人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ガエタノ・デスピノーサ+ハイモヴィッツ+新日本フィルでショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第1番」 「交響曲第15番」他を聴く

2016年11月20日 09時13分59秒 | 日記

20日(日).わが家に来てから今日で782日目を迎え,米大統領選挙でトランプ氏が勝利して以来インフレ期待が高まり,債券価格の下落が続き,債券利回りが急上昇しているというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

           米の長期金利が急上昇してる? 気軽に米が買えないね 僕の牧草を食べる?

 

          

           何だ 米ってコメじゃなくてアメリカのことだったのか 恥かいちゃった!退場しよ

 

  閑話休題  

 

昨日,すみだトリフォニーホールで新日本フィル第556回トパーズ(トリフォニー・シリーズ)定期演奏会を聴きました  トリフォニーのロビーもクリスマス・モードです

 

          

 

この日のプログラムは①ロッシーニ「歌劇”ウィリアム・テル”序曲」,②ショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第1番変ホ長調」,③同「交響曲第15番イ長調」です ②のチェロ独奏はマット・ハイモヴィッツ,指揮はガエタノ・デスピノーサです

ショスタコーヴィチのコンチェルトとシンフォニーがメインのプログラムの中に,なぜロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲を1曲目に持ってきたか・・・・ショスタコーヴィチ好きは すぐにピンときます

オケのメンバーが配置に着きます.すると,”ちょっとした有名人”サスペンダーおじさんが おっとり刀で最前列に着きました その直後に登場したコンマスの豊嶋泰嗣氏が「なんだ このおじさん」という顔で見下しています 相変わらず 注目されたい性格が治っていないようです

オケの編成はいつも通り,左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという並びです 第2ヴァイオリン奏者・篠原英和氏も元気な姿を見せています

指揮者のガエタノ・デスピノーサは1978年,イタリア・パレルモ生まれの38歳.2013年9月からミラノ・ヴェルディ交響楽団首席客員指揮者を務めています

 

          

 

1曲目の「歌劇”ウィリアム・テル”序曲」は,ロッシーニ(1792-1868)が37歳のころに初演した4幕ものオペラの序曲です この物語はドイツのシラーの「ウィルヘルム・テル」に基づく英雄劇ですが,テルは伝説上の人物と考えられています 4部構成ですが,われわれが親しみを感じるのは第4部「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の「スイス軍の行進」です トランペットのファンファーレに導かれ,スイス軍の勇壮な行進が敵を目指して突き進みます デスピノーサ+新日本フィルの小手調べといったところ.軽快に駆け抜けます

2曲目はショスタコーヴィチ「チェロ協奏曲第1番変ホ長調」です 1970年イスラエル生まれ,1984年に13歳でメータ指揮イスラエル・フィルのソリストとしてデビューを果たしたマット・ハイモヴィッツが登場します

この曲はチェロの巨匠ロストロポーヴィチに献呈されています 4楽章構成ですが,第3楽章はカデンツァ楽章なので実質的には急ー緩ー急の協奏曲スタイルをとっています 第1楽章の冒頭は,チェロにより 人をおちょくったような軽快な音楽で開始されます.こういうところは いかにもアイロニーが身上のショスタコーヴィチらしくて好きです  チェロの本領は低音の魅力ですが,第2楽章ではそれに逆らって高音の音楽を奏でます.ハーモニクス奏法(倍音奏法)と言うそうですが,これもショスタコーヴィチらしいところです 第3楽章のカデンツァは技巧的な音楽で,聴かせました.第4楽章は行進曲風の軽快なテンポが印象的です

会場いっぱいの拍手に,ハイモヴィッツはアンコールにバッハの「無伴奏チェロ組曲第3番」から「サラバンド」を鮮やかに演奏,再び聴衆の喝采を浴びました

 

          

 

休憩後はショスタコービチ最後の交響曲である「交響曲第15番イ長調」です この曲は第1楽章「アレグレット」,第2楽章「アダージョーラルゴーアダージョーラルゴ」,第3楽章「アレグレット」,第4楽章「アダージョーアレグレットーアダージョーアレグレット」から成ります

第1楽章を聴いていると,ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲の「行進曲」のメロディーが聴こえてきます ここで1曲目につながりましたね 第2楽章は金管楽器による荘重な音楽が展開しますが,まるでワーグナーの楽劇を聴いているようです 第3楽章では再びウィリアム・テルの行進曲が聴こえてきて,第4楽章ではワーグナー「ニーベルングの指環」の「運命の動機」と「トリスタンとイゾルデ」の「前奏曲」が聴こえてきます このように,交響曲第15番は他の作曲家の作品(自分の作品も,らしい)を自由に引用して,まるでパロディー音楽のような内容になっています この曲の作曲中,ショスタコーヴィチは「なぜこれらを引用したのか分からない」とお茶を濁しているらしいのですが,そんなことはないでしょう.アイロニーが身上のショスタコーヴィチのことですから,周到な計算が背景にあったことは間違いないと思います

ショスタコービチは聴けば聴くほど面白くなってくる作品が多いと思います 本番を聴くに当たっては予習するのが理想ですが,今回はベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン・フィルのCDで予習しました

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

トリフォニーホールチケットセンターで,12月17日(土)午後4時からトリフォニーホールで開かれる「パイプオルガン クリスマス・コンサート」のチケットを買いました プログラムはバッハ「小フーガ ト短調」,チャイコフスキー「くるみ割り人形」から、クリスマス・キャロル・メドレーほか 出演者はパイプオルガン=山本真希,ソプラノ=鷲尾麻衣です 全席指定1,500円,理屈抜きで楽しみたいと思います

 

          

コメント (2)
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