長く、暗い、迷路のようなトンネルの中にいた。
迷いながら歩いているといつも二本の分かれ道にたった。
『どっちへ行けばいいのだろう』
『どっちの道が出口だろう』
右の道。左の道。
目を凝らすと右の道には薄くぼんやりと灯りが見える。
左の道はどこまでも真っ暗だ。
まるで大きな魔物の口の中を覗き込んでいるようだった。
あまりの暗さに足がすくんだ。
『きっと。右だ。だって遠くに薄明かりが見える。』
ぼんやりと見える灯りを頼りに、ずんずんと進む。
灯りはだんだん大きく見えてくる。
『良かった。やっぱりこっちだった』
出口への期待に胸膨らませ、光に向ってどんどんと進む。
だけど。明るくなりかけたトンネルはまた薄暗くなっていく。
『速く。見失わないうちに』
もう少し。もう少しのところで灯りはふっつりと消えた。
そしてまた二本の道の前に立っていた。
『なぜだ。灯りを目指して歩いたのに』
また右の道。左の道。
目を凝らしてみる。
今度は左の道にうっすらと灯りが見える。
私はまた灯りのともる左の道を進む。
もう少しのところでまた灯りは消えた。
何度も。何度も。私は二本の道を選び続けた。
灯りのともる道を選び進み続けた。
『今度こそ』『きっと次は』そう信じて。
しかし、トンネルの出口にたどり着くことはなかった。
トンネルに迷い込んでから18年目、また私は二本の道の前にたった。
右の道。左の道。
今度は右の道にうっすらと灯りが見える。
とおく誰かの声が聞こえた。
『何度も同じ過ちを繰り返す時、そこに答えが隠されているんだよ』
いつも灯りのともる道を選んだ。
だけど、それは本当の灯りではなかった。
真っ暗な道から目をそらす、己の弱さの灯りなのだと気がついた。
私は真っ暗な左の道を選んだ。
恐くてたまらない真っ暗な左の道。
最初は這って進んだ。
杖を見つけ壁につかまって進んだ。
どこまでも真っ暗な左の道。
先など見えない。
ただ、足元だけを見て。
歩く地面だけを信じて。
私は、転び。傷を負いながらも進んだ。
いつしか、つま先が見えるようになり。
自分の手が見えるようになった。
俯いた顔をあげると私はトンネルの向こう側に立っていた。
迷いながら歩いているといつも二本の分かれ道にたった。
『どっちへ行けばいいのだろう』
『どっちの道が出口だろう』
右の道。左の道。
目を凝らすと右の道には薄くぼんやりと灯りが見える。
左の道はどこまでも真っ暗だ。
まるで大きな魔物の口の中を覗き込んでいるようだった。
あまりの暗さに足がすくんだ。
『きっと。右だ。だって遠くに薄明かりが見える。』
ぼんやりと見える灯りを頼りに、ずんずんと進む。
灯りはだんだん大きく見えてくる。
『良かった。やっぱりこっちだった』
出口への期待に胸膨らませ、光に向ってどんどんと進む。
だけど。明るくなりかけたトンネルはまた薄暗くなっていく。
『速く。見失わないうちに』
もう少し。もう少しのところで灯りはふっつりと消えた。
そしてまた二本の道の前に立っていた。
『なぜだ。灯りを目指して歩いたのに』
また右の道。左の道。
目を凝らしてみる。
今度は左の道にうっすらと灯りが見える。
私はまた灯りのともる左の道を進む。
もう少しのところでまた灯りは消えた。
何度も。何度も。私は二本の道を選び続けた。
灯りのともる道を選び進み続けた。
『今度こそ』『きっと次は』そう信じて。
しかし、トンネルの出口にたどり着くことはなかった。
トンネルに迷い込んでから18年目、また私は二本の道の前にたった。
右の道。左の道。
今度は右の道にうっすらと灯りが見える。
とおく誰かの声が聞こえた。
『何度も同じ過ちを繰り返す時、そこに答えが隠されているんだよ』
いつも灯りのともる道を選んだ。
だけど、それは本当の灯りではなかった。
真っ暗な道から目をそらす、己の弱さの灯りなのだと気がついた。
私は真っ暗な左の道を選んだ。
恐くてたまらない真っ暗な左の道。
最初は這って進んだ。
杖を見つけ壁につかまって進んだ。
どこまでも真っ暗な左の道。
先など見えない。
ただ、足元だけを見て。
歩く地面だけを信じて。
私は、転び。傷を負いながらも進んだ。
いつしか、つま先が見えるようになり。
自分の手が見えるようになった。
俯いた顔をあげると私はトンネルの向こう側に立っていた。
弱さが駄目ではないけれど
そのことに気が付いて、やっと繰り返したくないと
暗闇の道を選ぶ覚悟があって
トンネルを抜けるんですね
実は自分が目を瞑っていただけなんですよね。
暗闇は自分が作り上げていた。
トンネルも自分で作っていた。
今は、あの18年をそんな風に振り返ったりします。
私の言いたい事が伝わってもらえて
嬉しかったです。
ありがとう。