早起き鳥 

【未明混沌】今日も必ずお元気で…!

rakuten

運命?

2006年06月11日 04時20分20秒 | 読書


 沙織は自分の身代わりを残したくて子供を望んだのではなかった。彼女は雅人に生き続けて欲しくて我が子を望んだのだ。彼女にとっては雅人の生がそのまま自分の生だった。
 大学の心理学教室を取材に訪れた雅人を一目見て彼こそが愛すべき人だと沙織は知ったという。そしてその相手と結婚できた時、彼女は自身の運命を信じ、神の存在を確信したという。

 運命というのはたとえ瞬時に察知したとしても受け入れるだけでは足りず、巡り会ったそれを我が手に掴み取り、必死の思いで守り通してこそ初めて自らのものとなるのだ。最後の手紙で沙織が言いたかったのはきっとそのことに違いなかった。
  「私という運命について」 白石 一文  

裕次郎に見えた「運命」が
ひろしには見えずに
また見ようともしなかった
裕次郎には見えた依子と純一の「運命」が
ひろしには見えずに
また見ようともしなかった
裕次郎と依子と純一には見えた
彼ら三人の「運命」が
ひろしだけには見えず
また見ようともしなかった
  がんばれ早起き鳥