tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

屋久島 ふれあい

2009-11-24 22:51:52 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

【撮影地】鹿児島県熊毛郡上屋久町白谷(屋久島自然休養林)(2009.11月撮影)
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屋久島を訪れる多くの旅人が異口同音にして言うこと、それは「人とのふれあいに感動した」というフレーズ。
日本の本州では、渋谷の駅前で通り過ぎるきれいなおねえちゃんに、待ち構えていた若い男の子たちが声をかける以外、見知らぬもの同士が会話を交わす習慣はまったくなくなってしまった。
30年ぐらい前は、日本でも旅先の鈍行列車の中で隣り合わせた乗客同士が世間話に興じることが一般的だったし、旅先で知り合った若者たちが意気投合して一緒に行動することがよく行われていたのである。
他人に干渉するような旅人同士や地元の人と声を掛け合う習慣も、人とのつながりを感じることがまったく稀有になってしまった時代においては、屋久島での見知らぬもの同士の会話にたまらなく新鮮な印象を覚えるのかもしれない。

屋久島で人同士のふれあいの密度が濃くなるのは、一見、広いように見える屋久島だが、実は人々の可踏領域が狭い範囲に限られていることから来ているのかもしれない。
ヤクスギをめぐるトレッキングコースも、実際にはほとんど限られた道を歩くことになるから、特に平日、山に入ったのなら、行く先々で同じ旅行者と出会うことになる。
この日も、白谷雲水峡で、くぐりスギを抜けていく単独行の女性を見かけ、巨大なスギの根元にぽっかりと開いた空間の大きさを示す指標として彼女の後姿を写真に撮らせてもらったのだが、帰りの駐車場で彼女をまた見かけた。
雨にぬれたレインウェアーを脱いでおやつを食べて休憩し、その後の山から下る道中でまた彼女に出会った。
ガケ崩れ工事をしている道路で、山間に安房の町並みが見下ろせるスポットだった。雨が止み、眼下に海が広がっている。
運転していたレンタカーを止めてはるかな町並みの写真を撮っていたら、彼女が車を止めて降りてきた。
富山ナンバーをつけたステーションワゴンだった。ぼくの隣でニコンのデジイチのシャッターを切っている。
「フェリーですか?」と聞くと彼女はニッコリ。
帰りの船の時間が迫っていたので会話はそれだけ。でも、富山からはるばる車に乗ってやってきた彼女の透き通ったような笑顔が心にしみた。
女性の一人旅。いろいろな出来事がこの先待っているのだろうが、良い旅を続けてほしいと心から願った。


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