早起き鳥 

【未明混沌】今日も必ずお元気で…!

船乗りのねこ、海の嫌いなねこ!

2017年07月03日 05時36分16秒 | コラム




 あるとき、ねこは

船のりの ねこでした。

ねこは、海なんか きらいでした。


船のりは、せかいじゅうの 海と、

せかいじゅうの みなとに

 ねこを つれていきました


あるひ、ねこは、

船から おちてしまいました。

ねこは およげなかったのです。


船のりが いそいで

あみで すこいあげると、

ねこは びしょぬれになって

しんでいました。


船のりは、ぬれた 

ぞうきんのようになった

ねこをだいて、大きな声で 

なきました。


そして 遠い みなとの町の

こうえんの 木の下に 

ねこを うめました。


  「100万回生きたねこ」 佐野洋子 著

     




 

     




 今回のネコは船乗り・・・

世界中の海で生きる暮らし

僕自身が船乗りになりたいくらいの憧れである


多分、この飼い主は船長なんだろう

愛ネコを連れて七つの海を・・・

素晴らしい日々を送っていたに違いない


でも海が嫌いだったネコには

毎日、死にたいような苦しみを味わいながら

ただひたすら、海でさまよう暮らし・・・

これまた苦しい一生


悲しいかな、飼い主が人一倍

このネコを可愛がるものだから

ネコの苦しみははかりしれない・・・

ネコは毎日死にたい思いで

世界中の海について行ったに違いない

ネコの思いが天に通じ、ある日帰らぬ旅に


この船乗りのネコ

飼い主の船長の目にどんな風に映っていたのだろう

ネコを思いやる心が飼い主には必要ではなかったのか

でも、何よりも愛おしいネコだっただけに

別れの辛さは海よりも深かったに違いない


港の見える公園に葬られたネコ

死んでもまだネコの心を理解できなかった飼い主

海の嫌いだったネコにとってはうかばれない


次に生まれ変わるときはどんな暮らしを願ったことか

ネコの苦しみは生き死にを繰り返しつつも苦労は続く

いやはや、飼い主に可愛がられて生きるも辛い話である



       早起き鳥




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