ブロック塀から生け垣へ 京都・長岡京の制度に関心集まる

2018-07-22 14:08:28 | 政 governing

 大阪府北部地震を機に、危険なブロック塀の存在が各地で多数明らかになる中、ブロック塀を生け垣に付け替える費用を助成する京都府長岡京市の制度に、市民の問い合わせが相次いでいる。これまで利用は低調だったが、地震を受けて市は急きょ、制度内容を周知するチラシを全戸配布した。

 助成対象は創設当初、緑化の観点で生け垣の新設だけだったが、2009年から防災対策も兼ねてブロック塀からの付け替えなどにも広げた。付け替え時の補助額は上限7万5千円。ブロック塀の改善に独自の補助制度があるのは府内の自治体で少数という。

 長岡京市によると、地震発生以降、同制度の実務を担う市緑の協会と市には18日までにブロック塀撤去に際して制度利用が可能かを尋ねる相談が計27件あった。問い合わせは昨年度3件で、以前も同程度にとどまっていたという。

 同市奥海印寺の林恵美子さん(68)は相談した一人。自宅のブロック塀は、建築基準法に基づく塀の安全基準が強化された1981年以前の設置とみられ、ひび割れが目立つ。塀のそばで近所の子どもたちが遊んだり、車が止まったりするため危険と感じて市へ問い合わせた。林さんは「阪神大震災の後に一度は補修したが、ずっと不安だった。事が起きてからでは遅い。何かいい方法はないか」と案じる。

 助成制度は、フェンスへの付け替えには適用されず、幅員4メートル以上の道路に面しているなどの要件がある。利用は15年度で3件、16年度はゼロ、17年度は2件と振るわず、市公園緑地課は「周知不足に加え、生け垣にした後の維持管理がネックになっているとみられる。手間のかからない品種を紹介したい」とする。

 市内では地震後の緊急点検で、現行の安全基準を満たさないブロック塀が通学路上だけで634カ所確認された。大半は民家の所有物といい、市教育委員会は特に安全上の懸念が強い塀について、所有者へ個別に点検や改修を依頼し始める予定。

 市は6月末、ブロック塀の安全点検項目と助成制度の説明を併記したチラシを広報誌に折り込んで全世帯に配布した。「制度を広め、まちの安全性と住環境を高めていきたい」(同課)とし、助成の原資となる市緑の協会への補助金を、18年度一般会計の当初予算15万円(2件分)から、大幅に増額する方向で検討している。

【 2018年07月19日 11時40分 



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