンだった遠藤周作が伝えたかったのは,どんなことがあっても信仰を守り切れる意志の強い者はいいが,キチジローのように命欲しさに何度でも踏み絵を踏む弱い人間は救いようがないのか,命の危機が迫った時に神は沈黙を破って救ってくれる保障があるのか,という問いだったではないかと受け止めました

 

     

コメント
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