トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

合鍵

2007-03-04 17:56:37 | 元夫婦
「俺とはもう関わりたくないって事なんだろう!」
それまで穏やかに話していた夫が突然怒り出した

私が合鍵を置いていって欲しいと言ったからだ

「俺が鍵を持っていると気分が悪いって事なんだろう?
此処は俺の家になるんだぞ。それに住まわせてやるんだから、
俺は大家だろう?大家は鍵を持っているもんだろう?」と段々声が大きくなっていく

「鍵を持っていたって別に何かするつもりはなかったよ。
大切に保管しておくつもりだったんだ!此処まで譲渡してやってるのに
全部ぶち壊しているのはあんただ!」

「あわよくば。なんて考えていた俺が甘かったんだな?
あー、分かった。あんたは自分主体で話を進めなきゃ納得できないんだろう?
分かった。俺が出る時に鍵をポストに入れて行けば良いんだろう?」

鍵の事を言えば怒るだろう
ショックを受けるだろうと分かっていた

でも夫は話し合いの中でも「ちょっと修行に出ると思ってやってみるよ」とか
「1年に一回は家族で旅行でもどう?」とか
離婚という現実を全く分かっていないように思える発言を繰り返す

挙句は「まあ。養育費が払えなくなったら此処に下宿に戻ってくるかな?」とか言い出す

夫は今まで借金が発覚して、もめる度に私の言うとおりにしてきた
バイトに行けといえばバイトに行き。
病院に行ったらと言えば病院を探す

「許して貰えるなら何でもするよ」と言う姿勢だ
「ほら。やったよ。次は何をすれば許してくれるの?」
「ほら。次は?」と自分からどうすれば良いかは全く考えない

言いなりになる事で相手をコントロールする事しか思いつかないのだった
私も「こんなに私の言うとおりにしてくれて反省しているんだから、今度こそ大丈夫に違いない」と信じてしまってそのコントロールを受け入れてしまうのだった

今回も夫は「仕方ない。少しの間離婚をしておけば、気が済むだろう」と思っていたのだ
だから鍵を預けてという事は夫の思惑とは全く外れてしまったのだ

こんなに条件を受け入れているのに。。。。
言うとおりにしてあげているのに。。。。

拒否される事が何よりも嫌いな夫にとって決定的となる言葉だったろう

それから、話し合いはストップしてしまった
今日は娘もようやく外へ出られるようになったので、大型スーパーへ行く予定だった。
息子も「お父さんと思い出作りするよ」と楽しみにしていた

でも夫は無言のままゲームをやり続けていた
背中から怒りがピリピリと伝わってくる

昼を過ぎて突然「今日は行かないんだろう?」とイライラしたように言う
「もう、行く準備は出来てるんだけど・・・」

またムッとしたままゲームを始める
「行かないの?」と息子が寂しそうに聞く

この状態で出かけてもきっと楽しくないだろうなと考えたら
私も行きたくなくなった

「あのさ。今日は気分も悪そうだから、休んだら。来週で良いよ。
私はちょっと百円ショップに出かけるから」と言うと
凄い勢いで睨み返して
「それなら、俺も買い物で出かけるよ。色々揃えなくちゃいけないし」そう言って
荒々しく出かけていった

息子に「百円ショップの後に本屋さんに行くけど、一緒に行く?」と聞くと
「カードゲームして良い?」
「うん。良いよ」
「やった!」明るく笑った

3人で手をつないで出かけた
いつもの光景だった

家族で本屋に出かけても夫はすぐ自分の好きな本を見に行って
いつも子供達は私に預けたままだった
私は子供の本を一緒に見るだけで自分の本は見ることが出来なかった

大型スーパーに行っても夫はすぐ自分の好きなお店に行ってしまう
私は子供のおもちゃ売り場にずっと待たされたまま
お昼の時にようやく会えるだけ

4人で行ってもいつもお店を廻る時は3人だった
何も変わらないのかもしれないと思った

息子が「大型スーパーって地下鉄でも行けるんだよ。1日切符だと子供250円なんだよ。だからお父さんがいなくても行けるよね」と言った

「本当だね。3人でも行けるね」

そう。3人でも大丈夫だね

今日も聞いてくれてありがとう