人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ノルマ」をカラスのCDで予習する/誉田哲也著「Qrosの女」を読む/門脇麦主演・岸善幸監督「二重生活」を観る

2016年11月02日 07時49分10秒 | 日記

2日(水).わが家に来てから今日で765日目を迎え,2020年の東京オリンピックのボート会場が3カ所提案されたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

          

            ボート会場だけに 早く決めて 準備に漕ぎ出して欲しいなぁ

 

  閑話休題  

 

昨日,夕食に「鶏ももキャベツの味噌マヨガーリック」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました 「鶏もも~」は日本酒を擦りこんで薄力粉をまぶしてフライパンで焼くのですが,いつも焦げ付いてしまいます サラダ油が足りないのかな

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

6日(日)にプラハ国立歌劇場の来日公演 べッリーニの歌劇「ノルマ」(主演:エディタ・グルベローヴァ)を聴くので,今週はCDによる予習週間です

 

          

 

レファレンスCDは,ノルマ=マリア・カラス,ポリオーネ=フランコ・コレルリ,アダルジーザ=クリスタ・ルートヴィヒほか,トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団による1960年9月のステレオ録音です

 

          

 

マリア・カラスは1948年11月30日にフィレンツェ市立歌劇場で「ノルマ」を初めて歌って以来,65年5月29日の不調で第2幕がキャンセルとなったパリ・オペラ座の公演まで,58年のローマ歌劇場における中断公演を含めて90回歌っています カラスにとって「ノルマ」は究極の当たり役となったのです.「ノルマ=カラス」という図式が出来上がってしまった結果,後のソプラノ歌手は「ノルマ」に手が出なくなってしまったとも言えるでしょう この「ノルマ」の大成功をはじめとして,オペラ界の紀元前(B.C)・紀元後( A.D)は「ビフォア・カラス,アフター・ディーヴァ」と言われるようになりました

マリア・カラスの声は決して美声ではありません しかし,いったん出された歌声は,それ自体がドラマをはらんでいます 文字通り「ドラマティック・ソプラノ」なのです 一度 彼女の歌を聴いたら決して忘れられないでしょう.カラスはそういう力を持っています

なお,下のCDは上記1960年盤のハイライト盤です 「清らかな女神よ」をはじめ主なアリアが収録されていますが,劇的緊張感が漲る「序曲」が収録されていないのが唯一残念なところです

 

          

 

これとは別に,カラスは1954年4月~5月にモノラル録音で「ノルマ」を収録しています こちらは,カラスの他に,ポリオーネ=マリオ・フィリッペスキ,アダルジーザ=エベ・スティニャーニ他が出演し,セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団が演奏しています カラス絶頂期の歌声が聴けます

 

          

 

マリア・カラスのお陰で私は「ノルマ」が大好きなのですが,日本ではなかなか上演の機会がないのが残念です それでも,普段から情報を収集して これまで生で3回観ました 2003年7月6日 東京文化会館でディミトラ・テオドッシュウがノルマを歌った「イタリア ベッリーニ大劇場カターニア」の来日公演(下のパンフレット),紀尾井ホールでの日本人歌手による公演,市民オペラ公演の3回です 今回の来日公演でもダブルキャストでノルマを歌うテオドゥッシュウは さすがに素晴らしかったのですが,今度は世界最高峰のソプラノ  グルベローヴァが歌うというので大いに期待しています

 

          

 

  またまた,閑話休題  

 

誉田哲也著「Qros(キュロス)の女」(講談社文庫)を読み終りました 誉田哲也の作品は文庫化されるたびにこのブログでご紹介してきました 1969年東京生まれ.学習院大学卒.2002年に「妖(あやかし)の華」で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞してデビューし,その後,「ストロベリーナイト」や「ジウ」シリーズで警察小説の第一人者として活躍してきました

 

          

 

「Qros(キュロス)」とは日本のファストファッションを代表する一大ブランドという設定.UNIQLOをモデルにしているのではないかと想像できます

QrosのテレビCMに登場した正体不明の美女,通称「Qrosの女」 ものすごく可愛いのに誰だか名前も分からない ネット上でも話題彷彿のCM美女はどこかの芸能事務所の秘蔵の新人か,あるいはアジア系の無名の外国人タレントか・・・「週刊キンダイ」芸能記者の矢口慶太は,世間を騒がせている謎の美女「Qrosの女」の素性を暴くべく奮闘する ある日,CMで彼女と共演した藤井涼介の自宅を,先輩記者・栗山と一緒に張り込んでいるとそこに当人が現れる 藤井との熱愛スクープが取れるか と意気込むが逃げられてしまう ところが,世間で騒がれている当の本人(真澄)は,偶然が重なってCM出演が急きょ実現したが,先輩女優には妬まれ,ネットでは私生活を暴かれ,安心して外を歩けない不自由な生活を強いられていた そんな生活に追いやったのは意外な人物だった.そこには何の苦労もなく突然有名になった”ぽっと出の”新人に対する妬みが隠されていた

栗山の提案で,真澄は「Qrosの女」から解放され自由を取り戻すことが出来,さらに真澄に似た別の人物(りん)を新しい「Qrosの女」として正式にデビューさせることになります りんは真澄と違い芸能界向きの目立ちたがり屋なので,上手くやっていけるように描かれていますが,果たしてファストファッションのような「使い捨て」の世界で どこまで生き延びていけるのか,という疑問も頭に浮かんできます

 

  最後の,閑話休題  

 

早稲田松竹で「二重生活」を観ました これは岸善幸監督による2015年製作126分の作品です

 

          

 

この作品は小池真理子の同名小説を岸善幸監督が映画化したデビュー作です 

哲学科の大学院生・白石珠(門脇麦)は,担当教授の篠原(リリー・フランキー)のアドヴァイスから,一人の対象者の生活や行動を追跡して記録する『哲学的尾行』を実践し,修士論文にまとめることにする 珠は戸惑いながらも,たまたま近所に住む石坂(長谷川博巳)の姿を目にし,豪奢な一軒家に美しい妻と娘と暮らす石坂を追跡する生活が始まる 追跡の途中,珠は石坂が女と会っている所に遭遇しメモを取る.一方,石坂の妻は夫が隠れて外で女と会っていたことに気づき,二人で会っている現場に乗り込む その時,現場に珠が居たことで,石坂は自分が尾行されていたことに気づき,妻の依頼で尾行したのだろうと珠に詰め寄る 珠は正直に修士論文のための尾行だったと言い訳するが なかなか信じてもらえない

この映画は門脇麦の単独主演作ということです 「愛の渦」もそうでしたが,門脇麦っていつもメガネをかけている役柄を演じているような気がします メガネを外した素の顔との落差が激しいですね そこが彼女の魅力を引き立てる監督の狙いなのでしょうか? 役者としてはまだまだこれから,という気がしますが,将来性はあると思います

ところで,この映画ではサイド・ストーリーとして篠原教授の物語がありますが,死を前にした母親を安心させるために 独身の篠原が取った行動には理解できるところがあります それにしても,現代は お金さえ払えば何でもやってくれる世の中なんだな,と感心すると同時に 何か寂しい気がしました

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