6日(日).わが家に来てから今日で769日目を迎え,あまりにもお尻が汚いので 生まれて初めてお風呂に入れてもらい 恐怖で声が引きつるモコタロです
お風呂怖いよ~ 水嫌いだよ~ 早くここから出してくれよ~
何でも言うこと聞きますです お代官様 ここから出してくだせえ
ああ やっと外に出られた~ もうイヤ! こんな生活 痛氾生活ってか
閑話休題
昨日,サントリーホールで東京交響楽団の第646回定期演奏会を聴きました プログラムは①ドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」,②ブラームス「交響曲第4番ホ短調」です
①のチェロ独奏はアリサ・ワイラースタイン,指揮はシモーネ・ヤングです
1曲目はドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」です オケの態勢は,左奥にコントラバス,前に左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります
コンマスはグレブ・二キティン.ゴージャスなゴールドの衣装を身に付けたワイラースタインがシモーネ・ヤングと共に登場します
シモーネ・ヤングは,オーストラリア出身で ドイツを本拠として活躍している女性指揮者です 2015年までの10年間 ハンブルク州立歌劇場総裁兼ハンブルク・フィル音楽総監督を務めていました
ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスのオペラが得意分野のようで,世界中のオペラ劇場でタクトをとっているとのことです
外見を見る限り,ワーグナーを指揮するというよりもブリュンヒルデを歌う方が似合っているような雰囲気を醸し出しています
一方,アリサ・ワイラースタインは,天才チェリスト ジャクリーヌ・デュ=プレ以来,ダニエル・バレンボイムがエルガーの協奏曲で共演したことで話題を呼んだ女性チェリストです
ヤングはメガネを着用しています.コンチェルトなので譜面を見て指揮をとるということです ヤングのタクトで第1楽章が開始されます.やがて独奏チェロが入ってきますが,10月21日にN響定期で同曲を弾いたロシアのクニャーゼフほどの迫力はないものの,説得力があります
独奏ホルンはヨーロッパ遠征疲れでしょうかお疲れ気味でした
一方,フルート首席の相澤政宏,オーボエ首席の荒木奏美,クラリネット首席のエマニュエル・ヌヴ―はいつもながら素晴らしい演奏を展開していました
第2楽章のアダージョではワイラースタインの操るチェロ(1730年製ドメニコ・モンタニャート)の美しい音色が会場いっぱい響き渡りました 良い気持ちで聴いていると,左ブロックの方から,曲に合わせてメロディーを口ずさむ高齢男性の歌声が聞こえてきました
定期演奏会では珍しいことですが,時々いますね,こういう困ったおじさんが
本人だけが興に乗っていて周りに迷惑をかけていることに全く気付いていない最悪の状況です
「あんたの歌を聴きに来たんじゃないんだよ
」と叫びたくなります.せっかくのワイラースタインが台無しです
第3楽章では,高音から低音までニュアンスに満ちたワイラースタインのチェロが美しいメロディーを歌います 名門デッカ・クラシックがチェリストとして初めて専属録音契約を結んだそうですが,「看板に偽りなし」その実力を存分に発揮しました
会場いっぱいのブラボーと拍手に,ワイラースタインはバッハ「無伴奏チェロ組曲第3番」からサラバンドを瞑想的に演奏し,聴衆のクールダウンをはかりました
休憩後はブラームス「交響曲第4番ホ短調」です この曲は1884~85年(作曲者51~52歳頃)に作曲されました.シモーネ・ヤングは今度はメガネを着用していません.つまり暗譜で指揮をとるということです
ヤングのタクトによって第1楽章が開始されます.何ともやるせないメランコリックなメロディーが奏でられます
ヤングは後半に入ると急にテンポを上げ,畳みかけるように曲を終結させました
この人の音楽作りの一面かも知れません.第2楽章はアンダンテ・モデラートの指示そのものの演奏でしたが,第3楽章は相当速いテンポで駆け抜けます
そして間を空けずに第4楽章に入りますが,この楽章も第1楽章と同様,後半にテンポをアップしてオケを煽り立てます
この曲でもフルート,オーボエ,クラリネットを中心に木管楽器群が優れた演奏を展開していました
左ブロックの「浪花節」はオケのフォルテにかき消されたようです
あのおじさんが定期会員でないことを祈ります
熱狂的な聴衆の反応から,繰り返されるカーテン・コールでステージに呼び戻されるシモーネ・ヤングは,管楽器を立たせ,オケ全体を立たせ,深々と前に後ろに一礼します
ヤングの本領はオペラで発揮されるようなので,今度はワーグナーの楽劇を聴いてみたいと思いながら帰途に着きました