(Entry 329~332/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L
この日、天気は前日の雨から回復傾向にあるものの、熱帯低気圧の影響か西風が強く、行きたかったポイントの一つブルーホールはお預け。
こんな雨季の時期で風向きが悪い時でも潜ることができるのが、ゲロン島の周辺だ。島には1家族が住んでいるそうで、美しいビーチがあるのだが上陸はできないらしい。
このゲロン島の西側には大潮の時、長い砂浜が現れることで有名な白砂のロングビーチがある。
コロールからおよそ40分。ペパーミントグリーンとディープブルーのコントラストが眩しい景色の中をスピードボートでぶっ飛ばしゲロンインサイドに到着。
ブイにボートをつけて潜降すると目の前に真っ白い砂地が広がる。
体まで青に溶けそうなほどのパラオブルーの蒼い水と、雪のゲレンデのような白の砂地のコントラストに思わず歓声をあげてしまう。
砂地の上をフワフワ浮遊していると、実は砂地の下ではU字型に2匹が繋がっているというチンアナゴや、一つの穴にテッポウエビと同棲している不細工な顔のギンガハゼが顔を覗かせている。また、リーフ側は美しいサンゴ。仏の頭か、脳みそのようなコモンシコロサンゴ. の群生が見事だ。
西側にあるポイントはゲロンアウトサイド。インサイドとはまったく違った景観を呈す。
エントリーしてドロップオフ沿いに流れに乗って進むと、クマザサハナムロやウメイロモドキといったグルクンの仲間が、群れというよりも、100mぐらいの行列を作って泳いでいる。このまま泳いでいると、群れの流れとぶつかってしまうぼくは、行列を乱すのが申し訳なくてどうしたものかと迷っていたら、ぶつかったところで群れは2つに分断。
ウメイロモドキの群れが去り視界が開けて、ふと、リーフに目をやるとを1.2mもある超巨大シャコ貝が口をあけている。
世界に生息するシャコガイは9種類。そのうち7種類がパラオに生息しているらしい。シャコガイはサンゴと同様、外套膜に褐虫藻を共生させて光合成をし養分を得ている。シャコ貝の外套膜の色が鮮やかなのタンパク質の構造色による。タマムシやコガネムシの外骨格が金属色を呈するのとおなじメカニズムだ。
シャコ貝が貝を閉じる力は約2トンと言われる。昔のダイビングの教科書には、こうした巨大シャコ貝に足を挟まれる恐れがあるから潜降時は海底に注意をするように書かれていたのだが、実際には完全に閉じることができないか、閉じる速さが緩慢で、はさまれる心配はないらしい。
アウトサイドでは潮回りが良いと、サメはもちろんのこと、マンタやジンベイなどの大物が見られる。この日はサメが一匹。そして、途中から一緒に海の散歩を付き合ってくれたスピアフィッシングのキズが生々しいナポレオン。パラオでは素潜りで水中銃で魚を突くスピアフィッシングが盛んだ。
人懐っこいがゆえに運悪く仕留められたナポレオンは、日本料理店などで煮付けにして出され、日本人に大人気なのだそうだ。そのため乱獲となり、ナポレオンの数は激減しているという。
哀しいことだ。海を愛するダイバーなら、意地でも愛すべき魚たち(群れでいるのを除く)を食べないという矜持があっても良いと思うのだが・・・。
こんなことを書くと、「なんで群れでいるグルクンは食べてもいいんだ?」と反論されるかもしれない。他人の食の嗜好に文句を言うなと。
ナポレオンよ。せめてシガテラ毒を体内に大量に蓄積し、食べるヤツラに食中毒を起こさせて、その無念を晴らしてくれ・・・
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