先のダイビングで、2人の常連客と下田ダイバーズからの帰りの電車で一緒になった。3連休の最後の日。一緒になった3人とも、前の晩に帰宅するつもりでいて、下田ダイバーズのあまりの居心地のよさに、あるいは、夜の飲み会の誘惑に打ち勝てず、翌朝帰りとなったメンバーたちだった。
さて、その酔っ払いのご3名さま。伊豆急下田から熱海までの道中、ダイビング談義で話がはずんだのだが、雲見ダイバーにほとんど共通するのは、”サメ好き”という点であるかもしれない。
外資系銀行員の彼に、視界の悪い海で目の前に急にハンマーヘッドに出会ったらどうするか聞いてみたのだが、
「頭を抱きしめて頬擦りする」とのこと。また、前日のダイビングでぼくのバディを勤めてくれた女性も、ウンウンと目を輝かせて同意する。・・・・・・なんというやつら。絶句するしかない。
さて、このハンマーヘッドの頭の形。なぜ、あのような形になったかについては、両目が大きく横に張り出していることにより、ふつうのサメよりも広い視界を見ることができ、エサを探すのに有利だからと考えられている。
両目を離れた位置に持っていくことで、左右の目とターゲットを結ぶ線の角度が広くなり、この結果、ターゲットまでの距離を把握するのも正確性が増すだろう。ただし、欠点としては、F1フォーミュラカーのスタビライザーのように張り出した頭部の両脇に目が付いている関係で、至近距離のターゲットは死角になりやすいことがあげられる。
神子元のダイバーがハンマーダッシュする場合、ハンマーヘッドの前方から近寄ると、ハンマーは逃げていくというから、それでもある程度の前方視界はあるようだ。
前方の近距離のターゲットに対しては、サメやエイ独特の器官であるロレンチーニ瓶でカバーするようだ。このロレンチーニ瓶とは、ハンマーの頭部腹側表面にある小さな穴(鼻)にある器官で、この小さな穴の奥はその名の通り瓶状になっており、ゼラチン状の物質で満たされている。サメは、この器官で温度変化、機械的刺激、塩分変化ばかりでなく、更に、微弱な電場・磁場の変化を感知出来る事ができる。動物は体内に微弱な電流が流れ周囲に磁場が出来るのだが、サメはロレンチーニ瓶によってその僅かな磁場を感じる事ができるのだ。特に、この器官が発達しているシュモクザメは、この器官を使って砂の中に潜っているエイなどを見つけて捕食するらしい。
もうひとつ、目が離れている利点として挙げられるのは、口からはみ出したエイのしっぽの毒トゲで目を傷つけるリスクを避けることができること。と考えるのだがどうだろうか。
一般に、メジロザメの仲間は目に瞬膜(しゅんまく)とよばれる、白いまぶたのようなものを持っており、この瞬膜は、サメが獲物を攻撃する時に、相手の鉤爪などで目をやられないように、閉じて保護する機能をもっている。メジロザメのメジロは、釣り上げられたときに目が白く見えるこの瞬膜から来ている。エイを好物とするシュモクザメにとって、エイのしっぽの毒トゲは大きな障害であったと考えられるのだがどうだろう。
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